「タイパ」時代 生の芸術体感
演劇に親しむ若い世代の裾野を広げようと、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)は、シェークスピアの喜劇「夏の夜の夢」に県内の高校生と学校関係者ら計約4000人を無料で招待した。役者たちのせりふや音楽などがダイレクトに伝わってくる舞台の世界に生徒たちは入り込んだ。
16日の開幕前、いきなり“主役”が登場した。舞台あいさつのために急きょ駆け付けた俳優の吉田鋼太郎さん(65)。同劇場でのシェークスピア・シリーズの芸術監督を務めており「夏の夜の夢」でも演出・上演台本を担当した。
「喜劇ですから客席がシーンとしていると役者は困ります。ガヤガヤしても笑ってもいい。そうしてもらったほうが役者たちの気分は乗ってきて、客席との相乗効果で舞台はもっと面白くなっていきます」。そう話すと、この日劇場に招かれた大宮高校などの生徒たちから歓声と大きな拍手を送られた。
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