みなさん「せんせい」って知っていますか?
磁石が先端についたペンでスクリーン上をなぞると、砂鉄っぽいアレが(磁性粉というそうです)浮き上がってきて絵が描けるというアレ。
下のレバーをガーッとスライドさせると絵が消えて、何度でも描けるというユカイなアレですよ。1977年から続くロングセラーで、タカラトミーの調査によると、「子どもの頃に持ってたおえかき玩具No.1」らしいです。
1回くらい使ったことあるでしょ?
磁石で磁性粉を浮き上がらせる…ということで、当然「せんせい」は黒一色でしか描けないというのは揺るがぬお約束だったわけですが、ボクが子供用おもちゃの世界から目を離しているスキに、アレがカラー対応になっていました!(お子さんがいる家庭では常識かもしれないけど)
その名も「2カラーせんせい」!
いつの間にこんな進化を……!
名前のとおり2種類のペンを使い分け、それぞれ黒と赤の線を引くことができるんです。
何度も絵を描けるというだけで、子供の頃から「フッシギー! フッシギー!」と興奮していましたが、それがカラーって…日本の技術はどうなってんだい!?
黒は引き寄せるけど、赤は引き寄せないとか、磁石でそんなことできるの? 魔法かよ!
確かにパッケージを見ると2色で描けているようだけど…。
「パッケージの写真はイメージです」とかそういうヤツじゃないの? そーじゃないの!?
…って、ホントに描けたーッ!
昔の「せんせい」感覚でススーッとスクリーンをなぞるだけで、黒ペンなら黒い線が、赤ペンなら赤い線がスルスルと引けてしまう。
イッツ・ア・マジック!
仕組みを調べてみたところ、磁性粉のN極とS極を黒と赤に色分けしているそうで、黒ペン、赤ペンをそれぞれに対応した極性にしておけば、黒ペンを乗せた場合は黒い面が上になって浮き上がり、赤ペンなら赤い面が上に…。
って、自分で書いていてもわけがわからん。あんな細かい粒の表裏に別々の色を塗るなんて可能なんすか!?
おもちゃの進化……ヤバイですね
ま、そんな難しい技術的なハナシは知らなくてもユカイに使えるのがせんせい!
ペンを使って落書きしたり
スタンプで図形を描いたり(しかも2色ストライプ!)
そんで、レバーをスライドさせれば真っ白に…
ああっ、楽しい。「せんせい」ってこんな感じだった、こんな感じだった!
ま、しかし、こちらのサイトを見ているのは大人の方々が多いかと思いますので、子供のお絵かきレベルではなく、大人が本気で絵を描くための画材として使用できるのかどうか調べてみたいと思います。
本気で絵を描くにあたって、注意しておきたいポイントが何点か。
「せんせい」と書こうとしたんだけど…
ペン先が太いうえに、磁石を使って描いているため、細かいものを描こうとすると、ほかの線まで引き寄せちゃって思ったように描けないんですよね。
キレイに塗りつぶすことができません…
塗りつぶそうと同じ場所をなぞっていると、同じように周囲の磁性粉が引きつけられちゃうので、ムラになってしまいます。
…ということで「せんせい」に向いているのは、こういう線画メインの絵でしょうね。
漫画っぽい絵は比較的描きやすいんじゃないかと…
それでは描いていきましょう!
はい、浮世絵!
喜多川歌麿の代表作「ポッピンを吹く女」ですね。線画がメインの浮世絵は「せんせい」で描くのに向いていると思います。
やはり細かい部分まではなかなか…という感じですが、そこそこうまく描けたんじゃないでしょうか。
描き終わったらザザーッ
時間をかけた絵も保存することは許されず、あっという間に真っ白に…「せんせい」は世の無常を教えてくれますね。
それではもう一丁描いてみましょう
ドン! 写楽の有名な浮世絵
うん、やっぱり「せんせい」は浮世絵向き!
そして、最近の「せんせい」は絵を描いてそれでおしまいじゃないんです。
iPhoneのみの対応となりますが、「動く!おえかきせんせい」というアプリをダウンロードして…。
描いた絵を撮影すると…
うおおおっ、水槽の中で泳いでる! …浮世絵が
本来は「せんせい」で魚を描いて泳がせるアプリなんですけどね。こんなことができるようになってるなんて、時代を感じます。
「せんせい」で絵を描くときの難点の1つに「消しゴムがない」ということがあります。
基本、レバーでザザーッと一気に消すことしかできないので、一部分だけ修正するというのはムリ!
この左目だけを修正したいと思っても不可能なんですよね
しかし、強めの磁石を用意してもらいまして
修正したい部分の真裏にゴシゴシこすりつけると…
き……消えたぁ〜!
この裏技を活用して、みなさんも「せんせい」でガンガン絵を描いてくださいね。…もしくは、子供に教えて尊敬されよう!