41回目:久留里小瑠璃<終わりの始まり>
私は女神フルーフ・ツァイトイフェル。転生執行官として働く毎日だが、ここ一ヶ月の間は、友人の言いつけを守って異世界転生術の使用を自重していた。
しかしどういうことだろうか。気が付けば、私は異世界転生術を使って、一人の人間を転生させていたようだ。あまりにも真面目で仕事熱心な私のことだ。無意識のうちに仕事をしても不思議はないのかもしれない。
転生者の名は
「なにこれー。ちょっとうけるんだけどー」
転生した
「なんでみんな、マンガみたいな、へんなカッコしてるのかな」
冒険者たちの格好が気になった
「あのー、なんでそんなダサいカッコしてるんですー?」
「……あ? ……お嬢ちゃん、喧嘩売ってんの?」
「あははは、そんなもの、うらないよー。あ、おにーさん。よければ、わたしのカラダならうっちゃおうかなー、なんて?」
「……お、……顔は可愛いし、体も……なかなか。……いくらだ?」
「えー? ほんきにしちゃったー? おにーさん、かわいいね。これでどう?」
そう言って、
「……ちょっと高いな。……けど、……わかった、いいだろう」
「はーい、まいどありー。それじゃあ、どこでしよっか」
「俺の泊まってる宿でどうだ? 結構、綺麗な部屋だぞ」
「うん、じゃあ、それできまり。いこいこー」
「……え、なにこれ? ちょうキモイんですけど?」
呆然と呟く
「え? ちょっとまってほしいし。わたし、なにもしてないし」
弁解する
「……ちょう、いたいし……わたし、なにもわるいこと、してないし……って、あれれ? なんか、いたいのきえてきたし?」
見れば、
おそらく、それが
誰かが放った矢が
「……あ、がが……や、やが……」
立ち上がる
剣で首を斬り落とす者、魔術の炎で全身を焼き尽くす者、……だが、それらは全て無駄に終わった。何をしても
彼女は大地からだけではなく、大気中からも生命力を奪っている。また、地面に染み込んでしまった
こうしてまた、ひとつの世界が終わりの日を迎えるのであった。
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