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電気力線の定義・性質・書き方の例

電場(電界)のある空間で正電荷が受ける力の軌跡を電気力線といいます。単位面積あたりの電気力線の本数は電場の強さを表します。

電気力線とは

電気力線とは,正電荷を置いたときに受ける力の軌跡を表したもので,単位面積あたりの電気力線の本数は電場の強さを表します。

また,電荷から出る電気力線の本数は次のように定義しておきます。

電気力線の本数

電荷量 QQ の電荷から生じる電気力線の本数 NN は,N=4πkQN=4\pi kQ [本] である。kk は Coulomb 定数である。

ちなみに,電気力線はマクスウェル方程式におけるガウスの法則と深く関連しています。→マクスウェル方程式

電気力線の性質

電気力線にはいくつか性質があります。

  1. 電荷の存在しないところで電気力線が途切れることはない
  2. 電荷の存在しないところで電気力線が交わることはない
  3. 電気力線は正の電荷から出て負の電荷へと入る

順を追って説明します。

電荷の存在しないところで電気力線が途切れることはありませんQ=0[C]Q=0\,[\mathrm{C}] の点から生じる電気力線の本数は N=4πkQ=0N=4\pi kQ=0 となるので当然です。

電荷の存在しないところで電気力線が交わることはありません。電気力線は正電荷が受ける力の軌跡を表していたので,もし仮に電気力線が交わっている点が存在すれば,その点での電荷が受ける力が一つに定まっていないことになります。電荷の存在しないところではそのようなことはありませんから,電気力線が交わることはありません。一方で,電荷が存在するところで電気力線が交わることはあります(後の例で解説します)。

電気力線は正の電荷から出て負の電荷へと入ります。正の電荷の近くに正電荷をおいて力の向きに沿って正電荷を動かしていくと,正電荷は負の電荷に引きつけられていくはずです。

電気力線の書き方は,上の項目を守って書く必要があります。

電気力線の例と書き方

点電荷から出る電気力線

電荷量 q>0q>0 をもつ点電荷から伸びる電気力線を考えてみましょう。電気力線の本数は N=4πkqN=4\pi kq 本です。電気力線は電荷を置いた際に受ける力を辿れば良いので,この場合の電気力線は点電荷 qq から等方的に伸びるように書けば良いです。

さて,単位面積あたりの電気力線の本数が電場の強さだったことを思い出してみてください。疎密具合が電場の強さを表すので,電荷の近くでは電場がとても大きく,電荷から遠いところでは電気力線が疎になって電場が弱くなっていることがわかります。 点電荷から出る電気力線

2つの正の点電荷から出る電気力線

次に,2つの正の点電荷 qq から出る電気力線を考えてみましょう。電気力線は2つの正電荷から伸びて,交わらないように書きます。本数はそれぞれの点電荷から N=4πkqN=4\pi kq 本だけ伸びますから,合計で 8πkq8\pi kq 本です。

2つの正の点電荷から出る電気力線

電気力線を考えれば電場のイメージが湧きやすいです。