長男が生まれて、1年と6か月が経ちました。
絵本が好きで、何度も何度も読んでくれとおねだりをしてくるようになりました。
この子が大きくなって、字が読めるようになったらこの小説を読ませてあげたいです。
強く大きく育つように、困難から逃げないように、そして人間は気合さえあれば空間すら割れるんだぞ、と。
「いつか出るんじゃないか、いや、もしかしたらもっと大きな声で叫べば次くらいで出るんじゃないか。」
親の目を盗んで全力でカメハメ波の練習をした、何とも言えないあの幼少期のドキドキを子供にも伝えてあげたいと思います。
最後まで一気に読みました。
途中何度も椅子からケツが浮きました。
いっけぇええ!ってやつです。
空手を信じたくなりました。
大変、素晴らしく、面白かったです。
ありがとうございました!
この物語はフィクションであり、作者の体験談ではない。
ということになっている。
カクヨムでの体裁上は。
いや、もうそんなの、もはやごまかし切れてないだろう。
と周囲は思っている。
さっさと吐くがよい。
人知を超えた力によって異世界へ転移させられた主人公。
彼の冒険の目的は、魔王討伐でもハーレム作りでもなく、
ひたすらに空手を信じ、強いやつと出会って戦うことだ。
戦いの舞台に立てば、いつだって最初は周り全部が敵だ。
アメリカでの武者修行における完全アウェーのリングより
苛酷な敵意にさらされながら、彼は己の空手の道を貫く。
こざかしい言葉ではなく、鍛え抜いた空手で相手と語り、
小手先の知恵ではなく、正しいと信じる道を行動で示す。
そんな彼に、異世界の者たちは何を感じ、何を思うのか。
「個性的な対戦相手が次々と現れて、空手家が迎え撃つ」
本当にそれだけのシンプルでストレートな展開なのだが、
小細工なしの骨太さゆえに、とにかく熱くておもしろい。
最大の問題は、どこからが脚色なのか、という点だろう。
本作が、作者の空手と異世界転移の経験に裏付けられた
非常にリアルな小説であることは疑う余地もないのだが。
個人的には、時に色っぽい絵を提供する女騎士エンディは
男性の友人を女体化させたキャラなのでは、と推測する。
エルフの柔術家の連絡先おしえてください。取材したい。
熱くて痛快な試合の数々は、理屈抜きで本当に楽しめる。
「異世界ものかよ、ケッ」と思う読者にこそオススメ。
少年ジャンプ系のバトル漫画がお好きなかたには是非!
異世界転生してしまった空手家。とにかく強い。そしてとことん空手バカ。
異世界ならではの技を駆使してくる様々な相手を空手を駆使して次々倒していく様は、よくこんな設定思いついたなあ、と感心しっぱなしです。
設定に今流行りの転生ものを取り入れながらもどこか昔のアニメを思わせるノリがどことなくツボにハマります。躍動感あるバトル描写、敵を倒していくごとに少しずつ明らかになっていく世界観。夢中になって読んでいるうちに少年心を思い出し胸が熱くなってきます。
相手を打ち倒すことよりも自分の力を信じて、自分の中にある困難に立ち向かう、カラテで自分の生き様を示す、その姿勢が素晴らしいです。特にラストの戦いは心を撃たれました。
刮目せよ!この熱き戦いを見よ!今こそ空手を信じるのだ!
読むかどうか悩んでいる方も、まずはエピソード一覧に目を通してみてほしい。
……ずっと空手が戦ってるな!?
そう、動くと動かざると、この作品は常に空手と異世界の者たちとの戦いなのである。
その愚直に戦いを求める空手家の主人公には思わず手刀、もといツッコミを繰り出したくなることも多々あり、つまりは序盤から「なんで空手が」と笑わせられつつ、しかし迫力ある戦闘描写に、アクションに疎い読み手でも分かりやすい用語についての説明、そして一章後半から明かされる意外な世界観に知らず知らずのうちに引き込まれる作品なのである。
まだ読み途中ですが、また時間ある時に帯を締めて続きを追いたいと思います。
***
読了したので追記。
これから読み始める方には是非ご安心いただきたい。
最後まで空手バカだった。ぶれなかった。
異世界の強敵に立ち向かうのに、果たしてチートスキルは必要だろうか?
……否。
なぜなら我々が誰しも持っている力、立って歩く能力こそが、自らを奮いたたせ世界を切り開いていく力なのである。
そんなことに気づかせてくれる作品でした。
本作が書籍化された暁には、是非とも劇画調の表紙でラノベ界に殴り込みする様を見てみたいものである。
異世界と言えば転生して特殊スキルとチートで無双してハーレムでしょ!
そんな先入観は、開始1ページ目にして、主人公の拳によって粉々に砕け散りました。
今日からは、異世界と言えば空手です。空手の時代なのです。
私は空手未経験者です。それどころか、武道の類いは、高校の授業で柔道を数回やった程度のか弱い美少女(仮)です。
そんな私が楽しめたのですから、空手経験者の方がどれだけ楽しめたかを想像するだけで羨ましくてなりません。
テンポよく進むストーリーに、次々と出てくる強敵。そして、主人公の一貫した信念。
余計なものは何もなく、そこにあるのは空手だけ。
こんな快作を読まないなんて選択肢はありません。
さあ、今すぐ読み始めるのです!
最後に、とあるキャラクターの台詞を引用して、感想とさせていただきます。
"なんなんだよ……あんたら一体、なんなんだ。なんだよカラテって"
タイトルがもうズルい。
元ネタの作品は不束ながら名前しか知らないのだが、それをもじったこのタイトル、一見しただけで誰が何をやらかすのかわかりすぎてズルい。添えられたキャッチコピーもズルい。
これを読まずにいられるかチクショー!
もともとのSNSでのネタ発言は私も目にはしていたが、まさかそれを本当に一つの作品にしてしまうとは思わなかった。
しかもただ空手バカな主人公がトンデモ勝負にトンデモ理論のトンデモ技で読者総ツッコミ不可避なギャグを演じるのかと思いきや――いや実際にそんな部分もあるが――それだけではない。
ギャグだけではなく、シリアスとの配分がまた見事なのだ。
何のために武術をやるのか。なぜそこまで強さを求めるのか。
理由は武術家それぞれによって異なるだろう。武術をやっていない人間には興味もなかろう。
だがこの空手バカ、もっともっと強い相手と戦いたい、その一心でバカみたいな強敵へと立ち向かう。チートなんぞ不要と豪語し、その肉体と技と精神だけで撃破する。
その姿がまたバカなりに格好良く、他の登場人物はおろか読者さえも虜にしてゆくのだ。
なお、この手の格闘技小説には共通した副作用がある。
読む前には体操着と運動靴の準備をお忘れなく。
その男の体は空手で出来ている。
血潮は空手で、心も空手。
幾たびの戦場を越えて不敗。
ただの一度の敗走もなく、
ただの一度の驕りもなし。
担い手は己の体ひとつで
異世界の戦場で空手を放つ。
ならば彼の生涯に一片の悔いなし。
その体は、
無限の空手で出来ていた。
……遊びで書いてみたらあながち間違ってもいなかったので、このままレビューに採用してみた。
とにかく空手。圧倒的空手。すごく……空手です。
でも一撃、もとい一発ネタみたいに思える題材を見事に調理し、最初から最後まで一時も飽きさせることなく読者の心を鷲掴みにする展開とテンポのよさはまさに「空手すごい」のひとこと。
作中に何度も「空手を信じろ」ってセリフが出てきますが、読んでいるうちにきっとあなたも空手を信じるようになります。
空手、こいつハンパないわぁ。
空手バカ異世界が完結した。
物語の導入から『空手vs炎の魔神イフリート』ときている。掴みとして、あくまでも物語の掴みとして、ファンタジーでも強敵である上位精霊炎の魔人が空手の前に沈むさまは心に刻み込まれた。「ああ、これは面白い!」と。
その後の更新もその話で対決がこなされたり、前編後編、長くとも前中後編の三話で対決が見せ場と共に終わるという、実に期待を持たせそそる構成。これはまるで格闘ゲームのような怒濤の連戦。しかも、まったくもって自然に空手家が戦い続けている。これはすごい。日常=空手。
空手家の行動原理は簡単だ。強いヤツと戦いたい。それに尽きる。彼の言葉も真摯に『戦い』に対して向かい合う気持ちのよいものだ。誰が相手であろうと、何が相手であろうと。
その戦いの数々において、空手家は様々な『技』を以て戦う。しかし、驚くべきことに、技を殊更に魅せたいがために状況を用意していないことが驚きだった。自分などは「この技を試したいからこの敵にこうさせよう」という思惑が透けるような構成になるだろうが、筆者は違う。全く以て『その敵ありき』で空手家を対峙させ、実際に対決を描写するように物語っている。これはしっかりと術理を把握していなければ書けない構成だと思う。
技は、その状況その状況において発動した動きに付いた名前であるとするならば、作中の主人公である空手家がいかなる状況においても取るリアクションすべてが『空手』になるのも頷けるというもの。
その『空手』とは何か。
物語の終盤でそれは確かな感情と共に読者に明かされる。是非ともこれから読む皆さんにも、空手とは何かを自分でしっかり口にできる体験をしてもらいたいと思います。
面白かった!