特集
真相・ニュースの現場から
さまざまな事件や出来事の裏に隠された秘話、ヒューマンストーリーに迫ります。
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史上最悪の獣害「三毛別羆事件」 7人が殺された“悲劇の地”の今
2024/11/27 05:30 2770文字約110年前、北海道の農村で、国内獣害史上最悪と呼ばれる惨劇が起きた。7人がヒグマに殺害された「三毛別羆(さんけべつひぐま)事件」だ。事件後、地元ではある親子がクマ撃ちの名手となり、駆除を続けた。親子が愛用した猟用刀は、2人が亡くなった今も地元に残っているという。誰が受け継いだのか――。観光名所に
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最高のお姉ちゃん「かえちゃん」を奪われた家族の20年 小1女児殺害
2024/11/17 05:00 3044文字幼少時に犯罪で姉を失った妹は、周囲を悲しませないために姉のように振る舞おうと苦悩してきた。その妹に被害者家族の苦しさを背負わせたくないと、父親は接し方に悩んできた。家族には「『かえちゃん』っていう最高のお姉ちゃんがいた」。その存在が事件で奪われて20年。2人は今なお、当時の記憶に苦しめられている。
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あと少しで容疑者に…震えた右手 女児殺害事件、警察官が学んだこと
2024/11/16 16:30 1449文字携帯電話を持つ右手は震えていた。容疑者にたどり着けるかもしれない。怒りなのか、えたいの知れない相手への怖さなのか。ある警察官は20年前、女児の命が奪われた捜査のまっただ中にいた。警察としての最大の使命に向け、あの時に学んだことを大切にしている。 奈良県警の大玉知子さん(56)は捜査1課で特殊犯係の
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学校で性被害 小2女児、信じてもらえなかった「下半身触られた」
2024/11/16 11:45 3161文字幼い子どもが学校で性被害に遭ったと保護者に打ち明けた。でもその内容を学校や教育委員会に全て真実だと信じてもらえなかったら――。 神奈川県茅ケ崎市内の小学校で実際にあった出来事が、児童らの証言が食い違っていることから一向に解決しない。被害を訴えた2年生の女児は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断
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カリホウメン
留学で来日のスリランカ男性には永住権 入り口の違いで大きな差
2024/11/13 11:01 2088文字スリランカ人男性のルビさん(50)=仮名=が来日後に長い時間を過ごした栃木県足利市でゆかりの場所を訪ねると、ルビさんの大変な姿がおぼろげながら見えた。 以前住んでいたアパート近くのJR両毛線「山前駅」は地方都市の住宅地にある。ルビさんは、この駅に降り立ち、どんな気持ちだったのかと想像した。 駅から
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カリホウメン
月1回の仮放免延長申請 「強制退去の可能性」入管からの警告文
2024/11/13 11:00 2024文字仮放免延長申請の日の朝は早い。 午前6時半ごろ、スリランカ人男性のルビさん(50)=仮名=は寝起きする神奈川県鎌倉市の「アルペなんみんセンター」を出た。朝ご飯は食べずコーヒーだけを飲んだ。「この日の朝は食欲がわかない」 通勤ラッシュで混み合う横須賀線に乗り込みJR品川駅まで出た。 駅の通路には、職
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追跡 公安捜査
大川原化工機事件 警察庁幹部「やるな」 消えた警視庁の検証アンケ
2024/11/13 05:00スクープ図解あり 1893文字化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、警視庁公安部外事1課が起訴取り消し後の2021年8月、捜査の問題点を検証するアンケートを捜査員に実施していたことが判明した。だが、アンケートの存在を知った警察庁幹部に外事1課長(当時、以下同じ)が叱責され
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カリホウメン
バスで移動中に襲撃され重傷 スリランカ脱出を決意し日本へ
2024/11/12 11:01 2023文字2002年10月19日、名古屋空港の外に出ると風が冷たかった。気象庁の記録では、名古屋市は同日昼から夜にかけ雨が降ったりやんだりだった。 荷物はかばんひとつだけ。中には着替えと、資料などを詰め込んだ。ブローカーを通じ、70万円で得た3カ月の商用ビザで入国した。 「まずは働きながら考えよう」。スリラ
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カリホウメン
難民申請に150万円必要と言われオーバーステイ 無情の仮放免
2024/11/12 11:00 2132文字「カリホウメン」 難民申請中の外国人の家族に取材すると必ず耳にする言葉だ。 仮放免は日本から強制退去の命令を受けた難民申請者らが一時的に収容が解かれる制度。出入国在留管理庁によると、2023年末で2929人が仮放免として扱われている。 県境をまたいでの移動はできない。国民健康保険にも加入できない。
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「選挙イヤなの…」と涙した一人娘 激戦制したママ候補の時短戦略
2024/10/28 15:30 2388文字「お疲れ様でした!」 3候補が接戦を繰り広げた衆院選東京15区。投開票日が目前に迫っているにもかかわらず、立憲民主党の酒井菜摘氏(38)は他の候補より1時間早く街頭演説を切り上げ、自分の乗らない選挙カーを見送った。自宅で待つ小学1年の長女(7)と過ごす時間を大切にするためだ。 ◇長女の涙のわけ い
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「助けてください」行方不明説も流れた丸川珠代氏 遅すぎた謝罪
2024/10/27 20:00 3246文字衆院選東京7区から立候補していた自民新人の丸川珠代氏(53)は議席獲得が絶望的となった。元民放アナウンサーとして抜群の知名度を誇り、五輪担当相などを歴任し常に日の当たる道を歩いてきた。彼女はなぜ敗れたのか。 自民党派閥による裏金事件の発覚から11カ月、第一声は謝罪から始まった。 「多くの皆様に不信
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SNSで中傷受けたら?法的手続き簡略化で、申立件数が倍増
2024/10/18 09:00 991文字インターネット上の中傷投稿などについて、発信元の特定を求める手続きが簡略化され、裁判所への申立件数が急増している。最高裁のまとめでは、2024年上半期で前年同期の2倍近くになっていることが明らかになった。 ※あわせて読みたい関連記事あります。SNSの悪質「なりすまし」投稿 被害女性の法的手段で見え
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SNSの悪質「なりすまし」投稿 被害女性の法的手段で見えた相手は
2024/10/18 09:00 1461文字SNS(ネット交流サービス)のアカウントは自分の名前になっていた。繰り返される投稿内容はあまりにも不快だ。卑わいな言葉に性的な画像。もちろん、全く身に覚えがない。誰が私になりすましたのか――。 「見ず知らずの人が投稿を見て、私のものだと思ったら気持ちが悪い。これが世界中に公開されていると思うと怖か
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職場に届いた商品券 SNS型の投資詐欺にだまされてみたら…
2024/10/9 07:00 3412文字職場に1通のレターパックが届いた。依頼主は記載されていない。中身は届くとは思っていなかった「先生」の本。めくると5000円分の商品券がパラパラと落ちてきた。「先生」を追ってきたはずの自分が逆に付け入る隙(すき)を探られている?――。私(記者)はこの2週間前から「先生」の投資グループに参加していた。
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「息子の命奪ったあなたへ」 1157字の返信 新制度で動いた時間
2024/10/4 12:00 2309文字理不尽に息子の命を奪った相手に何を伝えるべきか――。両親は14年間、罪と向き合わない加害者の姿勢に苦しんだ。「息子のこと、私たち家族のことをどう思っているんや」。新設された国の制度を利用し、男性受刑者に思いを伝えた。3週間後に刑務所から届いたのは、1157文字の「伝言」だった。 2024年7月、釜
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ミネラルウオーターの町から消えた川 相次ぐ水枯れの原因は?
2024/9/8 05:30 1769文字ミネラルウオーターが生産されるほど良質な水に恵まれる北海道のある地域で、一本の川の水が枯れた。川から水を引いていた畜産農家は十分な水を確保できず、飼育する牛を減らさざるを得なくなるなど影響が出ているが、同様の異変は近隣自治体でも報告されている。何が起きているのか。 8月20日、記者は北海道南部の黒
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上智大生殺害28年 今も背中押すあの笑顔 大学先輩「忘れない」
2024/9/7 06:00 1880文字岐路に立つと、彼女の笑顔を思い出す。会うことはできなくても、優しい瞳が今も背中を押してくれる。 出会いは、冨樫信一郎さん(51)が上智大の英語学科2年生だった1993年10月。翌年の新入生の面倒を見る「ヘルパー」に選ばれた。 ◇半月形の優しい瞳 20人ほどの在学生が教室に集められた最初のミーティン
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三菱重工爆破事件から50年 2容疑者が逃亡中、父失った息子は…
2024/8/29 06:00 1630文字50年前、中学生最後の夏休みが終わろうとしている暑い日だった。自宅のテレビは、東京・丸の内の三菱重工業本社ビル前で爆弾が爆発し、多数の死傷者が出ているのを伝えていた。父の勤務先で大変なことが起きたと感じたが、まさか巻き込まれているとは思わなかった。 <関連記事> 連続企業爆破事件の受刑者からの手紙
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「死ぬときはありのままで」 御巣鷹にたたずむ在日朝鮮人家族の銘標
2024/8/12 05:00動画あり 3182文字1985年8月12日に起き、単独機では史上最悪の520人が犠牲になった日本航空123便の事故。墜落した「御巣鷹(おすたか)の尾根」(群馬県上野村)には、犠牲者が発見されたそれぞれの場所近くに木などを立てて名前を記した「銘標」がある。 「本名で立ててくれたんや」。事故から3年ほどして初めて現場の山に
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元組員のマナブが430万円で買った家、「俺ん家」と名付ける意味
2024/8/8 05:30 2461文字2月、東京・渋谷の居酒屋で「セカンドチャンス!」の集まりがあり、全国から来た30人近くが近況を語り合った。 その中に、初めて参加する20歳の男性がいた。 「先月まで少年院にいました。そのとき、マナブさんの話を聞いて今日、来させてもらいました」 まだどこかあどけなさの残る彼の門出を、みんなが大きな拍
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