労働組合主義をたたき込まれ 高木剛(たかぎ・つよし)さん=9月2日死去・80歳
「目線を低く」「そんな能書きで人の心を動かせるか」。東大法学部卒業後、旭化成工業に入ったが、労組支部で出会った山田精吾さん(故人、初代連合事務局長)に叱られて、目が覚めた。労組の力を強め、会社と対峙(たいじ)してこそ働く人々の労働条件を守れる。労働組合主義をたたき込まれた。高木さんの原点となった。
ゼンセン同盟(現UAゼンセン)会長を経て、2005年から09年まで4年間務めた連合会長の間に非正規のセンターを作り、相談や組織化にあたらせた。オフィスで働く人々を対象にした労働時間規制を緩和する「ホワイトカラーエグゼンプション」の法制化には三役会議の議決を経ずに長時間労働を招くとして反対を表明した。過労死の家族と面談、その訴えに動かされたのだ。リーマン・ショックで派遣切りされた生活困窮者が日比谷…
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