国民民主党の税制調査会は16日、国会内で関連会合を開き、所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の見直しについて議論した。古川元久税調会長は、13日の自民、公明両党との税調幹部会合で、与党側から20万円引き上げて123万円とする案を示されたことについて「誰も了とする人はいなかった」と述べた。17日にも開かれる3党税調会合については「こういう状況が続くようであれば、協議の打ち切りも含めて考えなければいけない」と与党側をけん制した。
現行の年収103万円の水準は、最低限の生活費に課税しない基礎控除(48万円)と会社員らの経費を差し引く給与所得控除(55万円)の合計。与党案は1995年以降の生活に身近な物価の上昇率(20%)に基づき、それぞれ10万円ずつ引き上げるとした。
給与所得控除は個人事業主らが対象外になるが、古川氏は「否定されるわけではない」と理解を示しつつ、「今後どうなるかは協議次第。今の数字ではお話にならない」と主張した。
これに対し、自民の森山裕幹事長は16日の記者会見で「178万円に一気に上げることができれば一番良いが、財源の問題や地方にどういう影響があるのかなども考慮しなければならない。一気にというのは無理があることは、国民(民主)も理解をいただいているのではないか」と反論した。
国民民主は所得税の非課税枠を103万円から178万円に引き上げるよう求め、11日には3党幹事長で「178万円を目指して、来年から引き上げる」ことで合意している。【安部志帆子、川口峻】