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ピタゴラス、コペルニクス、ニュートン、アインシュタイン、スタンリー・キューブリックらが現代の日本の女子高校生の生活を垣間見たかのような、あり得ないスペース・オデッセイ!唯一無二の狂気と憧憬、そして本年度の最高傑作!

サリー久保田
3776の作品を聴くといつも、未踏の領域に思いを馳せる想像力、そこへ踏み込む好奇心と勇気、たしかな技術と経験値、そして眼前に現れるまったく新しい景色に唖然としてしまいます。しかし私がもっとも心を動かされるのは、ある美しいときは永遠ではないとわかっていることと、それがなくなってしまう寂寥までを歌にしているところです。そこは宇宙の誕生から死までを描く長大な時間軸の作品になっても変わらないですよね。
南波一海さんの ☆ここがおススメ!☆

富士山の誕生と青春のピークを重ねた「The Birth of Mount Fuji」こと「17歳はパーフェクトエイジ」以降の流れ。ここで折り返し、万物の死=卒業に向かっていく流れは明るくも悲しくて胸がいっぱいになります。

南波一海(ライター)
何を言ってるかわからないかもですが、一応ご説明します。感想というよりは説明です。3776がアルバムを作るということはどういうことか。

3776のアルバムとは、出来た曲を程良い順番に並べた一般的な録音物とは無縁の存在です。ここには圧倒的に普通がない。ややこしいことでしか燃えない、制作へのモチベーションに値しないという芸術家としての矜持を一方的に感じ取っており、長年のファンのこちらとしましても柱にガンガン額を打ち付ける思いです。そうこなくっちゃあいけません。

3776がアルバムを作るということ、それはからくり箱を作るが如しです。仕掛けと謎を施し、緻密な設計図を用意して、己に課した法則性に従いパズルのピースとなる曲を制作し当てはめていく。本3rdアルバムの土台は私たちが今いる宇宙の誕生から死滅するまでの有機的時間軸。散りばめられたのは女子高生の高校生活3年間を描写した石田彰流アイドルギターポップ。例えばこの宇宙で酸素が誕生する瞬間を、「もしも酸素原子が女子高生だったら?」としてラブソングに意訳して、悠久の時の流れの中に配列したそれを一枚のCDの時間に換算して銀盤に照射しています……説明すればするほど何言ってるかわかんないかと思いますけど大丈夫でしょうか。

夜空に輝く星々を線で繋げて名付けて〇〇座とした5000年前のシュメール人を随分ロマンチストで暇な奴らだと常日頃思っていたのですが、きっと石田彰氏が3776でやっていることも夜空に輝く星座に名前をつけるような作業であり、さすれば5000年前のシュメール人が最初に名付けたとされる星々の名前や位置関係にも3776のアルバムのように微に入り細に入った仕掛けや狂気じみた細密な法則性があるのではと思えてきます。今後、宇宙を見上げて眺めるのが楽しくなる、そんな気がします。

何言ってるか全然わかんないですよね。
こうして書いている自分もよくわからないんです。
そういったすんなり理解できるものが一つもないと安心する。
そんな貴方に3776”The Birth and Death of the Universe through Mount Fuji”を。
全力で置いてけぼりにしてくれるはずです。

掟ポルシェ
聴いたことがない音楽に出会えた。もしかしたらコンセプチュアルなプログレなのかもしれない。違うのかもしれない。とにかく今まで聴いたことがないような世界観、宇宙観の音楽で、不思議で、壮大で、面白いです!

大槻ケンヂ
なんだこれは!嫉妬する!
一曲一曲はポップでオルタネイティブなアイドルソングでありながらアルバムとしては宇宙の始まりから終わりまでをカウントする壮大なオペラ。
カウントが繰り返されそれは長い時間の経過を表すがミニマルにも聞こえ、瞬間の点であるようにも感じる。
ビックバンの前、もしくは宇宙終焉後の時間の無い空間のような音楽。
思い出も宇宙の歴史も瞬間に同時に存在している。

おおくぼけい

◆プロフィール◆
アーバンギャルドに所属しつつ戸川純avecおおくぼけい、頭脳警察などのユニットに参加。 近年は劇伴音楽、XOXO EXTREMEやみいらみさとでの作詞作編曲など活動を広げている。

おおくぼけい:https://keiookubo.com
アーバンギャルド:https://urbangarde.net

 3776。もちろん名前は知っておりました。以前の作品も、いつもなぜかぼくに聴いてください、とフィジカル・リリースを手渡してくださるファンの方があらわれて、いつも「ちょっとだけ」聴いておりました。なぜか、いつも最後まで聴くことが出来ず。
 そして新作。掟ポルシェさんより音源が廻ってきましてから3週間、ようやく聴きました。とても素晴らしい。とても疲れた。でも素晴らしい。とにもかくにも、この作品の作・編曲、そしてプロデュースを担当していらっしゃる方はとてつもない情熱を作品に注ぎ込んでいる、ということだけは理解しました。なにかロマンティックな感情が芸術に向かうとき、時としてびっくりするような、バケモノみたいな、とても信じられないような作品が生まれてしまうことがあって、かつて自分もそれに近いようなレコードを作ったことがあったような気もしますが、もうこの年齢になってしまうとぜったいに出来ない。誰でもいつでも誰とでも簡単にフランケンシュタインを生むことが出来る、というわけではないみたいですね。
 とはいえこのアルバム、過剰なまでに記号や情報や信号が収められているようでいながら、いっぽうではひじょうに端正な、整理の行き届いた、うつくしくデザインされた作品だと思いました。もうひとつ、このアルバムで歌やナレーションを披露している女性?の明朗快活さにも感動しました。
 このとても素晴らしい、とても疲れる、でもやはり素晴らしいアルバム。トータル・タイムを見ると45分強、ぜひアナログのLPをリリースしてほしいです。すくなくともぼくは自分のレコード棚にこのアルバムを収めてしまいたい。ふたたびとおして聴くかどうかはともかくとして。傑作アルバムの完成、おめでとうございます。小西康陽

小西康陽
一見ぶっ飛んでいることをやっているかと思ったらとんでもない。
時が来たら子供に聞かせてあげたいと思うぐらいにすごくPOP。
アルバムを聞き終えるとなんだかすごく寂しくて、いつまでもこの世界にいたいと思ってもう一周。
寝る時に聞くとあっという間に夢の中に入ってしまう、すごく不思議な力を持ったアルバムでした。

岡田典之
ex.空想委員会
3776のアルバム、曲を初めて聴きました。
宇宙と富士山が好きなのはとても伝わってきた。

語りとメロディーで曲を繋ぎ、とにかく出てくる数字の数々…トリッキーなリズムアプローチと独特な調整感は曲を全く覚えられない(笑)だが、それが良い。

もし生演奏でライブをする事になったらミュージシャンはとてつもない労力を使う事になるでしょう。

ポップの皮を被った攻めの作品です。

BOH(ベーシスト)

富士山ご当地アイドル3776公式サイト