学研全訳古語辞典 |
ぜ-ひ 【是非】
是と非。道理に合っていることと、合っていないこと。善悪。
出典平家物語 二・烽火之沙汰
「進退(しんだい)これきはまれり、ぜひいかにもわきまへがたし」
[訳] 進むか退くかここに行きづまってしまった、道理のよしあしをどうしても判断できない。
善悪を判断すること。批評。
出典徒然草 一九三
「おのれが境界(きやうがい)にあらざるものをば、争ふべからず、ぜひすべからず」
[訳] 自分の能力の及ぶ範囲でないことで争ってはならないし、その善悪の判断をしてはいけない。
なんとしても。是が非でも。必ず。
出典女殺油地獄 浄瑠・近松
「さてはぜひ婿取って、妹に所帯渡すな」
[訳] さてはなんとしても婿を取って、妹に家督を渡すのだな。
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