新しく事業を始める予定がある、事業を営んでいて運転資金や設備投資のためのお金を借りたいと考えているのなら、低金利で長期間の融資を受けられる国金(日本政策金融公庫)を利用することをおすすめします。
事業資金の融資というと、真っ先に思い浮かぶのは銀行などの民間金融機関ですが、国が100%出資をしている国金(日本政策金融公庫)は、個人事業主や小規模事業者に積極的に融資を行っていて、審査のハードルも一般の金融機関よりも低い点が非常に魅力です。
今回は、国金の事業資金の借り方や国金の審査について解説します。
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国金って何?
国金(日本政策金融公庫)とは、国が個人事業主や小規模事業者、中小企業などに積極的に融資を行うために設立した金融機関です。
国金=日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、
- 国民生活金融公庫
- 農林漁業金融公庫
- 中小企業金融公庫
- 国際協力銀行
- 沖縄振興開発金融公庫
が、2008年10月に統合して発足した会社です。
日本政策金融公庫は、現在でも「国金」の略称で呼ばれることが多いですが、それは以前の正式名称が「国民金融生活公庫」だったからなのですね。
国金(日本政策金融公庫)の業務
国金の業務は、
- 国民生活事業(国民一般向け業務)
- 中小企業事業(中小企業者向け業務)
- 農林水産事業(農林水産業者向け業務)
+危機対応等円滑業務
の4つに大きく分けられます。
国民生活事業
国民生活事業では、小規模事業者や創業企業、また、子供の教育資金を必要としている家庭に対するサポートを行っています。
小規模企業向けの小口資金や新規開業資金を借りられる
国民生活事業は、小規模事業者への融資を主な業務内容としています。
主に小口融資が主体で、普通貸付なら限度額は4,800万円です。
個人事業主や小規模事業者は民間の金融機関からは融資を敬遠されがちですが、国金ならそういった心配はありません。
融資先の9割が従業員数10人に満たない小規模企業で、融資先の半数近くは個人事業主だというデータを見ればそれがよく分かります。
とはいえ、国金からお金を借りるには、もちろん事業計画書などの書類の提出が必要ですし、きちんとした審査もあります。
国金なら誰でも簡単にお金を借りられるということではありませんので誤解のないようにしましょう。
また、融資だけではなく、国金では経営相談や経営に関する様々なアドバイスも受けられます。
多くが無担保融資
国民生活事業の平均融資金額は700万円弱ですが、全体の半数以上が融資額500万円以下、また、全体の3分の1は融資額300万円以下です。
多くの自己資金を持たない小規模事業や個人事業主への小口融資が主体であることがよくわかる数字ですが、この国民生活事業には無担保・無保証人で融資を受けられる制度もあります。
国民生活事業では、無担保融資の割合が8割を超えており、無担保で保証人もつけない融資の割合も3割に上ります。
一般の金融機関では、起業したての小規模事業者が無担保・無保証人で融資をうけられることはまずありませんから、無担保・無保証人融資は国金・国民生活事業の大きな特徴だといえます。
低金利で長期間の借入が可能
利用する制度によっても異なりますが、国民生活事業では、
- 事業の運転資金は5年以内
- 設備試験なら10年以内
- 特定設備資金は20年以内
など、長期にわたる融資を低金利で行っており、それが大きな特徴となっています。
国の教育ローンや恩給・共済年金を担保とする融資も行っている
国民生活事業では、実はさまざまな分野に向けた融資制度を取り扱っているんですよ。
個人事業主や小規模事業の支援だけではなく、教育費用を必要とする家庭への支援も行っており、国の教育ローンは教育費の負担の大きい家庭の多くで利用されています。
また恩給や共済年金を担保とした融資についての相談も受け付けていますから、まさに「地域の身近な金融機関」と呼ぶのにふさわしいでしょう。
中小企業事業
国金で融資を受けたいと考えているけれども、国民生活事業と中小企業事業との違いがよく分からないという人が多いです。
ざっくりいうなら、中小企業事業は国民生活事業とは少々異なり、もう少し規模の大きい企業のサポートを中心に行っているのですが、その辺りを詳しくみていきましょう。
中小企業向けの長期事業資金
国民生活事業は基本的には誰でも利用できますが、中小企業事業は「中小企業基本法」に定められている中小企業者が利用できます。
中小企業事業も国民生活事業と同様、多様な業種の企業へ融資を行っていますが、融資先の約半数は製造業です。
また、融資先の95%は資本金が1,000万以上の法人なのですね。
中小企業事業の普通貸付限度額は4億8,000万円ですから、融資規模としては国民生活事業の10倍と大きな開きがあります。
また、
- 1件当たりの平均融資額は1億6,000万円
- 融資先の資本金の平均額4,500万円
- 従業員の平均人数は75人
です。
国民生活事業がメインとしている融資先と比べると企業の規模が大きいことがよくわかります。
基本的に担保が必要
中小企業事業では、より長期的な資金供給を安定的にスムーズに行うことを目的としているため、融資を受けるには基本的に不動産などの担保を必要とします。
国民生活事業とはこの点でも異なりますが、中程度の規模の企業なら担保を設定できることが多いですし、担保を設定することでより大きな金額を安定して供給できます。
大きな資金を固定金利で長期間借りられる
国民生活事業と比べて融資額が大きい分、審査のハードルももちろん中小企業事業の方が高いですが、
民間の金融機関と比べて低い金利で
- 運転資金7年以内
- 設備資金20年以内
という長い期間を固定金利で借りられるのですからメリットは大きいです。
また、中小企業事業からの融資実績があると国の機関からお金を借りられたということで信用を得られます。
結果として民間金融機関からも融資を受けやすくなるという点も大きなメリットでしょう。
農林水産事業
農林水産事業は、農業、林業、漁業などに従事している人が利用できます。
農林漁業、食品産業向けの事業資金を借りられる
自然災害など天候の影響を受けやすい農林漁業は、どうしても収益が不安定になりがちです。
また、投資をしてから収益を得るまでに長い時間がかかるという特性があるため、後継者が育ちにくいという悩みを抱えています。
そうした不安要素の解消のためのサポートを行いつつ、農林漁業の特性を考慮した長期的な融資を行っているのが、国金の農林水産事業なのです。
ただ単に農林漁業者に融資を行うだけではなく、農林漁業者の販路や取引の拡大につながる食品産業者との橋渡しのための支援なども積極的に行っています。
国金で事業資金を借りるメリットとは
- 事業を始めるための資金を借りたい
- 設備投資のための資金や運転資金を借りたい
一般的な金融機関からではなく、国金から事業資金を借りることにどのようなメリットがあるのでしょうか?
国金のメリットその1.~とにかく金利が低い!
国金でお金を借りる最大のメリットは、何といっても金利が低いことでしょう。
0.3%~2.75%(2019年1月現在)と、最大でも3.0%を切る金利の低さは圧倒的です。
担保や保証人がなくても2%台の金利で借りられるのですから、資金力のない小規模事業主や中小企業にとっては非常にメリットが大きいです。
比較的融資を受けやすいノンバンクのビジネスローンの場合だと、金利は6%~18%程度とかなり高金利ですし、金利が低いといわれる民間の金融機関から融資を受ける場合でも金利は2%~9%程度ですから、その差は歴然です。
また、国金の融資は固定金利なので、金利の変動を気にせず安定した返済計画を立てることができるという点も魅力ですね。
国金のメリットその2.~民間の金融機関に比べて事業資金を借りやすい
国金と民間の金融機関とでは、まず、融資に対するそもそもの姿勢が全く異なります。
国金は、国が企業や創業をバックアップしているため資金を借りやすいです。
民間の金融機関の目的は最終的には収益を上げるのが目標ですから、採算を考慮せずに融資を行うことはありません。
必ず返済できる企業にしかお金を貸すわけにいきませんから、どうしても審査は厳しくなってしまうのですね。
一方の国金は、新しい事業の創出や事業の再生、また雇用の維持などを目指しています。
地域経済を支える小規模事業者や中小企業、農林漁業の従事者など、地域に密着している事業者に融資をすることによって、国民の生活全体を向上させる目的を持っているのです。
経済を活性化させることに目標を置いているので、これまでの実績だけを考慮して融資するということがありません。
そのため、審査の可決率も民間金融機関と比べると高くなる傾向にあります。
国金のメリットその3.~民間金融機関の融資を受けやすくなる
事業を軌道に乗せるためには資金が必要ですが、創業したばかりの小規模事業者や個人事業主などは信用や実績に乏しいので、民間の金融機関からはなかなか融資を受けられません。
しかし、国金の審査をクリアして融資を受けられれば、それ自体が「政府系金融機関である国金から融資を受けた」という実績になりますから、民間の金融機関からも融資を受けやすくなります。
国金で事業資金を借りる場合にはこんなデメリットも…
ただし、民間の金融機関で融資を受ける場合と比べて、国金の審査には時間がかかるというデメリットがあります。
初めて国金で融資を受ける場合だと、審査時間は3週間~1ヶ月程度かかってしまいます。
以前にも国金で融資を受けたことがあれば、提出書類が少なくて済みますから、もう少し審査時間は短縮されます。
ただし、業績がかんばしくなければ審査に2週間以上かかってしまうこともあるようです。
民間の金融機関の場合だと、一週間から10日程度で融資が実行されるケースが多いです。
さらに、ノンバンクのビジネスローンなら数日程度、状況によっては即日融資も可能だといいますから、資金繰りを急いでいる場合だと焦ってしまうかもしれません。
国金からお金を借りる場合は、その辺りの事情をよく考慮して時間にゆとりをもって審査申し込みをしましょう。
国金の借り方~申し込みから融資までの流れ
国が出資している金融機関である国金なら、長期間の融資を低金利で受けられる上に信用や実績を積むこともできるのですね。
では、実際に国金で融資を受けるにはどのような手続きを踏めばよいでしょうか?
国金への申し込みから融資の実行まで、国金の借り方について説明します。
事業資金相談ダイヤルに電話をする
国金で融資を受けようと思ったら、まずは事業資金相談ダイヤルに電話をしましょう。
融資制度や申し込みの手続きなどについて詳しく教えてもらえます。
必要書類や融資の流れ、面談などについての詳細を事前に知っておけば、それに合わせて大まかなスケジュールを立てることもできますね。
0120-154-505
受付時間:平日9:00~17:00
※ただし、これから創業を考えている、または創業して間もない、個人企業・小規模企業の人は平日9:00~19:00まで受付可
支店窓口に相談に行く
事業資金相談ダイヤルで融資に関する大まかな説明を受けた後は、最寄りの日本政策金融公庫の支店で融資の相談をしましょう。
この時、決算書など営業状況や資産内容がわかる書類、またこれから創業したい場合には創業計画書などを持参すれば、融資の具体的な内容について相談を受けられます。
融資に関する相談は国金の支店だけではなく、商工会議所や商工会、また生活衛生同業組合などでも受け付けてもらえます。
国金の支店が住んでいる地域から少し離れている、というような場合にはぜひ利用してみてください。
所定の借入申込書を提出する
所定の借入申込書やその他の必要書類添付書類を提出します。
国金の審査への申し込みはインターネットや郵送でも受け付けていますが、どうしても支店まで足を運ぶのが難しいという状況でないのなら、できるだけ直接窓口で申し込みをした方がよいでしょう。
申し込みの前の相談の時点から、「融資を受けたい」という姿勢をアピールする方が熱意や誠意も伝わりやすいですし、不明な点があればすぐ質問もできます。
また、国金の審査では必ず面談があります。
申込を兼ねて国金の支店に足を運び、相談窓口の担当者の対応や支店の中の様子などを観察して、ぜひその場の雰囲気をつかんでおきましょう。
まったく支店の雰囲気を知らないまま面談を受けるより、ある程度様子を見知っておいた方が落ち着いて面談にのぞむことができるはずです。
必要書類を準備する
国金に申し込みをしてから融資が実行されるまでには、実にさまざまな書類を提出しなければなりません。
- 国金への申し込み時に必要な書類
- 国金との面談時に必要な書類
- 国金との契約時に必要な書類
など、数度にわたって書類を提出しますが、必要書類は多岐にわたるため、全ての書類を準備するには時間がかかります。
先に資金調達をしたい時期を設定し、そこから逆算して余裕を持って必要書類の準備に取りかかれるようにしておきたいですね。
国金への申し込み時に必要な書類については詳しく後述しますので、参考にしてみてくださいね。
面談
国金に融資の申し込みをして1週間程度すると、面談日について連絡が入ります。
質問されたことに的確に答えられるか
国金の融資担当者は、面談で事業計画の内容についての確認を行います。
同時に、利用者の人柄や事業への意気込み、また確実に事業計画を進めていけそうかどうかなどをしっかりチェックされているのだということを忘れないでくださいね。
国金の面談時間は30分から1時間程度です。
どの質問にもはっきりと正確に答えられるように、事前に何度もシミュレーションを行っておきましょう。
身だしなみや話し方に注意する
面談審査では、担当者に与える印象もとても重要です。
融資をお願いする立場であることをわきまえて、身だしなみにも充分気を配ってください。
もちろん、見た目だけで判断されてしまうようなことがあっていけませんが、やはりTPOは大切です。
できるだけこざっぱりとした清潔感のある服装を心がけましょう。
スーツなどを着用できれば理想的です。
また、面談ではかなり立ち入ったことを聞かれることも珍しくありません。
それに対して、感情をあらわにしてケンカ腰の態度をとってしまったり、よく分からないからといい加減な返答をしてしまったりすることがないようにしましょう。
面談では、あなたの人間性も同時にチェックされているということを、くれぐれも忘れないようにしたいものです。
融資決定
無事に国金の審査に通過して融資を受けられることが決定すると、後日国金から契約に必要な書類が郵送で送られてきます。
国金との契約時には、
- 借用書
- 収入印紙
- 預金口座振替利用届
- 送金先口座の預金通帳のコピー(見開き部分)
- 印鑑証明書
- 包括同意書
- 団体信用生命保険申込書兼告知書
など必の書類を要提出しますが、案件によっては、これ以外の書類が必要になる場合もあります。
契約時に提出しなければならない書類のほとんどは国金から送られてきます。
国金の申込者自身が準備しなければならない書類は、印鑑証明書、通帳のコピー、収入印紙程度です。
なお、団体信用生命保険への加入は任意ですので、もし必要なければこの書類は提出しなくても構いません。
融資実行
契約書類などに不備がなければ、国金に契約書類が到着してから2~3営業日で、銀行口座に融資決定金額が振り込まれます。
ちなみに、国金からの送金先や返済口座としてネット銀行やJAの口座を指定することはできませんので注意が必要です。
ネット銀行やJAにしか口座を持っていないという場合は、国金への融資申込と並行して、一般的な金融機関に新しく口座を開設しておきましょう。
国金で融資を受ける際の必要書類
国金の申し込みに必要な書類は、申込者が個人か法人にかによって、また、起業してからどのくらい経過しているかによっても異なりますので注意が必要です。
個人事業主が国金で融資を受ける場合
個人事業主が国金で融資を受ける場合に必要な書類にはどのようなものがあるでしょう。
起業してすぐに融資を受ける場合
個人事業主が起業してすぐに融資を受ける場合は、「新創業融資制度」へ申し込みをします。
必要な書類は、以下の通りです。
- 借入申込書
- 通帳のコピー(直近6ヶ月分)
- 創業計画書
- 支払明細書(借入がある場合)
現在の借入残高が分かるもの、また、月々の支払金額が分かるもの - 不動産の賃貸借契約書(店舗・自宅)
まだ仮押さえの段階なら、契約条件などが分かる書類 - 営業許可書、資格・免許を証明するもの
- 見積書、工事請負契約書(設備投資をする場合のみ)
- 運転免許証コピー
- 印鑑証明書
- 関連企業の確定申告及び決算書(他に会社を経営している場合のみ)
- 自宅の水道光熱費の支払い状況が分かる資料
- 個人の源泉徴収票または2年分の確定申告書
起業後1年以上経過後に融資を受ける場合
起業後1年以上経過している場合は、「中小企業経営力強化資金制度」に申し込みをします。
必要書類は以下の通りです。
- 借入申込書
- 通帳コピー(直近6ヶ月分)
- 企業概要書
- 支払明細書(借入がある場合)
現在の借入残高が分かるもの、また、月々の支払金額が分かるもの - 不動産の賃貸契約書(店舗・自宅)
まだ仮押さえの段階なら、契約条件などが分かる書類 - 営業許可書、資格・免許を証明するもの
- 見積書、工事請負契約書(設備投資をする場合のみ)
- 運転免許証コピー
- 印鑑証明書
- 関連企業の確定申告及び決算書(他に会社を経営している場合のみ)
- 個人の源泉徴収票または確定申告書2年分
- 請求書や通帳など売上の根拠資料
- 直近の確定申告書2年分
- 所得税納付の領収書
- 住民税納付の領収書
- 消費税の領収書(納税している人のみ)
- 直近の貸借対照表、損益計算書
起業して1年以上経過していても起業から7年以内なら金利の低い中小企業経営力強化資金制度を利用しましょう。
中小企業経営力強化資金制度は、金利が安い上に担保や保証人なしでお金を借りられるというメリットがありますよ。
法人が国金で融資を受ける場合
では、法人が国金で融資を受ける場合にはどのような書類が必要でしょうか。
法人の場合も、設立してすぐにお金を借りる場合と、設立して1年以上経過している場合とでは、必要書類が異なりますので気をつけてください。
法人を設立してすぐ融資を受ける場合
法人を設立してすぐ融資を受ける場合の必要書類は以下の通りです。
- 借入申込書
- 通帳コピー(直近6ヶ月分)
- 創業計画書
- 借入がある場合は支払明細書(現在の借入残高と月々の支払額が分かるもの)
- 不動産の賃貸借契約書(店舗・自宅)
- 営業許可書、資格・免許を証明するもの
- 見積書、工事請負契約書(設備投資をする場合のみ)
- 運転免許証コピー
- 関連企業の確定申告書及び決算書(別に会社を経営している場合のみ)
- 印鑑証明書
- 代表の自宅の水道光熱費の支払い状況が分かる資料
- 履歴事項全部証明書(謄本)
法人を設立して1年以上経過後に融資を受ける場合
- 借入申込書
- 通帳コピー(直近6ヶ月分)
- 企業概要書
- 借入金がある場合は支払明細書(現在の借入残高、月々の支払額が分かるもの)
- 不動産の賃貸借契約書(店舗・自宅)
- 営業許可書、資格・免許を証明するもの
- 見積書、工事請負契約書(設備投資する場合のみ)
- 運転免許証コピー
- 関連企業の確定申告書及び決算書(別に会社を経営している場合)
- 印鑑証明書
- 代表の自宅の水道光熱費の支払い状況が分かる資料
- 履歴事項全部証明書(謄本)
- 請求書や通帳など売上の根拠資料
- 直近の決算書2年分
- 法人税、事業税、消費税納付の領収書(納税をしているもののみ)
- 直近の貸借対照表、損益計算書
設立して1年以上経過している場合には、提出資料が多くなりますので注意しましょう。
誰でも借りられるわけではない~国金の審査基準とは?
国金は民間金融機関と比べれば審査基準は緩やかだといえるかもしれませんが、事業資金を借りたいと思う人が誰でも融資を受けられるというわけではありません。
そこで、国金の審査基準について考えてみましょう。
信用情報に問題があると審査に通過しない可能性がある
カードローンやクレジットカードの審査に申し込む際には、信用情報が非常に重視されますが、国金でお金を借りる場合も、信用情報に問題があればやはり融資を受けられないのでしょうか?
実は、国金はCICとKSCに加盟していますので、申込者の信用情報をいつでも確認することが可能です。
ただ、実際にはブラック状態にある人でも国金から融資を受けられたというケースがしばしば報告されています。
従って、過去にブラックリスト入りしたことがあっても、現在の状況が改善されていて、なおかつ事業計画が具体的でビジョンを明確に示すことができれば、信用情報はクレジットカードやカードローンの審査ほどには重視されない傾向にあるといえるでしょう。
しかし、もちろん信用情報に問題があれば、それがプラスに働くなどということはないですから、あくまで個々のケースによります。
自己資金がどのくらいありますか?
新しく起業する人に対して融資を行う場合、国金では必ず自己資金がどの程度あるのかの確認を行います。
自己資金をどのように貯めたか
自己資金がどれくらいあるかということだけを見るのではではなく、起業するにあたってどのように自己資金を貯めてきたのか、つまり起業にあたってどれだけ計画性をもって準備を進めてきたかという点を確認されるのだと考えてください。
少しずつコツコツと貯めてきた資金は、やはり評価されやすいです。
一方で、通帳の履歴に不自然な点があればかなり具体的な説明を求められものと考えておいた方がいいでしょう。
不正な資金などがないか
例えば、事業を始めるにあたって親族などからお金を借りていると、融資を確実なものにするための見せ金として入金したのではないかと疑われてしまうこともあります。
口座に準備してあるお金はすべて純粋に事業に使える資金であることをきちんと説明できなければ、融資を受けられなくなってしまうかもしれません。
口座の出入金に関して何らかの指摘を受ける恐れのある場合は、計画的に資金を準備してきたのだ、口座への入金は不正なものではないのだ、ということを担当者に納得してもらえるような資料をあらかじめ準備しておくとよいでしょう。
自己資金なしでは融資を受けられない
創業融資を受ける場合なら、必要な資金の2分の1から3分の1の自己資金を準備しておきたいです。
誰かから一時的に借りてきたいわゆる見せ金は、審査では不利になりますので注意してくださいね。
自己資金については、国金のホームページにも「自己資金の要件」として記載があり、創業資金の3分の1以上の自己資金を準備できることが融資の要件であるとされています。
「自己資金が足りないから、国金からお金を借りたいのに…」
と思うかもしれませんが、ある程度の自己資金を準備することで事業を始めようという熱意や努力を認めてもらうのだと理解してください。
事業計画書で信用を得る
事業計画書は融資を受けるために作られる書類ですから、説得力がなければなりません。
事業計画に具体性があるか
確実に実行していける計画がきちんと示されているかどうか
市場の規模や同業他社の情報などを収集できているか、また、提供しようとしている商品やサービスにどの程度の需要があるか検証できているか
計画は壮大でも構いませんが、細かい数字などできるだけ具体的な根拠を示せなければなりません。
誰にも分かりやすい事業計画書になっているか
国金に提出する事業計画書は、面談の担当者以外の人が見てもわかりやすいように作成しましょう。
当然のことですが、事業計画書を見るのは担当者だけではありません。
融資の可否を判断するのは融資審査部門全体の仕事ですから、事業計画書は複数の人が目を通します。
面談時に同席していなかった他の担当官が見てもわかりやすい事業計画書を提出できれば、それだけ融資を受けられる可能性も高まるでしょう。
面談は重要!どんなことを尋ねられる?
国金から融資を受けるための審査では、事業計画書と並んで面談が非常に大きなウェイトを占めます。
起業した理由
自分がこれまで積み上げてきた経験、培ってきた知識を思う存分活かしたいという熱意を、いかに担当者にアピールできるかがポイントとなります。
起業理由は事業計画書や創業計画書にも記入する事項なので、答えられないようなことはないと思いますが、実際に担当者に質問された場合に自分の言葉でしっかりと説明できるかどうかは重要です。
国金が融資をするかどうかの判断をするための最も基本的な質問でもありますから、積極性のない発言や後ろ向きの発言はしないようにしましょう。
今後どのように収益を上げていくか
融資を行う側にとって、貸したお金が確実に返済されるかどうかは最も気になるところです。
確実に収益を上げてもらわなければ貸したお金が戻ってこないかもしれないわけですから、どのようにして売上を確保するか、また収益を増やしていくかについて細かく質問をするのは当然のことでしょう。
融資してもらった金額は、確実に返済できるという確かな見通しを持っているかどうかはとても重要です
売上の見込みが楽観的すぎないか、費用計画が厳しすぎないか、目標を実現できる可能性について、各費目の金額や売上の根拠などを担当者が納得できるような言葉でしっかり伝えられるようにしておきましょう。
事業がうまくいかなかった場合の対策について
お金の融資を受けるために審査に申し込んだ人は誰もが事業を軌道に乗せてみせようと考えている人ばかりですから、当然目標に向かって出来る限りの努力をするでしょう。
しかし、一生懸命頑張ってもどうしても思うように売上が伸びないというケースも想定しておかなければなりません
事業が思うようにいかなかった場合、そのリスクに対してどのような対策を取れるのか、どのようにリスク管理を進めていくかについてきちんと説明できるようにしておきましょう。
国金の融資担当者も、事業計画が全て書面通りにうまく進んでいくとは思っていません。
リスクを背負った場合に、申込者がどのように対策を講じて、いかに危機を乗り越えていくかを知りたがっているのです。
事業がうまくいかなった場合の対処法について明確に答えられ、リスク管理能力を持ち合わせていると判断されれば、国金から融資を受けられる可能性はうんと高まるでしょう。
おわりに
個人事業主や小規模事業者は、信用力が乏しいために民間の金融機関から融資を受けるのが難しいというハンデを背負っています。
その点、新規開業者や小規模事業者への融資を積極的に行っている国金なら、民間金融機関からは融資を受けられなかった業者にも融資を受けられるチャンスがあります。
これまでの知識や経験を活かして、ぜひ好条件で事業資金を借りましょう。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。