知的障害や発達障害などがある子どもが、親がいなくなった後も安心して暮らせるようにするにはどうしたらいいのか――。そんな不安や悩みを抱える親たちによる「『親なきあと』相談室」が全国に広がっている。お金の管理なら成年後見制度や信託、見守りなら社会福祉協議会、ケアならヘルパーなど、個別の問題に対処する「解決型の支援」は制度としてあるが、窓口が細分化されて相談しにくい。まとめて相談に応じる場を目指す。ただ、制度はあっても親の代わりに子どもに寄り添い、制度と制度の隙間(すきま)を埋めるいわば「伴走者」の役割を誰が担うのかが悩ましいという。社会的支援のあり方、地域の「共助」のあるべき姿を考えさせられる。
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ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員
ほしの・さとし 1962年生まれ。元朝日新聞記者。30年ほど前、墓や葬儀の変化に関心を持って以降、終活関連全般、特にライフエンディングについて取材、研究を続けている。2016年に独立。立教大学大学院、東京墨田看護専門学校で教えるほか、各地で講演活動も続ける。「つながり」について考えるウエブサイト「集活ラボ」の企画・運営も手がける。著書に「寺、再起動:ゾンビ寺からの脱出!」(法蔵館)、「人生を輝かせるお金の使い方 遺贈寄付という選択」(日本法令)、「『定年後』はお寺が居場所」(同、集英社新書)「終活難民-あなたは誰に送ってもらえますか」(2014年、平凡社新書)ほか。
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