jRogue (GUI版) ダウンロード (2019年10月11日 バージョン:5.4.5J.042)
動作確認:macOS Ventura 13.3.1
(注:署名はありませんので、初回の起動は右クリックして「開く」を選んでください)
Homebrewをお使いの方は以下のコマンドでCUI版をインストールすることも可能です。
% % | brew tap leopard-gecko/game brew install jrogue |
はじめに。
ここはMac用日本語版Rogue(ローグ)の配布サイトです。
Rougeとは1980年に作られた最初期のRPGの一つで、一文字で表現されたキャラクターやプレイするたびにランダムに作られる迷宮などが特徴です。非常に古いものなのですがなんとも言えない独特の味があり、今遊んでも楽しめるものだと思います。
以前は日本語化されたMac用のフリーソフトもあったのですが、今では私の知る限りアプリとしてのMac用日本語版ローグは存在しません。テキストエディタのvim上で動くローグやWindows用のアプリを無理やりMacで動かす方法はあるのですが、いずれも少々敷居が高いものです。
そこで、Macでネイティブに動作する日本語版ローグを作ってみました。日本語化したので「jRogue」という名前にしましたが、中身はRogueそのものです。
近年一般的なWindows用などの日本語版ローグは「データ分離版」とか「メッセージ分離版」と呼ばれるもので、Rogue Clone IIというものがベースになっています。ローグには少々ややこしい歴史があり、このClone IIというのはオリジナルのローグが当時ソースコードが公開されていなかったために動作をそっくりにコピーしたクローンです。細かいところまで良くできているのですが、オリジナルに比べると暗い部屋が存在しなかったりアイテムが違ったり各種アルゴリズムが異なるなどの違いがあります。
今回Mac用の日本語版ローグを作るにあたって当初はデータ分離版の移植を考えたのですが、現在はクローンではないオリジナルのローグのソースコードも公開されていますので、オリジナルローグの最終版といわれるバージョン5.4の日本語化を行いました。おそらく現在日本語化されているRogue 5.4は他機種用も含めてこれが唯一のものだろうと思います。
単に5.4を日本語化しただけでなく、Windows/Linux用のローグをメンテナンスしておられるY.Oz VoxさんによるRogue 5.4pの独自要素(カラー化、識別の巻き物を1種類にまとめる、起動時にプレーヤー名を変更できる)も加えています。オリジナルそのままの形だけにこだわるのではなく、ユーザーフレンドリーなスタイルを目指しました。
当初はデータ分離版の和訳を流用していましたが、意訳が多いので元の英語をそのまま訳すスタイルに変えました。カラー設定はほぼ新規です。
ゲームを始める前に、まずはローグにはお決まりの添付文書である【運命の洞窟】への案内書を参照してください。
アプリ(GUI版)について。
GUI版はアプリケーションの形を取っていますが、実際にはターミナルからCUI版のjRogueを起動するためのAppleScriptです。ターミナルを使ったことがない人でも普通のアプリのようにクリック操作のみで起動できる環境を目指しました。
アプリを開いて(初回の起動は右クリックから開く)指示の通りに進んでいくとターミナルが開いてjRogueが起動します。ゲームの遊び方については、添付した文書や、ゲーム中に「?」をタイプすると表示されるヘルプを参照してください。
このアプリ独自の仕様として、ゲーム開始時にモードを3種類選べるようにしてみました。
- 通常
カラー表示あり、識別の巻き物が1種類(後で説明します)、走る時に曲がり角で止まらない。背景色は黒。 - オリジナル
もともとのRogue 5.4のデフォルト設定。カラー表示なし(本来Rogue 5.4にはカラー表示の機能はない) 、識別の巻き物が5種類、曲がり角で立ち止まる。背景色は黒。 - 細かく設定
各オプションを個別に設定できる。オプションについては【運命の洞窟】への案内書に詳細な説明があります。
識別の巻き物が云々というのは、Rogue5.4にはアイテムを識別するための巻き物が5種類あるのですが、他のバージョンでは1種類しかないものでした。UNIX以外の機種への移植版でも1種類の設定が採用されていたようです。上述の5.4pでは識別の巻き物を1種類にまとめるオプションが用意されており、こちらのアプリにもそのオプションを採用しデフォルトの仕様としました。
GUI版ではスコアファイル(jrogue.scr)が書類フォルダに自動的に保存されます。セーブして終了した場合はセーブファイル(jrogue.save)が同様に書類フォルダに保存されます。(CUI版はいずれもカレントディレクトリへの保存がデフォルトです)
フォントはターミナルの初期設定ではサイズが小さすぎるのでjRogue独自の設定に変更しています。ターミナルで設定したフォントを使いたい場合は、モードの「細かく設定」からフォントの設定を「ターミナルの設定」に変更してください。
背景色はデフォルトでは黒に設定していますが、ターミナルで設定した背景色を使いたい場合は同じように「細かく設定」から背景色を「ターミナルの設定」に変更してください。
プレイヤー名は初回起動時にはユーザー名を取得しています。「設定を変更する」を選べば名前の変更もできます。変更した場合は次回起動時からはその名前がデフォルトになります。名前を消して設定すれば初期設定に戻すことができます。
ゲームが終了するとjRogueを開いていたウインドウは自動的に閉じられます。ターミナルのウインドウが他に開いていない場合はターミナル自体を終了します。
(おまけ情報:本体のUNIX実行ファイル(jrogue)はアプリのパッケージの中に収納しています。ターミナルからコマンドで起動したいけれどHomebrewは使っていないというような場合は、アプリの中から実行ファイルを取り出すという裏技が使えます)
CUI版との違い。
ここでいうCUI版とはターミナルからコマンドを入力して起動するバージョンです。CUI版についての詳しい説明はこちらの配布サイトを参照してください。
GUI版はCUI版のUNIX実行ファイルをAppleScriptで起動しているだけですから、両者は実質的には同じものです。ただしGUI版は各オプションを設定するために内部で環境変数ROGUEOPTSを変更してから起動しているため、GUI版では .zshrc や .bashrc などに設定した環境変数は無視されます。CUI版をオプションなしで起動するとオリジナルのRogue 5.4の素の状態とほぼ同じになり、GUI版での「オリジナル」モードに相当します。
スポイラー。
これらはあくまでスポイラー(ゲームのヒント)なので、正攻法で攻略したい人は読まないでください
- 巻き物と水薬の一覧
データ分離版では巻き物や水薬は使った後に名前を自動で判別してくれますが、Rogue 5.4では使用後のメッセージや効果を見て自分で呼び名をつけなければなりません。
そこが少々面倒なところなので、一種のスポイラーとして巻き物と水薬の一覧表を作成してみました。 - ウィザードモードのコマンド
ウィザードモードに入った時に追加されるコマンドの一覧です。
注:ウィザードモードはCUI版のみの特殊なオプションです。このモードについてはこちらを参照。
その他もろもろ。
ローグには走るコマンド(コントロールキーまたはシフトキーを押しながら移動)がありますが、曲がり角で止まらない設定(passgo)にすると長い通路では一瞬でどこかにワープして見失ってしまいます。ところがソースコードを見ると、走る時でもきちんと一コマ一コマ描写しているので、昔の動作が遅い端末では移動していく様子が肉眼でも見られたのでしょう。そこであえて遅延処理を加えて走る様子が見られるようにしました。物を投げたり魔法のミサイルを飛ばしたりする時にもそういう表示になるはずなので、それらにも遅延処理を加えました。
そういうのが鬱陶しいと感じる人のためにローグではもともとちゃんと対策が取られており、走る時のアニメ表示を切りたい場合はオプションのjumpを有効にすれば瞬間移動するようになりますし、物を投げる時はterse(簡潔表示)を有効にすればアニメ表示がオフになります。これでjumpやterseの実質的な存在意義も再現できるようになったと思います。
これはjRogue独自の修正点ですが、むしろオリジナルのあり方に近づくことができたのではないかと思います。
注意点。
日本語の表示と入力はMacの標準的な環境(UTF-8)のみに対応しています。文字コード関係の設定を変更している場合は適切な表示や入力ができない可能性があります。
プレイヤー名や好きな果物の名前などに日本語だけでなく絵文字を使うことも可能です(例えば好きな果物の名前を🍏に設定したり、使っている剣に⚔という呼び名をつけるなど)。ただしターミナルに表示される絵文字は半角1文字分の表示となりますので、続けて文字を入力すると表示が重なってしまいます。絵文字を入力した後には半角スペースを一つ加えてください。
通常日本語は1文字で3バイト分のデータがありますが、特殊な漢字の一部は4バイトのものもあります。4バイトの漢字もゲーム中の入力は可能ですが、一旦変換を確定してからデリートキーで削除しようとすると表示が崩れます。デリートキーで削除するのではなくて初めから入力をやり直してください。
外部リンク。
- The Rogue's Vade-Mecum(ローグのガイドブック)
要はこれもスポイラーです。ローグの内容についての詳細な解説の和訳。ほとんど完全なネタバレになりますので、ある程度やり込んだ方のみお読みください。jRogueのバージョンは、ここでいうところの「V5」にあたります。
更新履歴。
途中経過(クリックで表示)
2018/03/19 ver 5.4.5J.041。和訳の修正。添付文書の修正。
2018/03/09 配布サイトをGitHubに移動。
2018/03/08 ver 5.4.5J.040。ごく細部の修正。
2017/12/13 ver 5.4.5J.039。jrogueを起動するスクリプトがbashのコマンド履歴に残らないようにした。その他細部の修正。
2017/12/08 ver 5.4.5J.038。セーブファイルから再開した時の動作を修正。ソースコードを5.4.5ベースに再度変更(コロコロ変わってすみません・・・)。その他細部の修正。
2017/12/08 ver 5.4.4J.037。セーブファイルから再開した時の誤作動を修正。ソースコードを5.4.4ベースに再変更。その他細部の修正。
2017/12/06 ver 5.4.5J.036。和訳や動作の細かな修正。添付文書を全面的に和訳し直した。
2017/11/30 ver 5.4.5J.035。和訳の修正。添付文書の修正。GUI版で選べるカラー設定にPC-8801/9801風を追加。
2017/11/22 ver 5.4.5J.034。和訳の修正。
2017/11/17 ver 5.4.5J.033。和訳を全面的に見直して元の英語をほぼそのまま訳すスタイルに変更。カラー設定を新規に作り直し。
2017/11/07 ver 5.4.5J.032。セーブファイルから再開した時に巻物の出現率がおかしくなる問題を修正。
2017/11/03 ver 5.4.5J.031。GUI版のインターフェース変更。上級モードを廃止。
2017/11/01 ver 5.4.5J.030。和訳の修正。
2017/10/31 ver 5.4.5J.029。GUI版にスコア表示と墓標表示の機能追加。CUI版のインストール時にウィザードモードありのオプション追加。和訳と不具合の修正。
2017/10/25 ver 5.4.5J.027。GUI版で背景色の設定追加。ゲームが終わるとターミナルで開いているウインドウがjRogueだけの時はターミナルを終了し、他のウインドウが開いている時はjRogueのウインドウを閉じる仕様にした。CUI版のインストール時に背景色変更とカーソル表示の有無を選べるオプションを追加。
2017/10/24 ver 5.4.5J.025。GUI版に好きな果物の設定追加。インストール方法を明示。CUI版では環境変数ROGUEOPTSでプレイヤー名や果物に日本語や絵文字なども使用可能。各種不具合修正。
2017/10/20 ver 5.4.5J.024。GUI版でも細かい設定を行えるようにした。
2017/10/19 ver 5.4.5J.023。ゲーム終了後にもう一度遊ぶか選べるようにした。
2017/08/31 ver 5.4.5J.022。添付文書の修正。和訳の修正。デフォルトのセーブファイル名をjrogue.saveに変更。
2017/08/30 ver 5.4.5J.021。GUI版の表示修正。ターミナル起動時に二つのウインドウが開いてしまう不具合の修正。和訳の修正。
2017/08/29 ver 5.4.5J.020。GUI版でターミナルのフォントをMonacoに変更し背景を黒にする動作を追加。Wizardモード(開発者の動作確認用モード。一般ユーザーには無関係)を和訳。
2017/08/25 ver 5.4.5J.019。ゲームオーバー及びクリア時のカラー表示追加。その他細部の修正。
2017/08/24 ver 5.4.5J.018。細かな表記の修正。「始めにお読みください」の内容修正。
2017/01/19 ver 5.4.5J.017。和訳の修正。更新状況を反映させるためアプリのバージョンを細かい表記に変更。
2017/01/16 添付文書の細かな修正。
2016/12/21 起動時にターミナルのフォントサイズが小さい場合は大きくする処理を追加。(フォントサイズが13以上に設定されている場合は変更しない)
2016/12/19 和訳部分などの細かな修正。
2016/12/14 添付文書の修正。Applescriptの修正。
2016/12/12 いくつかの状況で反転表示が行われていなかった問題を修正。添付文書の内容を大幅に見直し。
2016/12/11 バグ修正。GUI版は初回起動時にユーザー名(アカウント名ではなくフルネームの方)を取得して表示するようにした。
2016/12/10 アプリ名をjRogueに変更。起動時に選択したモードを記録し、次回起動時にはボタンのデフォルト表示を変更するようにした(GUI版)。和訳の修正。CUI版はHomebrew経由のインストールに変更。
2016/12/08 オプションコマンドでカラー設定を変更した後にステータスが文字化けする問題を修正。
2016/12/07 ソースコードのベースを5.4.4から5.4p(5.4.5)に変更。
2016/12/06 Rogue 5.4.5J 公開開始。
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