子ども向けに易しい言葉で書き換えて、児童文学として出して欲しい、そんなお話でした。
願いが込められ泉に投げられたコイン、天使は正のお願いを、悪魔は負のお願いを叶える。
天使は正しいことをしていると信じているが、悪魔は疑問を感じている。二人の考え方が本来の天使と悪魔に我々が抱いているイメージとは異なるのだが、分かり易く描写されていて、すんなりと心に落ちてなるほどと考えさせられた。
お願いに来た少女の結末がとても良く考えられていて、その後の天使と悪魔の行く末も粋な終わり方で、読んで良かったと思えました。
自信を持っておススメできる秀作です!
表現が非常に美しく、童話の様な形で綺麗な挿絵でもあったら、きっと多くのファンがつくと思います。
悪霊と天使の役割の違いから生まれた、幸せに対するスタンスの違いが、読み手にも無理なく納得が出来る構成が素晴らしいです。
そして悪霊と少女の選んだ道は意外性がありました。
しかし、読者の期待を裏切るものではなく、期待を超えたものでした。
出会いが人を変えていくストーリーは非常に私好みです。
情景描写は頭ひとつ抜けて高いレベルにあります。
まとまりが良く、読了感爽やかで、文字数自体は多くないのですぐに読み切ることができます。
心が温まるお話をお求めの方に是非とも読んでいただきたいです。
自信を持ってオススメします。
心が洗われるようなお話でした。
異世界ファンタジーではありますが、どちらかというと童話、寓話の世界に近いかも知れません。
人の欲望を叶えてあげることが、本当に人の幸せにつながるのか。自分の力で手に入れていない成功は本物なのか。そして、願いをかなえるたびにエスカレートする、欲望、嫉妬。
その中で、最初はヒネた悪役だった悪霊の真心が、自分を信じて疑わない天使の心を少しずつ変えていきます。
最後の、天使の、「おれたちが願いを叶えたからではなく、人は、自分で気づくものなのだ」という言葉に、本作のテーマが全て込められています。
お昼のお盆を脇にどけてキーボードを出して書いてしまいました。
これ、お勧めです。