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34年五輪招致、絶望的に 38年も見据える札幌市 市民の意思は?

札幌市中央区役所の仮庁舎横に張られている札幌冬季五輪の招致ポスター=札幌市中央区で2023年10月6日午後4時21分、貝塚太一撮影
札幌市中央区役所の仮庁舎横に張られている札幌冬季五輪の招致ポスター=札幌市中央区で2023年10月6日午後4時21分、貝塚太一撮影

 2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致を断念した札幌市。東京大会の汚職・談合事件を受け、市民の支持が広がらない中、国際オリンピック委員会(IOC)が30年と34年大会の開催地を同時決定することを決め、34年大会の招致もほぼ絶望的な状況になった。これらの決定の間、市民の多くは置き去りにされ、五輪招致の是非について個々の意見を表明する機会はないままとなっている。いま札幌市がすべきことは何なのか。

 「将来の大会開催に向け、大会概要案の内容を改めて精査しながら、市民理解の促進や機運醸成活動に取り組むとともに、招致を具体的に進めるにあたり、しかるべき時期に民意の確認を行っていく」

 11日に東京都内で行われた記者会見の冒頭、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長に続いて発言した札幌市の秋元克広市長は、市民の意向確認を行う考えを改めて示した。

 札幌市では現在、市民団体「札幌オリパラ招致の是非は市民が決める・住民投票を求める会」が招致の是非を問う住民投票条例の制定を求め、地方自治法に基づく署名活動を行っている。この点を問われた秋元市長は「住民投票も含めた市民の意向確認を踏まえて、次のステップにいくときには確認する。住民投票も一つの大きな手段」などと述べた。

 ただ、秋元市長はこれまでの記者会見や公開討論会でも同様に住民投票に理解を示す見解を述べる一方、実際に行うか否かは明言しておらず、お茶を濁した物言いに終始していた。東京大会の汚職・談合事件が発覚して以降、市民の民意は確認されることもなく、札幌市の五輪招致は幕引きされる可能性すら出ている。

IOCに「市民の支持がない」と判断される

 仮に38年以降の大会招致を続けるならば、「住民投票を求める会」の顧問を務める北海道大名誉教授の神原勝氏(自治体学)は3点を挙げ、住民投票の実施を求める。

 一つ目の理由について、神原氏は…

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