メキシコ前大統領の麻薬対策、多くの犯罪組織を形成=検事総長

メキシコ前大統領の麻薬対策、多くの犯罪組織を形成=検事総長
12月18日、メキシコのムリージョ検事総長は、カルデロン前大統領が6年前に麻薬犯罪の撲滅を宣言して以来、新たに多くの麻薬組織が形成されたと指摘。写真は赤いペンキが塗られたカルデロン氏のポスター。11月撮影(2012年 ロイター/Edgard Garrido)
[メキシコ市 18日 ロイター] メキシコのムリージョ検事総長は18日、カルデロン前大統領が6年前に麻薬犯罪の撲滅を宣言して以来、新たに多くの麻薬組織が形成され、その数は60─80に上るとの見方を示した。
コンサルタント会社リスク・エバリュエーションによると、それ以前に活動していた麻薬組織の数は10程度で、このうち大規模な組織が4つ、小規模が6つだったという。
ムリージョ検事総長はラジオ局に対し、カルデロン前大統領は麻薬犯罪の撲滅に努めたが、結果的に組織の分裂化を引き起こし、コントロールが不可能な状態になったと指摘。前大統領の宣言以来、麻薬をめぐる抗争での約7万人が死亡したと推計し、このうち9000人の身元が明らかになっていないとした。
同国最大の組織犯罪グループはセタスとシナロアとされる一方、一部の地域ではより小規模の組織が勢力を拡大している。ムリージョ検事総長は、新たに形成された60─80の組織は中規模と小規模だと述べた。
今月1日に就任したペニャニエト新大統領は17日に麻薬関連犯罪に対する新戦略を発表し、特殊部隊の設置計画などを明らかにした。

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