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海岸の岩をダイナマイトでくりぬいて造ったという「海軍棒プール」。旧日本軍が立てた標柱が近くにあることから「海軍棒」と呼ばれています。ダイナミックに波をかぶり、たくさんの魚が泳ぐワイルドなプールです。島にはもう一つ、同じような「塩屋プール」があります=筆者撮影
海岸の岩をダイナマイトでくりぬいて造ったという「海軍棒プール」。旧日本軍が立てた標柱が近くにあることから「海軍棒」と呼ばれています。ダイナミックに波をかぶり、たくさんの魚が泳ぐワイルドなプールです。島にはもう一つ、同じような「塩屋プール」があります=筆者撮影

 今回は、子どもの救急医療についてです。

 南大東島には沖縄の離島には珍しくたくさんの子どもがいます。島には高校がなく、中学校を卒業すると進学のため沖縄本島に出ていかなくてはならないため、15歳以下の子どもしか島にはいません。しかしそれでも200人弱の子どもが生活しており、島の人口の約15%を占めています。

 読者の方々もよく経験されることかと思いますが、子どもはいわゆる風邪をよくひきます。風邪といっても少し鼻水が出るだけのものから、熱が出て食事が取れなくなるものまでさまざまです。離島も例外なく、季節の変わる前や寒くなると診療所が子どもで混みあいます。ほとんどが症状の軽い子どもで、数日間の静養で良くなる場合が多いのですが、問題になるのは、時間外の受診も増加することです。

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沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

おおた・りゅういち 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。