「日本発サービスのグローバルでの戦い方UX & Service Sketch #25」に参加しました
2017/02/24に開催された「日本発サービスのグローバルでの戦い方UX & Service Sketch #25」というイベントに参加した。
トレタ、Repro、Airレジの3プロダクトが、どのような戦略/戦術で海外展開を試みたのか。各プロダクトの事例についてそれぞれのキーマンがプレゼンするイベントだった。
自分が参加したきっかけは「職場から近かったから」が半分くらい。残りは「国内だけじゃなく世界をターゲットにしているプロダクトに、今後仕事として関わってみたかった」というところ。
それぞれのプレゼンを聞いた上で、気づいたことや学んだこと、疑問に思ったことをメモしてみる。
食文化と課題解決
Toreta, Inc. 取締役COOの吉田健吾さんによるプレゼン。
国内で既に検証済みの「Problem/Solution Fit」が海外でも同様に通用するかどうか、本格的に展開する前に現地の店舗に行って検証した、とのことだった。
当たり前だけど、ありもしない課題を解決するために作られたプロダクトはムダでしかない。現地で発生している負を、実際に自分の目で確認することは、海外(≒ ユーザについてまだあまりわかってない世界)に進出する前にまずやるべきことのひとつだということを再確認できた。
一点、疑問に思ったのが、海外版アプリを国内最新版の2週間遅れでリリースしているということ。
ローカライゼーションの問題でそうせざるを得ないのか、それとも何か戦略的な理由で敢えてそうしているのか。少し気になったけど、質問することができなかった。
B2Bのマーケティングは海外の方が易し?
Repro Inc. CEOの平田祐介さんのプレゼン。
自分にとって一番気付きになったのは、グローバル展開するのなら最初からグローバルを意識しておくべき、という主張。
ビジネス戦略的なことだけではなく、システム面についてもグローバルを最初から意識しているかどうかで、アウトプット物が全然変わってくる。
サーバの物理的な場所、多言語化、タイムゾーンの扱いなど、最初からある程度考慮しておいたほうが、国内から海外への展開がスムーズに行く場合がある。
もちろん、MVPの段階で作り込みすぎる必要はないと思う。ただ、海外展開時に必要になりそうな箇所の柔軟性・拡張性は担保した上で、システムの初期設計・構築をやっとくことはすごく大事なポイントだと思った。
あとから考えるとなると結構面倒くさいところだしね。
Airレジ海外版を日本で開発するためのデザインプロセス
リクルートライフスタイル プロダクトマネージャー/UXデザイナーの 磯谷拓也 さんによるプレゼン。
個人的に共感できたのは「何が正解かわからない課題に取り組むときは、複眼的な視点が重要」といった旨の発言。
チームが取り組んでいる課題について、メンバー全員が本質を理解し、それぞれが自律的に考え行動することが大事。その状態を実現するために取り組まれている工夫についていくつか共有されていた。
最近よく思うのは、「チームメンバー全員に課題についての共通認識が生まれているかどうか」が、チームで何するにしても非常に重要だということ。その前提がない状態で、どんな工夫や斬新な取り組みをしたとしても、結局個人の頑張りで到達できる場所にしか行くことはできないと思う。
個人がスーパーマン、あるいは課題領域が個人が見れる範囲の大きさであれば、それでも問題じゃないのかもしれない。ただ、そうじゃないからチームを組んでいるはず。
チームの前提・共通認識の部分を大事にされている方のプレゼンを聞くことができて参考になったし、共感というか、勇気みたいなものが湧いた感じがした。
パネルディスカッション
なんだか疲れており、休憩もなかったのでこの辺りで個人的にガス欠。(登壇者の中すみません)
薄れていく集中力の中で記憶に残ったのは「日本と中国でMVPの定義が違うという」ということ。
日本のスピード感で仕事をしていると、その中国ではその3倍くらいのスピードを求められるという話で、そのエピソードとしてMVPの話が出てきた。
例えば管理画面のMVPを考えたときに、日本のはある程度しっかりしたものをリリースするけど、中国では本当に情報を登録できる「だけ」のものをリリースする、というイメージらしい。
そのシンプルさで目的が達せられるなら、シンプルな方が短期間でリリースできていいよなぁとおもいつつ、自分のエンジニアとしての仕事を振り返り、「今作っているものは本当にMVPですか?作り込みすぎていませんか?」ということは常に疑ってかかるべきだな、と少し反省した。
おわりに
懇親会はピザだったけど、食べずに帰ってしまいました。すみませんでした。