愛と友情、バトルとロマン。基盤はそれらのスタンダードな所にあるのでしょうが、
強い個性と魅力の輝くキャラクター達や、
平成の舞台に古代日本の雅さが絡む設定の独自性など、
唯一無二の要素に惹かれます。
展開のメリハリも丁度よくストレスないので、どこで読書を中断するかいつも迷います(笑)
レビューを書こうと考えた時、
和風の世界観や恋愛模様がイメージの先に立ったのですが、
「いやこの作品はジャンルの枠には収まらん、色んな要素がぎゅっと詰まったのがこの形なんや!!」
と厄介オタク気質を発揮し、タグ乱立のようなタイトルになりました……笑
長いだけの理由がある、丁寧に作り込まれた大長編です。
ぜひぜひ、先入観なしで、この世界に没入して欲しい!!
最初にこれを見たときに思ったのは「話数が多くて読みきれるか分からない……」でした。
当時、カクヨムでそんなに読書をしていなかったので。フォローはしていましたが、何ヶ月か放置しておりました。
今年の11月に「年末までにフォローしている小説を(課金必須のネクスト以外は)読み切ろう」と決心し、その中でも最後に読んだのですが。
話数がたくさんあった割には、サクサクと読めました!(いっとき離れてしまいましたが)
まず、創作怪談がとてもリアリティがあります。本当にあった怪談なのでは!? と思い、検索してしまいました(もちろん創作怪談です)。
そして、発想力が素晴らしいです。吾輩が同じアイディアを持って書き始めても、これほど壮大で尚且つオリジナリティーのある作品にはならなかったと思います。
主人公は最初に、お社にお参りしたことで名前を失います。それからは、名前が戻るまで「■■■■」と表記されています。
名前が分からない不気味さ、すごいですよね……。もし自分が同じ立場だとしたら、名前を失くしたことで自己のアイデンティティを見失って、引きこもっていたと思います。そんな状況での親友の存在って、とっても大きいんでしょう。主人公の親友である田中奈央は、名前を失った主人公に「はなび」というニックネームをくれます。優しい……。
そして、半妖という存在の曖昧さと、悲しさ。
半妖と聞いてぱっと浮かぶのは、皆様は「夜叉姫」でしょうか? ……吾輩は竜堂ルナですが(いや知ってる?)。
とにかく、半妖という存在は、結構メジャーになりつつあります。
この物語にも(タイトルにあるからそうなのですが)半妖が登場します。最初は「ああ、人間と妖怪の混血なのね(ナビ・ルナ情報)」ぐらいに思っていたのですが……。
この物語での半妖って、思った以上に悲しいんですよ。なんというか、報われない感じがします。読んだら分かります。
それと、思っていた以上に恋愛要素が! 嬉しい!
(吾輩は恋愛厨です。恋愛小説大好き!)
カップリングによって、その気持ちの様子が違うんです。良きっ!
話数も文字数も膨大で、読み切るには時間がかかりますが、読んで損はない!
ただし年末までには読み切れません。でも! それでも! 読んでほしい。
なお、グロテスクな描写やエロティックな描写もまあまあありますので、その辺の覚悟は必要ですかね。吾輩は大好きです。それと、ホラーな箇所もあるので、夜には読まない方がいいかも。読んだら分かりますから……。
平成中期~末期を舞台にした現代ファンタジーです。
歴史、妖、陰陽師など、和テイストの作品が好きな方に刺さる要素が凝縮されています。
上記の要素とは無関係な普通の生活を送っていたヒロインたちが事件に巻き込まれ、それをヒーローたちが助けるという、王道的なストーリー。
彼らがいてくれれば大丈夫だと思える安心感と、少しずつ成長してゆくヒロインたちの姿が、読み手を飽きさせません。
また、敵として出てくる人物や怪異たちも、日本に伝承されている、あるいは実在していたとされる各存在をモチーフにしているため、知っている人はより楽しめると思います。
加えて、創作怪談を元に創っている怪異もいるとのことで、オリジナリティも抜群です。
一つ注意があるとすれば、私と同じくホラー耐性の低い方は、心して読むようにしてください。
油断しているとビビり倒します(笑)
怪しい神社にお参りをしたら、名前を奪われてしまった主人公、通称はなびちゃん。
名前を多く呼ばれるであろうメインキャラが、名前を失ってしまうという切り口を新鮮に思いながら読み進めました。
怪異を追っている直文さんと協力することになるのですが、イケメンとひとつ屋根の下というシチュエーションにオカルトとは違ったドキドキ要素が取り入れられていて、いい味を出しています。
柘植矢さんみたいな怪異が今後も出てくると思うと、怖いもの見たさで気になります。
はなびちゃんの名前を奪ったものの正体は何なのか、名前は戻ってくるのか、序盤から読ませる力が強い作品だと思いました。
以上、1-1章読了時点のレビューとさせていただきます。
今後のご活躍も応援しております。