保護猫譲渡会「猫もひともおもてで つながり横丁」が4月22日、北見駅前商店街の「おもて横丁」(北見市北1条西2、現在は閉店)で開かれた。企画は有志ボランティア団体「保護猫有志 きたみねこ」。
当日は譲渡会の他、併設したカフェスペースで「ベーカリーカフェ ローフ」(公園町)のシフォンケーキと「おもて横丁」のコーヒーをセットで提供したほか、採れたての「行者ニンニク」やボランティアが制作したハンドメードグッズのチャリティー販売も行った。
譲渡会には17匹の猫が登場したほか、プロフィール表の張り出しで猫7匹、犬1匹、ウサギ1匹を掲示。北見市内外から107人が来場し、参加猫から8匹、プロフィール表から1匹の猫が譲渡へつながる「トライアル」を決めた。
来場した中村裕子さんは「譲渡会に初めて参加した。きれいなケージの中にかわいい猫がいて、自分が高齢者でなければ飼いたいと思った。保護や世話は大変だと思うが、ボランティアの皆さんには活動の輪が広がって野良猫が減っていくように活動を続けてほしい」と期待を込める。
「『きたみねこ』は猫の生活を向上するために活動する個人ボランティアが集まった団体」と話すのは同団体代表の大沼忠志さん。2021年に初めて保護猫の里親になる。同年9月、自宅物置にすみ着いた野良猫を保護して外猫が暮らす過酷な現状を知った。
2022年9月に北見市犬猫愛護協議会のボランティアに登録した大沼さん。個人で子猫10匹を保護・譲渡するなど精力的に活動する。そうした中、同じ市民ボランティアが自宅で保護している猫の譲渡が進まない問題を知り、「譲渡を進めて保護主も助かり、また新たな命の保護ができれば」と夫婦でボランティアと連携して今年2月に初めての譲渡会を企画・運営。今回が2回目の譲渡会となった。
「市内で譲渡会ができる場所を探しているときに、おもて横丁に厚意で会場を貸していただけた。当イベントが商店街の活気を取り戻すきっかけになればうれしい」と大沼さん。「交通の便が悪い中、多くの方に来場いただき感動した。北見市が人と動物が共生する街になるように、そしてより多くの方に動物福祉について考えていただけるよう活動や譲渡会を続けていきたい」と意気込みを見せる。
北見市地域おこし協力隊・犬猫愛護推進員の佐藤美佐子さんは「今回の規模の譲渡会で、来場者数、猫への申込数はこれまでに見たことがないほど多い数だった。志を同じくする方がつながると大きな力になることを肌で感じるとても温かい譲渡会だった」と振り返る。
次回の譲渡会は5月13日、端野石倉交流センター(端野町)で行う予定。