中国、一人っ子政策の存廃めぐり元政府高官2人が暗躍=関係筋

 [北京 9日 ロイター] 中国の「一人っ子政策」について、元政府高官2人が存続と段階的廃止をめぐって争い、それぞれが現指導部への働きかけを強めていることが分かった。事情に詳しい複数の関係筋が明らかにした。
 存続を主張しているのは、中日友好協会名誉会長を務める宋健・元国務委員(81)。一方、段階的廃止を求めているのは彭佩雲・元全人代常務副委員長(83)。彭氏は、一人っ子政策を統括する国家計画生育委員会の主任を1988年から98年まで務めていた。
 両氏ともに現指導部への影響力を保持している。
 彭氏は、一人っ子政策を緩和する時期に来ているとみている。中国経済に与える影響などから、先ごろ北京で開かれた学術会議でこうした見方に転換したことを初めて公にした。
 多くアナリストは、一人っ子政策が中国の労働力人口を縮小させ、経済成長を妨げていると主張。2012年には数十年ぶりに中国の労働力人口が縮小した。
 一方、宋氏は、中国の資源は限られており、経済発展を維持するには依然として低出生率が必要だとの見方。一人っ子政策を維持しなければ中国の人口は爆発的に増え、食料やその他の資源不足を招くとの考えをエッセーの中で示したことがある。
 両氏ともにロイターのインタビューには応じなかった。
 中国の一人っ子政策は1980年に始まり、現在では多くの例外が認められているものの、依然として人口の約63%に適用されている。

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