第3話 JKとあんな事やこんな事してました

 個人のメールに、一本の動画が送られていたのを確認したのは、次の日の朝でした。

 添付ファイル付きメールには、以下のメッセージが添えられていました。


(原文まま)

『神田様

 お世話になります。リナです。

 今夜、ターゲットが会う浮気相手の女性は『るい』という名前のようです。

 LINEのメッセージ内容から、I高校の話題が出たりしていた(しほさんから送られたスクショで確認済み)ので、かなりの高確率で、元教え子と思われます。


 しほさんが結婚したのは4年前ですから、浮気相手の年齢によっては結婚前から関係があったという線も考えられます。

 双方共に、かなり本気寄りの浮気かもしれません。

 ドラレコの音声にもあったように、ターゲットはしほさんとの離婚も視野に入れている可能性もありますね。


 ただ、複数の女性と関係があるという事は、『るい』は知らない可能性が高いです。

 その複数の相手の中でも、るいは連絡の頻度が一番高く親密です

 計画としては、『るい』との逢瀬の現場に踏み込み、一連の不倫の証拠を二人の前に突きつける。

『るい』以外にも複数人と関係を持っているという事実を突きつけるのです。

 不倫相手ときっちり引き離すという作戦で行きたいと思います。

 昨夜、一本の動画に証拠をまとめましたので、添付します。

 確認よろしくお願いします』


 なるほど。

 いくら不倫相手と言えど、複数の相手と遊んでいる事実を知れば、愛想をつかして去って行きますよね。


『時間は今日、17時。場所は依頼者の自宅マンション前のコンビニで待機したいと思います。車二台で追尾したいのですが、車出しは可能でしょうか?』


 この日は土曜日です。

 僕は午前中私用があったため、午後から少し仕事をして上がる予定でした。

 なので、時間的には好都合。

 早速返信しました。


『諸々、了解しました。車出し、OKです』


 添付ファイルの動画をダウンロードして、早速視聴してみました。


 結論から言うと、ハメ撮りです。


 場所は、よくわかりませんが屋上。たぶん、学校の屋上です。屋上で発情してました。


 相手は高校の制服で、しほさんではありませんでした。

 顔もはっきり映ってまして、いきなりフ〇ラしているところから始まり、相手のJKは嫌がる素振りは見せていませんでした。

 昔の物なのか、直近の物なのか、『るい』なのか、他の子なのか、この段階では不明。


『ちょっと、撮らないで、撮らないでよー』

 時々、そんな事を言いながら、いきり立ったブツを楽しそうに舌先で弄んでいます。

 まるで、アイスでも舐めまわすみたいに。


 そんな女の子の胸元には男の手が伸びて、制服のボタンを外して行く。


 そして、画面が切り替わりました。

 今度はホテルです。

 先ほど、フ〇ラしてた女の子です。

 広いベッドの上に仰向けで、乱れた制服の隙間から、透き通るような肌が露わになっていました。

『あっ』『うっ』という男のうめき声と共に、女の子の体は大きく跳ね上がります。

 表情は辛そうに歪んでましたが、嫌がってる様子はありません。

 必死に痛みに耐えているように見えました。


 このような動画が1分間隔で流れていきます。

 同じ子だったり、違う子だったり。

 場所は大体屋上ですね。


 高校の屋上って普通は鍵がかかっていて、入れませんよね。

 僕の予想ですが、先生の特権で入れたのだと思います。

 屋上へ向かう階段を使う者はいない。当然、誰かが来るわけもないですからね。


 しほさんはこれを観て、一体何を思ったでしょうか。

 やはり、離婚はしないと選択するのでしょうか?

 許せるのでしょうか。



 さて、いよいよ追尾です。


 ターゲットの自宅は南区にあります。

 利便性の高い住宅街ですね。

 マンション近くのコンビニに車を停めて、リナと合流。

 時刻は17時少し前で、どうにか間に合ったようです。


 リナのスマホは通話中で、向こうの声を拾っています。しほさんと繋がっている模様。


 会話はなく、テレビの音や生活音が聴こえています。


『じゃあ、行って来る』


 男の声が聴こえました。


『うん、行ってらっしゃい。今日は遅くなる?』


『いや、そこまで遅くはならないと思うけど、晩飯はいらないかな』


『わかった』


「あそこが、車両出口です。あそこからターゲットが出てきますから、神田さんは、先に旦那さんの車を追尾してもらえますか? 私はしほさんと合流してから、連絡します」


「わかりました」


「撮影しながらの運転は危険なので、カメラは助手席に置きっぱなしでいいんで、回しながら実況してほしいんですよ」


「えー?!」


「無理ですか?」


「いや、いいですよ。やりますよ」


「スマホの通話も私とつないだままにして置いてください」


「わかりました」


「あ! 出てきました。あの白いBMです」


 僕は慌てて運転席に乗り、リナから渡されたカメラの録画ボタンを押しました。

 スマホでリナに電話をかけ、スピーカーに切り替えます。


 BMWは、左にウィンカーを上げてスムーズに左折。

 そして、僕たちがいるコンビニの前で、ウィンカーを右に上げたのです。


 え? こっちに来る?


 心臓がバクバクして変な汗が吹き出しました。


 嫌な予感は的中し、BMWはコンビニの駐車場に入って来たのです。


 ターゲットは僕たちを気にする事はなく、駐車場に停車した後、電話をかけています。


 リナの話通り、ターゲットはなかなかのイケメンでした。

 どちらかというと、可愛らしい顔つき。

 髪はウェーブがかっていて、いかにも遊んでそうな雰囲気です。

 高校教師と言わなければ、誰も予想できないでしょう。


 もしかして、ここで女性と合流する?


 直後、コンビニの入り口から、若い女性が出てきました。


 黒髪ストレート。

 服装はお腹がチラ見えしている薄紫色のカットソー。

 デニムの白いミニスカートで、派手なメイクをしてます。


 若く見えますが、高校生ではなさそうでした。


 二人はすぐにお互いに気付き、少し回りを警戒した後、彼女はすごいスピードで助手席に乗りました。




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