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キヤノン「Privacy Talk」が一般販売開始! マスク型のユニークな“減音”ヘッドセット

キヤノンマーケティングジャパンは、装着型の減音デバイス「Privacy Talk MD-100-GY」(以下、「Privacy Talk」)を2024年4月下旬より発売すると発表した。

クラウドファンディングサイト「Makuake」での先行販売(2023年10月に実施)において「応援購入総額」が1,000万円を突破して終了した製品で、今回、満を持して一般販売を開始する形だ。キヤノンオンラインショップの販売価格は23,650円(税込)。

パッと見ではマスクのように見えるユニークな形状の、このデバイスの特徴を紹介しよう。

「Makuake」で出品された「Privacy Talk」の一般販売がスタート

「Makuake」で出品された「Privacy Talk」の一般販売がスタート

雑音を減らして自分の声をクリアに届けるマスク型デバイス

「Privacy Talk」は、ファブリックカバーで覆ってマスクを着けるように装着して使うユニークな“減音デバイス”。イヤホンとマイクを搭載し、パソコンやスマートフォンとはBluetoothで接続するため、ジャンル的にはBluetoothヘッドセットに位置付けられる製品だ。

機能的な特徴は、自分の声を減音(-20dB程度)して周囲の人に聞き取られにくくしつつ、周囲の雑音も軽減すること。このデバイスを使えば、オンライン会議中に、周りに会話の内容を漏らさず、かつ会話する相手に自分の声をよりクリアに届けることが可能だ。

「Privacy Talk」の装着イメージ(正面)。ファブリックカバーで覆ってデバイスを装着する

「Privacy Talk」の装着イメージ(正面)。ファブリックカバーで覆ってデバイスを装着する

「Privacy Talk」の装着イメージ(側面)

「Privacy Talk」の装着イメージ(側面)

技術的には、自分の声を物理的に減音する仕組みを採用しているのが面白い。音響メタマテリアル技術を用いて音の通り道を迷路のような構造にすることで、「Privacy Talk」装着時の人の声の音域(1000〜4000Hz)を効果的に吸収するようになっている。

使い勝手にも配慮されていて、デバイス内に空気循環を促進する換気用ファンを搭載し、呼吸のための空気の通り道を確保。同時に、内部の湿気を外部に放出することで、快適な着け心地も実現している。さらに、音声用マイクとは別にファン専用のマイクを備え、ファンの稼働音を打ち消す処理を行うように工夫されている。

デバイス内の左側に換気用ファンを搭載。ファン専用のマイクも備わっている

デバイス内の左側に換気用ファンを搭載。ファン専用のマイクも備わっている

使い方は簡単で、本体ボタンを3秒長押しすると電源が入り、ファンが起動する。基本的にはBluetoothで接続して使うが、USB Type-Cでの有線接続にも対応しており、有線接続時は給電しながらの使用も可能だ。

USB Type-C端子を備え、有線接続でも使用できる

USB Type-C端子を備え、有線接続でも使用できる

付属のマウスパッドは取り外しが可能。マウスパッドとファブリックカバーの予備は、別売オプションで手に入れられるとのこと

付属のマウスパッドは取り外しが可能。マウスパッドとファブリックカバーの予備は、別売オプションで手に入れられるとのこと

このデバイスの活用シーンとして考えられるのは、ビジネスシーンでは、オフィス勤務時・外出時を問わず、どこでもオンライン会議が行えることだろう。オフィスでは会議室や防音ブースを探す必要がなく、外出先ではカフェなど周囲に人がいる場所でも気兼ねなく会議に参加できる。機密性の高い情報を扱うことが多い場合にも活躍することだろう。プライベートシーンでは、オンライン語学レッスンなどのシチュエーションが考えられる。

コロナ禍をきっかけに「ichikara Lab」が商品企画を担当

ここからは、ユニークな減音デバイス「Privacy Talk」の商品化の背景について簡単に紹介しよう。

「Privacy Talk」は、キヤノンマーケティングジャパンの企業内起業プロジェクト「ichikara Lab(イチカララボ)」(2020年4月設立)が商品企画を担当した製品だ。このプロジェクトでは、若年層マーケティングの強化と新たな顧客層へのリーチを目指し、若年層と一緒に活動しながら新規商品・サービスの企画・開発に取り組んでいる。これまでに、「Privacy Talk」のほかに、ミニフォトプリンター「iNSPiC」「SELPHY」のマーケティングプランニングも担当。いずれも、斬新なアイデアを形にした非常にユニークな製品で、リリース時には大きな話題を集めた。

一般販売開始の発表会では、株式会社マクアケ 共同創業者/取締役の木内文昭氏と、「ichikara Lab」室長の吉武裕子氏による対談が行われた

一般販売開始の発表会では、株式会社マクアケ 共同創業者/取締役の木内文昭氏と、「ichikara Lab」室長の吉武裕子氏による対談が行われた

「Privacy Talk」の商品企画については、コロナ禍をきっかけに急速に変化した「コミュニケーションのあり方」について、若年層とともにディスカッションするなかで生まれたアイデアを形にしているという。Web会議などのオンラインコミュニケーションが普及するいっぽうで、「声を発する際に必要となる周囲への配慮」や「安心してコミュニケーションが取れる環境の確保」など、新たに発生した悩みを解決するための製品として企画がスタート。納得がいくまで何度も試作を繰り返して開発したとのことだ。

また、「Privacy Talk」は、今回の一般販売開始の前に、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて2023年10月に先行販売が行われている。キヤノンマーケティングジャパンは、新機軸の製品をリリースする際に「Makuake」での販売・マーケティングリサーチを積極的に行っていて、過去にはカラビナデザインの小型カメラ「iNSPiC REC」や、望遠鏡型カメラ「PowerShot ZOOM」、自動撮影カメラ「PowerShot PICK」なども「Makuake」で出品し、その後一般販売に移っている。

キヤノンマーケティングジャパンは、「Makuake」を使った販売・マーケティングリサーチを積極的に実施している

キヤノンマーケティングジャパンは、「Makuake」を使った販売・マーケティングリサーチを積極的に実施している

「Privacy Talk」については、「Makuake」を通して、この製品を本当に必要する人のデモグラフィックデータを獲得できたほか、サポーターとのコミュニケーションによって市場のリアルな反応も知ることができたという。実際に販売しなければ得られないリアルなデータによって顧客理解を深め、一般販売につなげたとのことだ。

「Makuake」にて「Privacy Talk」を出品することで顧客理解を深めることができたという

「Makuake」にて「Privacy Talk」を出品することで顧客理解を深めることができたという

「Makuake」での「Privacy Talk」の購入者は30〜40代の男性が多いという結果に

「Makuake」での「Privacy Talk」の購入者は30〜40代の男性が多いという結果に

真柄利行(編集部)
Writer / Editor
真柄利行(編集部)
フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣とこだわりを持っています。フォトグラファーとしても活動中。パソコンに関する経験も豊富で、パソコン本体だけでなく、Wi-Fiルーターやマウス、キーボードなど周辺機器の記事も手掛けています。
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