何にもない日に花を買うって楽しい。
数千円もする豪華な花束じゃなくて、花屋さんで目に留まった数百円の花を数本買うだけ。
格式ばったパーティーで偉い人に恭しく贈呈するアレンジメントではないので、
「なんか好き」と思った花を直感でぱっぱっと選んで薄い紙に包んでもらうだけ。
自宅から徒歩5分の場所にある花屋さんなので、水を浸したティッシュとアルミホイルを茎に巻いてもらうこともなし。
この花屋さんには、美容室の帰りに立ち寄るのが習慣になっています▽
花の名前に詳しい風流な女になりたくて、店員さんに名称を聞いて帰ってくるのだけれど、鶏の頭で帰宅すると忘れてしまう。グーグルのカメラで画像検索して、紫色の花はトルコ桔梗でした。水色のトゲトゲしたものはアザミ。アザミは昔、近所の野原に咲いていた覚えがあるけれど、こんなにスタイリッシュな花だとは思っていませんでいた。何だかパンクでかっこいい。
ふんわりと柔らかながらも華やかで、どこか貴族的な雰囲気があるトルコ桔梗と、直線的で尖ってクールな印象のアザミ。
合わせて飾ったら対照的で面白いかなと思って選んだ2種類です。
自宅に飾る花なので、ノーモアルール。
かさ増しのグリーンやかすみ草も入れません。
好きな色の、好きな花を、好きに選んで飾るって楽しい。
「この色とこの色を組み合わせちゃダメ」ということもないので、自分の感性で「綺麗だな」と思えたらそれでOK。
40歳の節目を迎え、エンジンをかけて「楽しそうなおばさん」を目指す私が「いい感じの40代」の条件の一つに挙げているのが「時々、花を飾る」という項目です▽
適当な雑貨店でストレス解消のように安価な装飾品を買ってゴミを増やすより、綺麗に咲いてきちんと枯れる花が好き。
何にもない日に花を買う、って愉快▽
「配色のルール」なんかも気にしないで、好きな色を好きなように自由に飾りたいのよ。自宅なんだもん。パーソナルカラー診断もほどほどにしとこうね、と世の中に蔓延る無闇矢鱈なルールに小石を投げ続ける私です▽
いつか必ず枯れる花。人間みたいだね。命の期限があるから、それまで全力で生と美を愛でていたいと思う。
何にもない日に花を買って、寒くて凍える冬の日々をできれば明るく愉快に豊かに過ごしたいですね。