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レビュー

ロジクール「Signature Plus M750 Wireless Mouse」の人気の理由は?

お買い物の際に製品の価格を重要視するのは大切ですが、その製品のレビュー数や購入者の満足度をチェックすることも重要。レビュー数の多さは製品が売れていることを示し、かつ、買った人が伝えたい何かがあったということ。レビュー数が多く、さらに満足度が高いと、多くの人が購入後に満足したことがわかります。

そこで、シリーズとして価格.comから”レビュー数が多い”かつ”満足度の高い”製品をピックアップして紹介します。1回目の今回レビューするのはロジクールの「Signature Plus M750 Wireless Mouse(※以下M750)」です。

ロジクール「Signature Plus M750 Wireless Mouse」、4,693円(税込/価格.com最安価格。2025年2月21日時点。以下同)

ロジクール「Signature Plus M750 Wireless Mouse」、4,693円(税込/価格.com最安価格。2025年2月21日時点。以下同)

「M750」のレビュー数は60、満足度は4.29で、これは価格.comマウスカテゴリーの人気売れ筋ランキング上位20製品のなかで4番目にレビュー数が多く、また満足度もカテゴリ平均3.92と比べて優秀な数字です。お気に入り登録数が555人というのも見逃せません。

また、本製品は2022年11月発売ながら、人気売れ筋ランキング2位の製品でもあります。マウスはひんぱんにモデルチェンジを重ねる製品ではありませんが、発売から2年以上を経てこの人気というのは、多くの人に高く評価されているロングセラーアイテムということがわかります。

すでに多くの人が気づいている「M750」のよいところに、改めて本記事でスポットライトを当てていきましょう。

ビジネスユースを念頭において作られた名機の系譜

「M750」が人気の理由の1つに、過去モデルも高く評価されてきたのでは、と考えました。筆者が知る限り、初代といえるのは2009年製の「Marathon Mouse M705」。単3乾電池2本で、3年ものバッテリー寿命を実現。サイドボタンや高速ホイールも装備し、解像度が低く画面が狭かった時代でも快適な操作が可能でした。続いて2019年発売の「M720r TRIATHLON」では、最大3台までのPCやタブレットなどに接続が可能となりました。

「M750」の外観。左右クリックボタン、ホイールボタン、サイドボタン×2という実質5ボタンのシンプルなマウスです

「M750」の外観。左右クリックボタン、ホイールボタン、サイドボタン×2という実質5ボタンのシンプルなマウスです

これらの製品を経て開発されたと思われるのが「M750」です。「M750」は、単3乾電池1本で最大24か月使用可能(USBレシーバー接続時)、操作しやすいサイドボタンや、ホイール回転速度によってブーストがかかるSmartWheelの採用、接続デバイス数は3台でしかもWindows、macOS、Linux、Chrome OS、iPadOS、Androidと多くのOSに対応しています。USBレシーバーだけではなくBluetooth接続にも対応しており、さまざまなユーザーの環境にフィットするマウスとなっています。

本体の重量は101.2gですが、サイズ違いの「Signature Plus M750 L Wireless Mouse」は111.2gとやや重め。「M750(Signature Plus M750 L Wireless Mouse)」はノーマルサイズ、「Signature Plus M750 L Wireless Mouse」はラージサイズです。

マウスの読み取り方式は光学式です。反射の多いマウスパッドの上ではトラッキング精度が下がりました

マウスの読み取り方式は光学式です。反射の多いマウスパッドの上ではトラッキング精度が下がりました

多くのデータを短時間でチェックできるホイールの性能や、バッテリーの消耗を恐れずに済む乾電池式かつ、バッテリーライフと重量のバランスをとった設計、細かい操作がしやすい解像度など、「M750」のスペックや関連機種のデータを見ていくと、ビジネスシーンでの使い勝手のよさを高めたモデルだと感じます。

指になじみ、耳にもやさしい静音クリックボタン

「M750」でWebブラウザーやオフィス系アプリを操作してみたところ、真っ先に気がついたのはやわらかく、そして静かなクリック音です。キーボードほどは気になっていなかったのですが、「M750」を使ってからというもの、ほかの人が操作するマウスの音に気がつくようになりました。普通のマウスのメカニカルなスイッチって、音域高めの「カチッ」という音を鳴らしまくっているんですね。それほど、「M750」は静音性が高いと感じました。

普遍的なマウスのスタイリング。奇をてらわないのもロングセラーの理由でしょうか

普遍的なマウスのスタイリング。奇をてらわないのもロングセラーの理由でしょうか

ボタンパネルは先端がわずかに反っており、丸い指先に自然とフィットしてくれますし、ストロークは短めで、押したらすぐに反応するのも気持ちいい。一日中操作してもストレスにならない点はお見事です。

クリックボタンのパネル先端がわずかに反っているため、自然と指にフィットします

クリックボタンのパネル先端がわずかに反っているため、自然と指にフィットします

両サイドに塗布されているラバーグリップ。握りやすくて好印象です

両サイドに塗布されているラバーグリップ。握りやすくて好印象です

長文の書類やメールを見るときに役立つのが、回し方によってスクロールスピードが変化する「SmartWheel」ですね。クリックを感じながらゆっくりと回せば1行ずつ、力強く一気に回すと自動的に高速スクロールに切り替わります。とはいっても最初は想像どおりの動きをしてくれませんでした。原因を探すと、専用設定アプリである「Logi Options+」と、OS側のマウスの設定がバッティングしていた様子。導入時は好みの動作となるように、両方のチェックが必要です。

サイドボタンを使った横スクロールのしやすさに感動

チルトホイールではないため、「Excel」など横スクロールをすることが多いアプリでは操作が面倒になるかな、と思っていたら、サイドボタンを押しながらホイールを回すことで、横スクロールが可能になっていました。これは好印象。チルトホイールは構造上ホイールの左右に隙間が多く、チリやホコリが入りやすいため、長年使っていると分解清掃が必須となりますが、「M750」ならその心配はあまりしなくてよさそうです。

前寄りのサイドボタンを押しながらホイールを回すと、横スクロール操作になります

前寄りのサイドボタンを押しながらホイールを回すと、横スクロール操作になります

そして「Logi Options+」アプリを使えば、各ボタンの設定を変更できます。個人的にはWebブラウザーの「進む」はほとんど使わないため、ホイールボタンに「やり直し」、2つのサイドボタンには「保存(Shift+S)」と「戻る」を割り当てました。日々文章を入力し続けている筆者のようなライター業にはこの設定でOK。アプリによって動作を変えることも可能なため、動画編集アプリや画像レタッチアプリなどではほかの設定にするのもよいでしょう。

3つまでのデバイスにBluetooth接続できる点も、自宅やオフィスはデスクトップ、移動中はノートを扱う人にとってうれしいポイント。またUSBレシーバー使用時は、複数デバイス間でコピペ可能とのことです。

惜しい点として接続デバイスの切り替えボタンが底面にあるため、スピーディーな変更ができません。とはいえ側面や上面に切り替えボタンを配置すると、押し間違えるトラブルが起きるのも事実。ここはトレードオフだと思って割り切るしかありません。

底面のパネルを外すと、乾電池室とUSBレシーバーにアクセスできます

底面のパネルを外すと、乾電池室とUSBレシーバーにアクセスできます

クリエイティブアプリでの作業に高解像性能が生きる

「Word」や「Excel」のようなビジネスアプリでは、高解像性能は生かせません。しかし「Photoshop」や「Premiere Pro」などのクリエイティブアプリを使うと、この高解像性能が生きてきます。「Canva」のような、デザイン系Webアプリでも同様です。写真のレタッチや動画へのテロップ追加など、細かい作業がしやすく、間違えにくいため、時短にも直結しました。

ホイールの下にあるのがDPI切り替えボタンです

ホイールの下にあるのがDPI切り替えボタンです

上面部にはDPI切り替えボタンが備わっており、ポインタ速度の変更が可能ですが、繊細な切り抜きなどを行うのでなければ、特に設定を変えなくても問題ありません。

また、クリエイティブ系アプリを使用していると、改めて、サイドボタンを押しながらスクロールしやすいことにも気がつきました。操作性において側面ホイールを持つクリエイティブ作業向けのマウスには及ばないまでも、チルトホイールよりは断然操作しやすいし、「M750」は実売が4,000円台のモデルだということを忘れてはいけません。

ともあれ、「Photoshop」「Premiere Pro」ともに快適に作業できます。もうちょっとボタンがあったらいいな、と思うシーンはありましたが、「Logi Options+」を用いて、ボタンを押しながらマウスを動かすことでショートカットキーなどを有効にするジェスチャーの設定をすれば、気にならなくなってきます。

【まとめ】気になる要素はあれど、オールマイティーかつハイコスパ

レビューすると、乾電池式ゆえの重さがある、両側面のラバーグリップは握りやすいけれど、長年使ったときに加水分解が起きないだろうか、といった気になるポイントもありました。
しかし、オンタイムのビジネスワークやクリエイティブワーク、そしてオフタイムのWebブラウジングなどを目的として使うのであれば、十分な性能を持っていますし、4,693円という実売価格を考えると、コストパフォーマンスがきわめて高いとも感じます。奇をてらわず、実利を追求した名マウスともいえます。レビューの数と評価は、この性能が正しく反映された結果でしょう。
手になじむと感じた人は、「今が買い得だ!」と思ったタイミングで予備機を買って、新品のまま保管しておいてもいいかもしれません。

ゲームで使うとやや不満を感じたが、ビジネスやクリエイティブワークでは納得の性能です

ゲームで使うとやや不満を感じたが、ビジネスやクリエイティブワークでは納得の性能です

武者良太
Writer
武者良太
1971年生まれのガジェットライター。出版社勤務の後、フリーライター/カメラマンとして独立。PCやスマートフォンのハードウェアレビューから、ガジェット市場を構成する周辺領域の取材・記事作成を担当する。元Kotaku Japan編集長。
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柴田崇志(編集部)
Editor
柴田崇志(編集部)
モノ雑誌で10年弱編集を経験した後、カカクコムに入社。前職ではAV家電やカメラを中心に幅広い製品を担当。スペックからわかりづらい製品の違いをわかりやすく説明したいです。
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