「Hさんですか」
ジェッダのラウンジで、日本人男性が声をかけてきた。
大分県のKさん、72歳。
Hと私が所属する「東京海外旅行研究会」の元会員で、100万マイルチャレンジャー。
2人は何と20数年ぶりの再会だが、私もどこかでお会いしているかもしれない。
これまでのルートを語り合う。Kさんは残念ながらスカンジナビア航空を乗り損ねたが、10万マイル獲得で妥協して日本へ帰ろうと思っているとのこと。
何をやるにも年齢は関係ない、と思いながらも、これだけ自由に楽しまれているのはうらやましく、是非見習っていきたい。
(後日談:シンガポールで考えているうちに気が変わり、スカンジナビア航空に乗るためにヨーロッパへ戻ったとのこと。素晴らしい!)
ジェッダからシンガポールに着き、アジア編に突入。
ジャカルタ行きガルーダ便は2時間の遅延だが、もともとジャカルタでの乗継ぎは4時間なので、まだ余裕がある。
意外にも機内はガラガラで、Hと2人で4席ゲット。
3席と4席とは格段の違い。
今まで3席ゲッターHを冷ややかな目で見てきたが、頭を下げて弟子入りを決める。
結局、ジャカルタから厦門航空 厦門行きへの乗継時間は2時間。
このまま制限エリア内で乗り継げば時間もかからず、ビザも不要。
トランジットカウンターへは一番乗りで、早速手続きに入ると、係員の信じられない言葉。
「これ、明日のチケットですが?」
Hさん、やってくれましたね・・・
ここであらためて購入しようとも、満席とのこと。
彼の恐ろしいまでの情報処理能力だが、時にバグが生じる。
なぜか。あくまで私見だが、彼は旅に関するあまりにも豊富な知識と経験をもとに、ありとあらゆる可能性を追求・検証する。
例えば、通常の人はトラブルが起こってから対策を考えるのだが、彼はどのようなトラブルが起こるかをいくつも事前に想定したうえで、トラブルが起こった時点で対処方法を知っていないと気が済まない。
その膨大な情報の渦中で、時に単純な見落としが生じてしまうのだ。
また今回、日本での航空券の購入は、2人で全て同一便だし私とは処理スピードもまるで違うので、随時チャットで確認しながらも、全てHに任せきりだった。
彼も業務多忙のため、作業は深夜早朝にも及んでいたことは知っており、私の個人情報の入力含め2人分の購入は大変だったに決まっている。
私も今回はHと一蓮托生を決めているので、彼を責める気にならないのは当然のこと。
ここにとどまっていても仕方ないので、お布施として5000円のビザ代を支払い、制限エリア外へ。
厦門航空のジャカルタ→厦門は満席としても、厦門→台湾は空席がある。
よって希望を捨てずに同時間帯のジャカルタ→厦門の他社便を共同作業で調べるが、さすがに時間切れアウト。
HはGrabを呼び、彼の知る近辺の中級ホテルへ駆け込む。
到着するやいなや、またまたHの悲痛な声。
「明日(12/13)のケニア航空が7時間遅れだって」
もう、何が何だかわからない。
急いでシャワーを浴び、対策を求めてスマホをいじるも睡魔で頭が働かず、だんだんと意識が遠のいていく。
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