「友人が最近、血筋をどんどん遡って家系図をつくっていく、という試みを始めたのですが、まず、戸籍を取るだけで150年は確実にわかるそうです」。
先日、SNSで話題となったこの投稿。投稿主みねるばさん(@minerva_owl1)の友人が「家系を遡るクエスト」と題して家系図づくりを始めたのですが、これが面白過ぎるのでXヘ投稿すると、9.8万ものいいねがつき、多くの人がこの結末を見守るほど注目されました。
「うちは戸籍で明治まで、お寺の檀家で平安初期まで遡りました。父方は平家、母方は藤原家までわかりました」
「友人のおうちには過去帳っていう物があって、代々当主が親族の名前と死亡日やら年齢が書かれてるのですが、確かにちゃんと江戸前半までは追えるらしいです」
「旦那が大学時代に自分の家系を調べてた時は、墓石が重要資料になるって言ってた。やっぱり残るのは石」
「おじいちゃんに聞く。これもご健在のうちにしなくてはできません。これをやっていなくて後悔しましたから」
意外と実際に自分のルーツを探した人は結構いる様子。
「うちは京都でお寺の過去帳から550年前までは先祖が辿れるのですが、応仁の乱で一度お寺が焼けてしまったのでそれ以上は辿れませんでした」
「うちは函館の大火で戸籍が消失してて、そこで追えなくなってしまいました…」
「うちは大伯父が辿ったら地震と空襲で戸籍と過去帳がどっちも焼失してしまっていて手詰まりだったとか」
火事や自然災害、戦争などで戸籍が消失し、途中で調べられなくなった人も。
「戸籍気になります!とりにいってみたくなりました」と、戸籍からたどる自分のルーツに興味津々となった方も多いようです。みねるばさんの友人の話は、どうなったのでしょうか?!
ざくっと時系列に羅列すると……
戸籍を調べて150年の歴史を追う→おじいちゃんに話を聞く→「ある代の墓が**県の村にあるはず」→村へ行ってみると墓発見!→近くの村で手当たり次第聞き取り調査→「その墓の方は、実はかなり良い血筋の人で、祖先は確か西日本の~〜氏のと判明……」
そのルーツを追っていくさまが、まさにリアルドラクエ状態! 詳細をみねるばさんにお伺いしました。
聞き取り調査の旅で判明した家の歴史にワクワク
ーーご友人はなぜ家系図を作り始めたのでしょう?
「友人曰く『自分が何者なのかいろいろな角度から知りたくなった』そうです。ちなみに、『ドラゴンクエスト10』のヘビーユーザーということもあり、リアルライフでもクエストがしたかったようです」
ーーまさに工程はリアルドラクエでしたね。「戸籍で150年遡ることができる」というのはなぜですか?
「戸籍の保存期間が150年と定められているためです」
ーー今回のルーツ追跡で大変だったことは?
「友人曰く『運が良かった部分はあると思う。困ったこととしては、昔の戸籍の文字の読みづらさ。活字ではなく、くずし字で書かれているのを読むのは大変だったようです。去年くらいから住んでいる自治体の窓口で、別の自治体の戸籍申請も取得できるようになった(以前は郵送で直接自治体と行う)けれど、出力されるデータの画質が粗いことも困った点だそうです」
ーー2024年12月29日の投稿で、「次回のクエストは、地区の公文書センターへ」となっていますが、もう行かれたのでしょうか?
「公文書センターは行ったそうです。『郷土史の資料集を買ったのだが、途方もない情報量を前に停滞中。あと、対象地域が雪国なので物理的に現地に行けない』と言っていました」
ーー春の再開が待ち遠しいですね。友人はどこをゴールにしてらっしゃるんでしょう? みねるばさんも家系図作りをやってみたくなりましたか?
「『自分が何者なのかを知るのがゴールだから、ゴールはないかも。今は聞き込みとか文献とか人文的なアプローチだけど、科学的なアプローチもしてみたい。自分が複製できるくらいまで多角的な情報が集まったら面白いね』と話していました。ちなみに私は友人がやっているのを見るのが楽しいので、見ていることで満足して、自分の家系図作りはしないと思います」
そろそろ明治時代の戸籍が破棄される!?
戸籍の保存期間が、戸籍法第28条(※1)により「除籍又は改製原戸籍は、これを除籍した日又は改製した日から150年間これを保存しなければならない。」と定められているため、2025年現在ざくっと計算すると、1875年まで遡れると予想できます。すなわち、明治8年! そろそろ明治時代の戸籍が破棄される時期に入ってきたということですね。自分のルーツを調べたければ、1日でも早くスタートするのがよさそうですね。
※1出典:法務省公式サイト(https://www.moj.go.jp)
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