サッカーJ1初昇格のファジアーノ岡山。15日にホームで開幕戦を迎え、京都サンガF.C.を2−0で破って歴史的な1勝を挙げた。そんな中SNSを中心に、この試合でアウェイサポーターに「きびだんご」がプレゼントされたことが話題になっている。
配布したのは岡山県スポーツ振興課。京都サポーターがスタジアムに入場する際、先着500人にきびだんごを配ることをあらかじめ発表していた。
この発表をX上のサッカーファンが試合前に紹介し、投稿の閲覧数が100万回を超えるなど話題に。昔話の『桃太郎』になぞらえて「強制的に家来にされる…」「食べたら仲間にならないと笑」「きびだんごで買収」「岡山による高度な作戦」と、面白がるサッカーファンが相次いだ。
同課にこの件について取材したところ、プレゼントにきびだんごを選んだのは純粋なおもてなしの心から、とのこと。旅のお供に岡山名物を楽しんでほしい、という思いとともに、岡山県の県鳥でファジアーノのクラブ名の由来でもある「キジ」にもちなんでいるという。
担当者は「スタジアム内ではバッチバチの試合が行われるわけですが、外では、遠方から来られたビジターサポーターへのおもてなしや本県のPRをしてもよいのでは、との考えで実施しました」と話す。SNSでの反響については「正直予想していなかったです」と苦笑しつつ「あくまで最初の試合での記念のおもてなしと捉えていただけたら」と話した。
京都サポーターの反応は上々
試合当日には、入場ゲートで県職員が先着500人の京都サポーターに1箱ずつきびだんごを手渡した。みな嬉しそうに受け取り、職員に「帰りに駅でもっと買います」「これからも配って」と声をかけてきた人もいたそうだ。
J2所属期間が長かったファジアーノ岡山は、中国・四国地方にホームタウンを置く8クラブ・各自治体の連携事業「PRIDE OF 中四国」に参画してきた。その一環で岡山県がアウェイサポーターに県産品をプレゼントするといった取り組みがあり、それが好評だったことから、J1最初の試合でも企画するに至ったという。この日の試合ではきびだんご配布以外にも、県産品が当たる抽選会や観光ブース、県マスコットによるお出迎えなどでアウェイサポーターをもてなした。
同課担当者は「岡山は初めてのJ1昇格ですので、今まで対戦していなかったクラブと対戦する機会もある。そういったクラブのサポーターの方が初めて岡山にいらっしゃることもあると思うので、岡山の良いところをご案内できたらと思っています」とした。