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大雪・悪天候の影響? アイリスオーヤマの布団乾燥機「カラリエ FK-C2」が今売れてるワケ

この冬、注目度が高まる布団乾燥機。なかでもアイリスオーヤマ「カラリエ FK-C2」が大健闘

先日、関東地方でも大雪となったが、日本海側では例年以上の大雪となるなど、今冬は全国的にやや荒れ模様が続いている。そんな中、ある家電製品が例年以上の注目度を集めている。それが「布団乾燥機」だ。

図1:「布団乾燥機」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図1:「布団乾燥機」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図1は「価格.comトレンドサーチ」で見た、過去2年間における「布団乾燥機」カテゴリーのアクセス推移を示したもの。例年、日照時間の短くなる冬の時期に注目度が高まる傾向にあるが、今冬に関しては、例年以上に注目度が高く、しかも長期間にわたってそのピークが続いている。特に年明けしてからのアクセスが、例年なら下降に向かうところが、むしろ伸びているのが特徴的。おそらくは、全国的な天候不順や大雪などが影響しているものと考えられる。

しかしながら、布団乾燥機という製品自体はかなり前から存在しているわけで、ここへ来てここまで伸びる要因は、単なる天候不順や大雪だけではないだろう。そこで、さらに詳細にデータを見てみることにしよう。

図2:「布団乾燥機」カテゴリーにおける主要5メーカーのアクセス推移(過去2年)

図2:「布団乾燥機」カテゴリーにおける主要5メーカーのアクセス推移(過去2年)

図2は、過去2年間における「布団乾燥機」カテゴリー・主要5メーカーのアクセス推移を示したもの。これを見ると、ここ最近ではアイリスオーヤマのアクセスが高く、2年前まで首位だった日立に代わって首位の座に躍り出ていることがわかる。そのほかのメーカーのアクセスはほぼ横ばいなので、最近の布団乾燥機人気は、主にアイリスオーヤマと日立の2社によって形作られていると言ってよさそうだ。

図3:「布団乾燥機」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去6か月)

図3:「布団乾燥機」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去6か月)

さらに、製品単位での動きを見てみよう。図3は、過去6か月間における、「布団乾燥機」カテゴリーの人気5製品のアクセス推移を示したもの。なかでもずば抜けて人気なのは、アイリスオーヤマの「カラリエ FK-C2 [パールホワイト]」という製品だ。日立「アッとドライ HFK-VH880(N) [シャンパンゴールド]」などの2位グループとは2倍ほどのアクセス差があり、しかも2位グループの「カラリエ KFK-C2」は、「カラリエ FK-C2」の同型バリエーションと考えると、ほぼこの1製品によって、今の布団乾燥機人気を牽引していると言っても過言ではなさそうな雰囲気だ。

アイリスオーヤマ「カラリエ FK-C2」(左:パールホワイト、右:ピンク)

アイリスオーヤマ「カラリエ FK-C2」(左:パールホワイト、右:ピンク)

では、このアイリスオーヤマ「カラリエ FK-C2」とはどんな製品なのだろうか。本製品は、まずボディがコンパクトなのが大きな特徴。本体サイズは、160(幅)×140(奥行)×360(高さ)mmで、クローゼットなどにもコンパクトに収納できる。しかも、マットを使わないノズル式で、ノズル自体もホースがグッと伸びる方式のため、別途ホースやアタッチメントなどを接続する必要がないのもいいところ。手軽に仕えて、場所を取らないというのが、本製品の特徴と言えるだろう。ユーザーレビューでも「小型で使いやすい」「簡単でコンパクト。買わない理由はない」など、そのコンパクトさ、手軽さが評価されている。ちなみに、2位グループの日立「アッとドライ HFK-VH880(N)」も、同じような構造を持った布団乾燥機であるが、その本体サイズは、283(幅)×212(奥行)×338(高さ)mmで、ひと回り以上大きくなる。ただし、「アッとドライ HFK-VH880(N)」は消費電力680W、「カラリエ FK-C2」は500Wなので、出力も「アッとドライ HFK-VH880(N)」のほうが、ワンランク上にはなる。

図4:「布団乾燥機」カテゴリーにおける人気5製品の最安価格推移(過去6か月)

図4:「布団乾燥機」カテゴリーにおける人気5製品の最安価格推移(過去6か月)

では、価格面はどうだろう。上記人気5製品の最安価格推移を示した図4を見ると、「カラリエ FK-C2」(および「カラリエ KFK-C2」)は、およそ9,000円前後で安定して推移していることがわかる。これに対して、「アッとドライ HFK-VH880(N)」は13,000円台で推移しており、その価格差は4,000円程度だ。象印の「スマートドライ RF-AC20」も12,000円弱の価格帯で推移しており、1万円以下で購入できる「カラリエ FK-C2」の低価格は際立っている。

図5:「布団乾燥機」カテゴリーにおける人気5製品のユーザー満足度推移(過去6か月)

図5:「布団乾燥機」カテゴリーにおける人気5製品のユーザー満足度推移(過去6か月)

図5は、上記5製品のユーザー満足度を示したものだが、満足度に関しても「カラリエ FK-C2」のユーザー満足度は3.99。同型モデルの「カラリエ KFK-C2」が4.6。これに対して、「アッとドライ HFK-VH880(N)」が4.29、「スマートドライ RF-AC20」が3.75となっており、取り立てて高いというわけではないが、ライバル製品に比べて劣っている部分はなく、安かろう悪かろうという製品でもないことが見て取れる。

最大の特徴は小型で扱いやすいこと。毎日でも使える利便性がヒットの要因

このように、アイリスオーヤマの「カラリエ FK-C2」は、小型で扱いやすく、しかも1万円を下回る低価格が人気を得ているようだが、もう少し詳細にユーザーの声を拾っていってみよう。

図6:「カラリエ KFK-C2」のユーザーレビュー評価(2018年1月24日時点)

図6:「カラリエ KFK-C2」のユーザーレビュー評価(2018年1月24日時点)

図6は、「カラリエ KFK-C2」のユーザーレビュー評価(2018年1月24日時点)。上述の通り、ユーザー満足度は3.99で、カテゴリー平均の4.25よりはやや低い。各項目別でもカテゴリー平均を上回っているものはなく、全般的には低めの評価だ。

各ユーザーのレビューコメントを見ていくと、やはりコンパクトで扱いやすいという点を、多くのユーザーが高く評価している。

この製品のもっとも良いところの1つが、サイズが小さいことです。最初見たときはものすごく小さく見え、これで大丈夫かなと思いましたが、問題なく使えています。

小さくてかわいく軽いので持ち運びが便利。マットがないので設置も楽。使用目的に応じたワンタッチボタンで使い勝手も良い。

軽くて扱いやすいです。持ち運びもとても便利で、家族中の布団で使用してます。

コンパクトで、ホースを布団の中に入れて、スイッチボタンを押すだけでOK。簡単に操作できます。

逆に、布団の仕上がり(乾燥具合)という部分では、やや賛否が分かれる部分もあるようだ。

吹き出し口の周辺のごく一部しか暖かい空気が届かない感じです。

ホース先端が数センチ立ち上がり、布団と毛布間の隙間を開ける目的は、よいアイデアですが、そんなに空間はできません。

マットがない分、角の方はイマイチですけど、寝るのに必要な範囲は温かいので、私は気になりませんでした。

乾燥能力、仕上がりは、他機種との比較はできませんが、自分としては十分に満足しています。

本製品は、マットを使わないノズル式で、しかもノズル先端にアタッチメントなどを取り付けず、ノズル先端を上に持ち上げることで布団との間に空間を作るという方式で温風を送り込む。そのため、マット式の乾燥機や、大きなアタッチメントが付属する製品に比べて、布団全体に温風が回りづらいという面はあるようだが、これについては賛否両論という感じだ。ただ、これで実用上十分とする声も多い。また、それよりも使用にあたっての面倒がないため、毎日手軽に使えるというメリットを感じている人も多いようだ。

このように、万人に対して満足度が高いというような製品ではないようだが、毎日手軽に使えるコンパクトさは、何にも増して本製品のメリットと言えそうだ。特筆すべきような便利機能が付いているわけではないが、シンプルでわかりやすいという製品設計は、最近のアイリスオーヤマの製品に共通するもの。1万円以下で買える低価格設定もあわせて、ひとまず布団乾燥機を買ってみようという方に対しては訴求力の強い製品と言ってよさそうだ。

鎌田 剛(編集部)
Writer / Editor
鎌田 剛(編集部)
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。
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