生き生きと描かれるキャラクターの中でも、燦然と輝くのは主人公のフレッタ。
男まさりなだけじゃなく、本当に男の子なんじゃないかと思うぐらいヒーローの素質ありまくりです。
その割にはおっぱい大きいし(←重要)、時々恥じらってみたりと可愛らしさも満載です。
こんな怪盗が現れたら、どんな女の子でも喜んでさらわれることでしょう。
文章は詩的表現が多用されて華々しく、作品世界のきらびやかさが伝わってきます。
アニメ化されたら映えるであろうシーンも盛りだくさん。
とにかく最後まで一気に読んで頂きたい作品です。
そして気付けば、あなたも怪盗ウィンディアの虜になっていることでしょう。
昼は可愛らしい雑貨屋を営むふたりの美少女姉妹。
でもそんなふたりの夜の顔は、今、世間を賑わす「舞盗のウィンディア」こと可憐な美少女泥棒と、その相棒であった。
スチームパンクな世界で繰り広げられる、美少女姉妹の冒険活劇。茶目っ気たっぷり、お色気ほんのりな姉・フレッタの活躍と、そんな姉を慕う妹・ルチアの可愛らしさにあなたの心もきっと盗まれてしまうはず。
てか、俺は心だけでなく、この身体もフレッタに盗まれたい。
そしてフレッタのお尻を触って、鞭で叩かれたい(ぁ
フレッタ「変態はお断りだよっ!」
俺「くっくっく、しかしいくら舞盗のウィンディアといえども俺の妄想までは盗めまい。はっはっは、エロースな妄想をしてやるぞ」
ルチア「うわっ、ホンモノの変態だ。トリス、やっちゃって」
トリス「はい。電撃ビリビリー」
俺「うぎゃー」
ホント、こういう妄想も楽しい作品です。
本作は異世界ファンタジーである。
異世界ってことは中世ヨーロッパ風かな、と一瞬思ったけど、ガス灯とか出てくるし、なんかスチームパンクっぽいガジェットがぽつぽつと出てくるので、19世紀くらいの英国かイタリアか、漠然と西洋あたりが下敷きになった世界観らしい。
それでいて、蒸気や潤滑油のニオイやウォーターハンマーや歯車の軋む音が響いてくるほどのガチガチなスチームパンクではなく、ほんの少し味付け程度に出てくる匙加減。このへん、作者のこだわりが感じられる部分です。
物語の内容は、魔法少女が活躍するもの。アニメでは定番で、そこから派生してラノベでもよく描かれるネタ。それでいて何をやるかというと、鞭をふるいながら怪盗。怪盗ものもアニメでよくあるものだけど、魔法処女でかつ怪盗というのは、ありそうで無かった組み合わせのような。いや私が知らないだけであったのかもしれませんが、両取りを狙うのはだいぶん欲張りであることは確実です。ここも作者のこだわりか。
で、実際に本文を読むと、丁寧につづられた描写が、独特の世界観の中でキャラクターの女の子たちを活き活きと描き出します。
何度も言うけど、本作品は作者がこだわりにこだわりを貫いた作品なのだろうと思う。
カクヨムで読むなら、そういった作者の書きたい気持ちが熱いパトスとなって迸っている作品の方が面白い。
少しスチームパンクと魔法少女と怪盗を掛け合わせたらどうなるのかを見届けるのだ。