インドネシア人富裕層が好むヴィラとは！？

先日、バリ島でゴルフをした時のこと。

予定より早く現地に到着し、スタート時間を前倒ししようとしたら

ゴルフ場のマスター室からストップがかかった。

理由は「マンディリ銀行のVIP顧客ゴルフトーナメントで貸し切り」とのことだ。

マンディリ銀行はインドネシアの5大銀行の一つ。

参加者は、同銀行にRp100億以上（約1億円）の資産を持つ優良顧客だけ。

「何組でやってるの？」

「73組です」

ゴルフは4人でやるものだから、約300人のものお金持ちが集まっていることになる。

そういえば、駐車場には高級車がずらりと並び、クラブハウス入口には豪華な看板が掲げられていた。

なるほど、そういうことだったのか。

　
　

急増するインドネシアの富裕層

経済成長が著しいインドネシアでは、富裕層が急増している。

英国のコンサルティング会社のレポートによれば、インドネシアの富裕層（資産100万米ドル以上）の増加率は

2021～2026年で63％に達すると予測されている。

この成長率は、東南アジアの中でもマレーシア（86％）、フィリピン（79％）に次ぐ高い数字だ。

一方で、日本の同期間の増加率は18％と、かなり見劣りする。

富裕層の増加がもたらす影響は様々だが、その一つに「高級ヴィラ宿泊の需要拡大」が挙げられる。

これまでは外国人観光客が主流だったバリ島のヴィラ宿泊だが、

経済的余裕のあるインドネシア人観光客の需要が高まることが予想される。

過去に日本人、近年では中国人観光客がヴィラ宿泊の主要顧客層だったが、

インドネシアの富裕層が次なる市場の担い手となるのだろう。

インドネシア人富裕層に好まれるヴィラとは？

インドネシア人富裕層のライフスタイルや価値観を踏まえると、

彼らに好まれるヴィラの条件は以下のような特徴が挙げられる。

1. セキュリティとプライバシー

厳重なセキュリティ：警備員の常駐、監視カメラ、ゲートなど、富裕層が求める安心感を提供。

プライバシー保護：プライベートプールやガーデンを備え、家族や友人と静かな時間を過ごせる空間。

衛生対策：コロナ禍以降、清潔感や衛生管理は重要な要素に。

2. ラグジュアリーとアメニティ

洗練されたデザイン：モダンでスタイリッシュな内装やブランド家具、高級素材を使用。

素晴らしい景観：ビーチフロントや緑豊かな田園、ジャングルに囲まれたロケーション。

豪華なアメニティ：プライベートジム、スパ、サウナ、シアター、ワインセラーなど、贅沢な設備。

3. アクティビティ

ウェルネス体験：スパやヨガセッションの提供。

キッズフレンドリー：家族旅行者に喜ばれる子供用プールやアクティビティ。

特別な体験：プライベートディナーや特別ツアーを手配。

4. 文化と伝統

伝統的な要素：バリの建築様式や装飾を取り入れたデザイン。

文化体験：遺跡や寺院、伝統市場に近く、地元文化を楽しめる環境。

5. 利便性とサービス

便利な立地：市街地や観光スポットへのアクセスが良好で、空港送迎やショッピングサポートも提供。

パーソナルサービス：専属のコンシェルジュやシェフが常駐し、顧客のニーズに対応。

6. 社会的ステータス

希少性：限定営業のヴィラや独自の特徴を持つ物件。

コミュニティ形成：ヴィラ滞在者同士の交流イベントや施設を提供し、ネットワークづくりをサポート。

インドネシア市場の変化

これらの条件を備えたヴィラは、インドネシア人富裕層の増加とともに需要が高まる。

彼らは単に宿泊するだけでなく、社会的ステータスを高め、特別な体験を求めている。

そのため、これらのニーズを満たすヴィラは、投資先としても非常に有望と言えるでしょう。

さらに注目すべきは、インドネシアが「人件費が安い生産地」から「経済成長した消費市場」へと変貌を遂げている点だ。

かつては、海外企業が安価な労働力を求めて進出していたが、現在では中間層から富裕層までの購買力が拡大し、消費市場としての魅力が増している。

インドネシアの富裕層の増加は、ヴィラ市場にも新たな可能性をもたらしている。

彼らが求めるラグジュアリーでパーソナライズされた空間を提供することで、

投資家にとっても大きな収益をもたらすだろう。

そしてこの成長市場は、単なる観光地以上に、経済成長の象徴となるはずだ。

インドネシアが新しい時代を迎え、成熟した市場としての地位を確立していく中で、

この変化を見逃さずに対応していきたいものである。