原作を読んで号泣しました（下地）

──原作「SHY」を読んだ際の印象はいかがでしたか？

下地紫野　オーディション時にアニメ化されるところまでを読んだんですけど、とにかく号泣しました。

東山奈央　（頷きながら）あー……。

下地　シャイの姿を見て、私も自分の弱さを受け入れながら、誰かの助けになれるような人になれたらいいなと感じ、絶対に彼女を演じたいと思いました。人はみんな何かしら隠して抱えているものがあるんでしょうけど、それも肯定していいんだと前向きになれました。

東山　本当にそう。シャイだけでなく、この作品のキャラクターはみんな応援したくなるようなバックボーンを持っていて、どのエピソードも思わず涙が出そうになる。自分が弱っているときに支えてくれて、でもコミカルなところもあって、この作品自体がヒーローのような存在だと思いました。

下地　奈央さんがおっしゃったようにキャラクターがそれぞれにバックボーンを持っているので、いろんな人が共感しやすい作品ですよね。

東山　あと原作は絵もすごい！ マンガだけど、もうアニメみたいにキャラクターのアクションや表情がイキイキとしているんです。そんな作品がアニメになり、PVを拝見すると絵はきれいだし、ヒーローものらしくアクションも丁寧に描かれていて。スタッフの皆さんがこの作品にかける熱が伝わってきて興奮しました。

──アニメでおふたりが演じるキャラクターについ教えてください。

下地　シャイは、そのまんま“シャイ”な女の子のヒーローです（笑）。正体は中学2年生の普通の女の子・紅葉山テルなんですけど、すごく人見知りだし、ネガティブになることも多い。でも逆に彼女はどんな人でもその人のいいところを見つけられる才能を持っている子で、それは相対する敵に対してもそうなんです。そういった優しさはお芝居に乗せられたらいいなと思いながら演じました。

東山　惟子は明るく天真爛漫な、テルちゃんのクラスメイトです。テルちゃんがヒーローとして活動していることを唯一知っている一般人ですが、彼女自身も思いやりに満ちた女の子です。そんな彼女の核心となる部分は、放送前の段階では触れづらいんですけど……序盤で惟子をクローズアップしてくれる回があるので、そこで彼女が明るさで包み隠している本当の思いを感じていただけたら嬉しいです。でもテルちゃんと惟子は特殊な出会い方をしたけど、どんな出会い方でもこの2人はすごく仲良くなっただろうなあって。

下地　お互いにリスペクトし合っているのが伝わってきますもんね。

東山　お互いの優しさが通い合っていて、2人を見ていると「温かいな」と感じる瞬間が多々あります。

下地　わかります。シャイにとって惟子ちゃんってヒーローみたいな存在なんだと思います。惟子ちゃんは変身はしないけれど、いつでも自然に人助けができるんです。そういったところで、お互いに刺激し合っていると思います。

東山　惟子は本当にいい子なんだよね。ちなみに名前に入っている「惟」って難しい漢字だけど、ぶきみ先生にその理由を聞いたら「相手を思いやる子だから」と感情や思考に関する漢字に使われる“りっしんべん”にしたそうで。

下地　ぶきみ先生すごいですね！

東山　ねー！ “深いい話”だなと思いました。ただ「惟」という漢字はなかなか変換などで出てこなくて……（笑）。でも、お母さんが付けてくれた、素敵な名前なんだなあと思います。

まさにシャイのように応援したくなる座長でした（東山）

──下地さんは惟子と東山さん、東山さんはテルと下地さんの似ているポイントがあれば教えてください。

下地　惟子ちゃんのキャストが奈央さんだと聞いたときにすごく納得したんです。相手を気遣ったうえで明るくしてくれる方だと常々思っていたので、惟子ちゃんにぴったりだとすごく感じています。

東山　急に褒め殺しタイムが始まっちゃった（笑）。

下地　私は人見知りなので収録現場でも緊張していたんです。でも奈央さんをはじめ皆さんが話しかけてくださったり場を盛り上げてくださったりして、アフレコも無事に終えられたので本当にありがたいなと思っていました。

東山　いえいえ、とんでもないです。紫野ちゃんは自分のことを人見知りだと言ったけど、人見知りにもいろんなパターンがあるじゃないですか。「自分なんか……」みたいなタイプの人とか、仲良くなりたいけどどうやって距離を縮めたらいいかわからない小動物タイプとか。紫野ちゃんもテルちゃんも後者のタイプで、一生懸命さが空気感から伝わってくるんですよね。

下地　こういう「小動物タイプ」みたいな言葉選びなんか本当に素晴らしいんですよね、奈央さんは。

東山　だから紫野ちゃんは、私にとっては背中を押したくなる座長だったよ。自分から現場を盛り上げるタイプではないかもしれないけど、「この人ががんばってるからうちらもがんばんなきゃ」と思わせてくれるタイプの座長で。台本に向き合う姿勢や原作を読み込んでる具合とかすごかったし、お芝居してるときも隣で泣いていたよね。

下地　「SHY」はいい話ばっかりですからねえ。

東山　「2話からもう泣いてるの!?」って驚いた（笑）。「この座長のもとでいい作品作っていかなきゃ」と思わせてくれるし、周りに応援されるタイプだし、そういったところはテルちゃんに通ずるものがありますね。

下地　えへへ（笑）。うれしいお言葉なんですけど、恥ずかしいですね。