Pythonで実装されたPythonインタプリタ「PyPy 1.2」リリース、JITコンパイラ採用で高速化を達成
「PyPy」開発チームは3月12日、最新版となる「PyPy 1.2」を公開した。JIT(Just-In-Time)コンパイラを初めて搭載、パフォーマンス向上が最大の特徴となる。
PyPyはPythonで実装されたPythonインタプリタ。PyPy 1.2ではPython 2.5と互換性があり、またPythonの標準ライブラリモジュールのほとんどに対応する。また、信頼できないコードを安全に実行する「サンドボックス」機能や、スタックレスモードでの実行が可能な点なども特徴。
PyPy 1.2最大の特徴はJITコンパイラが搭載された点で、これによりCで実装されたPythonの標準実装よりも高速にPythonプログラムを動かせるという。また、さまざまな最適化機能も実装されており、大容量のメモリを使用するプログラムの場合メモリ使用量の削減も期待できるという。
なお、JITコンパイラは安定しており、クラッシュすることもないものの、対応プラットフォームがx86(32ビット)に限定されており、またコードのコンパイル時に非常に大量のメモリを使用することがあることから、まだプロダクトとしてはベータ版であるとしている。
PyPy開発チームは最新版リリースに合わせてWebサイトを一新したほか、性能情報を伝える「PyPy Speed Center」も公開した。
最新版はPyPyのWebサイトよりダウンロードできる。ライセンスはMIT License。
PyPy
http://pypy.org/
「PyPy 1.2」ダウンロード
http://pypy.org/download.html
PyPy Speed Center
http://speed.pypy.org/