やや強気ウラニウム・エナジーすべて表示ウラニウム・エナジー(UEC)の将来性は有望?注目の米国エネルギー関連銘柄の今後の株価見通しを徹底分析!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、注目の米国エネルギー関連銘柄であるウラニウム・エナジー(UEC)の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社の株価パフォーマンスが振るわない中でも、ポートフォリオ全体の5%を超えない範囲で、引き続き同社株式のロングポジションを維持する価値があると考えます。
- 同社はヘッジのないポジションを持ち、負債を抱えておらず、大規模な許認可済みの生産能力を備えている点で、原子力エネルギーの将来を見据えた有望な選択肢であると見ています。
- 特に、AIを活用したデータセンター向けの需要拡大を背景に、同社は市場で独自のポジションを築いています。
- 時間をかけてバランスの取れたポートフォリオを維持すれば、原子力エネルギー市場の発展とともに、同社が大きなリターンをもたらす可能性があると考えています。
ウラニウム・エナジー(UEC)に関して
レーティング一覧のページでもご覧いただける通り、約2年半前にウラニウム・エナジー(UEC)を1株7ドルでポートフォリオに組み入れましたが、この2年半は非常に辛い期間でした。
この間、同社の株価は低迷し、ポートフォリオ全体のパフォーマンスに大きな足かせとなってしまいました。
(出所:YCharts / Seeking Alpha)
それでも、同社が低調なパフォーマンスであることを認めた上で、ポートフォリオ全体の5%を超えない範囲で同社株式の保持を継続し、強気の見通しを維持しています。
また、現時点では、私は同社を売却するつもりは全くなく、ポートフォリオ内の他のエネルギー関連銘柄であるセントラス・エナジー(LEU)やエノビックス(ENVX)も同様に売却する予定はありません。
原子力関連テーマは少しずつ注目を集め始めていますが、まだ目立った進展は見られません。
2025年にはこのテーマが大きく動き出すことを期待していますが、現時点では依然として「眠った資金」の状態が続いています。
ウラニウム・エナジー(UEC)とは?
ウランは原子力発電の中核となる燃料であり、現在利用可能なエネルギー源の中でも最も効率的で信頼性の高いものの一つです。
原子力エネルギーは、ほぼゼロの炭素排出で電力を生み出すため、クリーンエネルギーへの転換を進める中で重要な存在となっています。
また、風力や太陽光のように天候に依存することがなく、安定的で途切れることのない電力供給を実現できるため、エネルギー需要の高い用途にも対応可能です。
米国のデータセンターによる年間電力需要は、2028年までに倍増すると予測されています
(出所:ウラニウム・エナジーの2024年12月プレゼンテーション資料)
AIの発展に伴い、データセンターの需要が急激に拡大する中で、これらの施設のエネルギー需要も増大しています。
アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、オラクル(ORCL)、マイクロソフト(MSFT)といったハイパースケール企業(大規模なデータセンターやクラウドサービスを運営し、膨大なデータ処理やストレージ能力を持つ企業)は、事業を持続可能に運営するため、長期的に安定したエネルギー源の確保に取り組んでいます。
このような状況下で、原子力エネルギーは、大規模で安定した低コストの電力を供給し、炭素排出を伴わないという特長から、有力な選択肢として注目されています。
AIの負荷が指数関数的に増加する中で、原子力エネルギーの安定性と拡張性は、これらのテック企業にとって、将来のエネルギー供給の要となる可能性を秘めています。
ウラニウム・エナジー(UEC)のバリュエーション:予想粗利益の9倍
私がウラニウム・エナジー(UEC)を評価している理由の一つは、負債を一切抱えていないことです。
これにより、債権者からの制約を受けることなく、自由に事業を拡大できる余地が大きい点が魅力です。
しかし、その一方で、資金を調達するたびに株主の持ち株比率が希薄化するという課題があります。
そのたびに株価が25~30%の急落を見せることもあり、保有を続けるのは決して簡単ではありません。
一方で、以前から繰り返し強調しているように、私はストップロスを使用しないと決めています。
ストップロスを設定すると、利益を得るチャンスを逃してしまう可能性があるからです。
私がストップロスを使用しない理由に関しては下記のレポートにて詳しく解説しておりますので、インベストリンゴのプラットフォーム上より併せてご覧ください。
また、同社は現在約1億9000万ドルの現金を保有していますが、この額は十分とは言えません。
特に、現在の株価が過去最高値付近にあることを考えると、近い将来、増資を通じて資金調達することで、再び株主希薄化が行われる可能性は高いでしょう。
それでも、私が注目しているのは、同社が収益を生み出し始めるスピード感です。
その詳細については、以下をご覧ください。
(出所:ウラニウム・エナジーのSECへの提出資料)
とはいえ、この収益は、以前同社がスポット市場で購入したウランから得られたものであり、自社で採掘したものではありません。
同社は8月に生産を開始しましたが、現在もChristensen Ranchでの操業を拡大中であり、他の拠点はまだ稼働していません。
(出所:ウラニウム・エナジーの2024年12月プレゼンテーション資料)
こちらをご覧いただければ、同社のChristensen RanchがCamecoのNorth Butteの近くに位置していることがわかります。
私が同社を支持する理由は、同社がヘッジを行わない北米特化型の純粋なウラン採掘事業を展開している、最もクリーンな選択肢であることです。
これにより、事業は大きな運営レバレッジを発揮することが可能になります。
その具体例は以下をご覧ください。
・生産コストが11ドルで収益が10ドルの場合、1ドルの損失が発生します。
・収益が12ドルに増加すれば(20%の増加)、事業は利益を生み出すようになります。
・さらに、収益が13ドルに増加すると(30%の増加)、利益は2ドルとなり、収益のわずかな増加で利益が100%増加する計算になります。
負債がなく、ヘッジも行わない同社のような企業は、このような運営レバレッジの恩恵を受けやすく、高い安全余裕率を確保できます。
米国での生産が再開
成長中の生産パイプラインにおいて、価格リスクが完全に未ヘッジの状態となっています
(出所:ウラニウム・エナジーの2024年12月プレゼンテーション資料)
加えて、同社は買収を通じてすでにワイオミング州に10億ドル相当の資産を保有している点も見逃せません。
さらに、これはあくまで推定ですが、同社が保有するフルライセンスの生産能力であるウラン1210万ポンドを基にすると、ウラン価格が1ポンド100ドル、採掘コストが1ポンド65ドルの場合、年間の推定粗利益は約4億2300万ドルになる可能性があります。
つまり、ウラン価格が現在の77ドルから100ドルに上昇すれば、同社の株価は予想される粗利益の9倍で評価されることになります。
(出所:TRADING ECONOMICS)
ウラニウム・エナジー(UEC)を取り巻くリスク要因
ウラン投資のテーマは長年にわたり注目されています。しかし、「今回は違う、ウランの強気相場が始まる」と思われるたびに、どこからか追加供給が出てきて市場を冷やす状況が繰り返されています。
カメコ(CCJ)はすでに1ポンドあたり100ドルで契約を結んでいますが、スポット市場の価格は依然としてこれより明らかに低い水準です。
これは、スポット市場の価格が100ドル未満で推移しているものの、大規模な電力会社を満たすにはスポット市場の取引量が単純に不足していることを示している可能性があります。
ウラン市場全体での取引はあまり活発ではありません。
そのため、悪い日には株価が非常に変動しやすく、良い日にはほとんど動かないことも珍しくありません。
以上より、ウラニウム・エナジー(UEC)への投資はリスクに敏感な人には向きません。
しかし最終的には、金利の影響を大きく受けるテック株から投資を分散させる手段として、魅力的な選択肢であると私は考えています。
ウラニウム・エナジー(UEC)に対する結論
ウラニウム・エナジー(UEC)の保有には課題や価格変動といったリスクが伴いますが、北米に特化した純粋なウラン採掘企業としての長期的な可能性には大きな自信を持っています。
ヘッジを行わないポジション、大規模なライセンス許容量、そして持続可能なエネルギー源として原子力の需要が高まっている現状が、同社を市場で独自の存在にしています。
私にとって同社は、特にAI駆動のデータセンターのような高需要分野において、原子力が世界のエネルギー需要を支える中心的な役割を果たす未来への、計画的な投資です。
忍耐強く、バランスの取れたポートフォリオ運用を続けることで、この投資は原子力エネルギーの進展とともに、大きなリターンをもたらす可能性があると見ています。
本稿は以上となります。
また、同社への理解を一層深めるために、直近執筆した原子力エネルギーとウランの重要性に関するレポート、並びに、前回の決算直後に執筆した分析レポートも併せてご覧いただければと思います。
原子力エネルギーとウランの重要性
ウラニウム・エナジーの前回の決算分析
その他のウラニウム・エナジー(UEC)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ウラニウム・エナジーのページにてご覧いただければと思います。
加えて、今回の2024年第3四半期決算を受けて、新たにアサナ(ASAN)、ルーブリック(RBRK)、クレド・テクノロジー・グループ(CRDO)、セレンス(CRNC)、スノーフレーク(SNOW)、ビル・ホールディングス(BILL)、イノデータ(INOD)、アステラ・ラブズ(ALAB)、テラドック・ヘルス(TDOC)をポートフォリオに追加し、各銘柄に関して詳細な分析レポートも執筆しております。
また、私のポートフォリオの2025年12月月初時点での詳細は、下記のレポートにおいてに解説しておりますので、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上より、併せてご覧いただければと思います。
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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
オリベイラ氏のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、オリベイラ氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。
インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。