概要
その中には慣れ親しんだ土地から引っ越して来たばかりの坂田と言う小柄で目立たない男子が居た。
心に大きな傷を負った坂田に最初に声をかけてくれたのは、名簿順ですぐ前の席になった斉木。
「親友」となった二人の間に少しずつ変化が見え始め、それが少しずつ彼らの平穏な日常を脅かしていく。
社会の常識と自分たちの想いを天秤にかけた時、彼らの人生の歯車が少しずつズレ始めた。
*縦組み推奨です。
*作品のテーマ上、敢えてキツい表現をしている箇所があります。該当する話には、タイトルの横に(※)を付けます。ご注意ください。
*この作品はフィクションであり、作中のに出てくる店や学校などは全て架空のものです。
*作品中に未成年者による飲酒のシーンが含まれますが、この物語は
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!しばらく涙が止まらなかった
どんな人でも自分の居場所を作るのにそれなりの努力が必要だとは思う。
しかしこの作品に登場する才能ある若い二人にとって、それは過酷なことだった。
心のままに普通に暮らしたいだけなのに、それが何故これほどまでに難しいのか。
特に主人公の一人のそれまでの生い立ちからは絶望しか感じない。
一方で二人の親友を含めた三人の交流からは、人が人を想うとはどういうことか、について深く考えさせられる。
また当作品はLGBTについて正面から切り込んでいる。
最近何故かLGBT作品に触れる機会が多いのだが、数年前に書かれたこの作品は今でも異彩を放っていると思う。
ぜひ多くの人に読んで欲しい。
読了後、私はし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたは何色に染まりますか?
昔々、左利きの人を「ぎっちょ」と呼んで蔑みの対象・障害とみられている時代がありました。子供が左利きだと分かった親は、右利きになるように必死に「矯正」(強制)したのです。利き腕を無理やり変えるのは物凄いストレスとなり、その結果心の病を発症した人もいたそうです。
現代、自動販売機や自動改札機でも右利き有利な配置ですが、左利きの人を見つけて蔑む人はいません。逆に「頭いいんだよね?」「器用なんでしょ?」と言われる事も多いです。今は左利きの子供に「矯正」を強いる親はいません。
この小説は、大多数の人が経験する恋愛とは異なる愛のカタチを経験させてくれます。でも、それは単に少数なだけで愛のカタチや…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魂と魂の愛、そして二人の運命の行き着く先を、見届けよう!
愛って、究極的には、魂同士の引きよせと繋がりだと思うんです。DNAや次元を超えた、心と心の繋がり。
そういう出会いがあって、困難に直面したら、あなたはどうしますか?
この物語を読めば、そのヒントが得られると思います。
さらに、その先に待ち受ける二人の運命。
主人公二人の心の叫び、男の友情。
書いてて泣けてきました。
ぜひぜひ、登場人物、ひいては作者の思いの丈を受け止めてみませんか?
ハンカチを手元に忘れないように!
思い出すだけで、涙が止まらないじゃないですかー! 作者のバカー!!
でもね、愛するってこういうことだと思うんですよ!
号泣(泣) - ★★★ Excellent!!!彼らは愛されていた――。茜色の本当に美しさに、私は出会えたのだと思う。
人が人を想う気持ちの重さが君にわかるか?
この生き辛さ、という重しが君にわかるか?
こうした問いを、私は感じました。
そしてそこから、目が離せなくなったし、逸らしてはいけないとも思いました。
ここかもしれない、と思えていた居場所を追われ、追い込まれ追い詰められ、そして選択肢も狭められていく。
それでも人は、己の生きる道を探しにゆく。
それでも人は、己が生きられる道を、探す。
それでも人は――。
いつか、いつかもし叶うなら、坂田さんと斉木さんと水谷さんと、色々なことを語り合ってみたいと願う。
コーヒーのカップを両の手で包みながら。
その時、最初に感じた問いに対する答えを、3人に伝…続きを読む - ★★★ Excellent!!!入れ物を間違えた魂に救いはあるのか
己のアイデンティティは精神に因る部分が大きい。
だが、他人は、とりあえずは肉体でしか他人の性を判別することができない。
男女間だから動物的だとか、ゲイやレズのほうが人間的だとか、
どちらが正解というような二元論では語れない問題だとぼくは思う。
誰を好きになろうと、人間同士気持ちよく付き合えるのが望ましいけれど、
どうしても受け入れ難ければ無理する必要はない。
ひとは区別をするものだ。
相手が誰であろうと愛せるなんていうのは悪平等だろう。
他人の妻を自分の妻と同じように愛せなんて普通は誰も言わないはずだ。
一歩間違えれば差別だと言われるかもしれないけれど、
『何…続きを読む