パナソニックホールディングスとPHP研究所が、創業者で「経営の神様」と言われた松下幸之助氏(1894〜1989)をAI(人工知能)でよみがえらせました。
何か質問すると、AI松下氏があたかも生前の松下氏のように回答してくれるそうです。
(公開はされず、社内研修用などに活用されるとか)
これは、いわば〝デジタル不老不死〟の一つの形態。
A I松下氏の登場は、故人を〝よみがえらせる〟技術がより確かなものになってきたことを感じさせます。
自分がこの世を去っても、子や孫、ひ孫たちは自分に〝会う〟ことができる‥‥。
そんな日は近いのかもしれません。
- パナソニックなどが開発したAIは、松下幸之助氏の声と思考を再現できる
- AIは約48時間分の音声データと多くのテキストを学習した
- この技術により、松下氏の経営理念や知識を次世代に伝えることが可能になる
- デジタル不老不死の概念が現実味を帯びてきている
- デジタル不老不死の進展はプラス面とマイナス面がある
「怖いくらい似ている」AI松下氏
ニュースなどによると、このAI松下氏は次のような特徴があるそうです。
- 70歳くらいの松下氏の声を再現できる
- 松下氏らしい話し方や考え方ができる
- 質問すると、松下氏らしい答えが返ってくる
創業家からも「怖いくらい似ている」との感想が寄せられたとか。
どうやって作った?
どうやってAI松下氏を作ったのでしょうか。
ニュースによると
- 松下氏の声を48時間分集めて、AIに覚えさせた
- 松下氏が書いた本や話した言葉をAIに勉強させた
- 専門家が何度もチェックして、本物らしくなるまで改良した
のだそうです。
ニュース動画を見ると、質問すると、写真の松下氏が口を動かしながら、松下氏らしい考えに基づいて、松下氏の声で答えてくれています。
どうして作った?
パナソニックホールディングスなどはAI松下氏を作った理由について
- 会社の大切な考え方を若い人たちに伝えたい
- 社員の研修に使いたい
- 将来は経営のアドバイスもできるようにしたい
などとしています。
こうした考えに基づくと、著名な人物をよみがえらせる試みは、これから広がっていくかもしれません。
(政財界をはじめ、文学や美術など、さまざまな分野に)
プラス面とマイナス面は
では、これから普及するかもしれない、こうした〝デジタル不老不死〟技術について、プラス面とマイナス面を挙げるなら、次のようになるでしょうか。
プラス面 | マイナス面 |
亡くなった人と話せる | 公開されたくないプライバシーの問題が生じるかもしれない |
自分の考えをAIに残して、未来の人に伝えることができる | 本人の意思と違う使い方をされる可能性もゼロではない |
歴史上の偉人から直接学べる | 本物の人間と区別がつかなくなるかも |
フェイク動画なども広がる中、真贋を見分けるリテラシーがより必要になるのかもしれません。
まとめ:あなたは自分の分身を残しますか
AI松下氏の登場は、かつてSF小説やSFマンガで読んだ〝夢物語〟の世界が現実のものになりつつあることを実感させます。
あなたは、自分のデジタルアバター(分身)を後世に残したいですか?
私は「ウーン」と考え込んでいます。
(熟考だけして、答えを出せないうちにこの世とサヨナラするかもしれない‥‥)
その時、残った身内が「デジタルアバターでよみがえらせてみるか」と言い出さないとも限りません。
その時に備え、とりあえず自分の(不都合な?)データを断捨離しておこうか‥‥とも。