【初めに】
こんにちは。いつもありがとうございます。温風(はるかぜ)と申します。
今回は、1月8日にリリースされました、TOMOO さんの新曲『コントラスト』についての歌詞の考察をさせていただきます。
良ければ、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
なお、筆者は音楽並びにアオのハコに関する知識は一切ございません。何卒、ご了承願います。解釈に違いがある場合は、是非あなた様のご意見をコメントいただけますと幸いです。
【1番】
火照った頬をさますような
夕方の風はやさしい
並んで君と歩いた今日が一生物になる
⇒君の存在によって高まった感情を、夕暮れ時の風が優しく撫で、
緊張や火照りを鎮めてくれるという、対比が美しい。
また、並んで歩くという何気ない日常の一瞬が「一生物になる」と表現することで、主人公のみずみずしい感情が伝わってくる。
何の気なしに優しい
ってちゃんとわかってるのに
ああ 跳ね上がる集中力
⇒このフレーズが最も好きだ。という方も多いだろう。あまりに美しい。片思いのあの瞬間の状況を「跳ね上がる集中力」を表現しきるのは正に圧巻である。
また、「何の気なし」とは、
1.特別な意図や深い考えがあるわけでもないさま。
2.なんとなく、さりげない様子。
を意味することにより、君の優しさは何気ないものであると、頭では冷静に理解しているのにも関わらず、一瞬も見逃すまいと集中し心が先行する主人公の様子が伺える。
たった一言で熱い
ほんの小さな兆し
夢見てしまう
⇒君の何気ない一言が、主人公の心に大きな揺らぎを生じさせ、
思いの感情が膨らんでいく。
なんでこんなに嬉しいの
なんでこんなにかなしいの
今も隣で眺めてる
遠い横顔焼きつけた ああ
今日はまだ届かない
近くにいるのに
⇒ここで注目すべきは歌詞中の「かなしいの」がひらがな表記である点である。
「かなしい」と聞くと連想するのは以下の2つであろう。
・悲しい
・哀しい
悲しい・哀しいの意味は、
1.心が痛んで泣けてくるような気持ちである。嘆いても嘆ききれぬ気持ち。
2.人に1.のような気持ちを起こさせる物事のさま。を指す。
だが、「かなしい」と言う漢字はもう一つ存在する。
・愛しい
である。意味は、
1.心に染みていとしい。かわいくてならない。
2.心に染みておもしろい。強く心を引かれる。とある。
つまり、「なんでこんなにかなしいの」」という歌詞は、
これらの意味を含んだトリプルミーニングになっていると推察される。
凄くないですか?鳥肌立ちますよね!
加えて、「隣で眺めている」、と聞くと物理的な距離は近いのではないか、と感じたが、「遠い横顔焼きつけた」と続く。この「遠い横顔」とは心理的な距離を表しているのではないだろうか。
なお、「まだ届かない 近くにいるのに」と続く歌詞が、前述の考察を裏付けるものになるだろう。
【2番】
冴えた朝の空気に
気づけば背中を探してる
やけに伸びた背筋は
今日も君のせいだった
⇒ここで朝に場面転換されていることにより、主人公が変わったとも捉えられるだろう。「冴えた」という意味には、
1.寒気・光・色・音などが澄みきること。
2.頭脳の働きや感覚が鋭いこと。技術などが鮮やかなこと。
とある。これもダブルミーニングだと仮定すると、2.の頭が冴えている≒熟睡できた。
ということとも取れ、個人的には1番の歌詞の主人公はあの感情の中、熟睡できるとは考えられないため、1番と2番は別の人物の視点であると感じた。
そして、恋愛のあの緊張の状態を「やけに伸びた背筋」と表現しきるのは本当に美しい。
また、「背中を探している」「伸びた背筋」と、背中に関連があるフレーズが続いているのもさすがだなと感じた。私のような素人詩人では、「横顔」や「後ろ髪」というフレーズにしてしまい、「伸びた背筋」との関連が取れなくなりそうだと感じた。
たった一コマでブルー
でもほんの一秒が甘い
ああ 頑張れるよ まだ
⇒一瞬の君の、行動・言動によって、甘く切なく感情が揺れており、
頑張るための活力になっていることが伺える。
きっと線を引いても
超えて届いてしまう
気配、声、視線
⇒これ以上は、近づいてはいけないと自身(主人公)の中で心理的な「線」を引いているのにも関わらず、それを飛び越えてしまうほど、五感で君を見てしまう様子を描いている。
なんでこんなに嬉しいの
なんでこんなに寂しいの
相も変わらず走るのは
君の瞳が浮かぶから ああ
もうこれ以上隠せない
⇒この部分のみ「寂しい」になっていることからも、1番と2番の主人公が異なる可能性を高めるのではないだろうか。
喜びと、切なさの感情を誤魔化すために駆け出したが、もうこれ以上隠すことができないと感じている様子を描いている。
何でもない顔して
やっと気づいた強がり
ああ 上手く歩けない
⇒君の前で、自分を偽っていたことにようやく気が付き、
動揺している様を描いている。あまりに美しい表現である。
でもそんな時ほど君は
決まって気づいちゃうから
溢れてしまう
⇒そんな動揺している自分に気が付いて欲しくないのに、
優しい君は気づいてしまうため、なおさら感情が高まってしまう。
なんでこんなに嬉しいの
なんでこんなにかなしいの
今も隣で眺めてる
遠い横顔焼きつけた ああ
今日はまだ届かない
近くにいるのに
⇒ここでまた、「かなしいの」というフレーズに切り替わっている。
これは、1番と2番の歌詞の主人公の感情がリンクしていることを表しているのではないだろうか。
加えて、最後のピアノの音が学校のチャイムのように聞こえ、筆者は無性に切なくなった。
【終わりに】
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
本記事における単語の意味については、goo様、辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書様より引用させていただきました。
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