04 Limited Sazabys主催の野外フェス「YON FES 2024」が6月22、23日に愛知の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で行われる。
2016年にスタートし、今回で7回目の開催となる「YON FES」。2023年までは4月に行われてきたが、今回は6月に“お引っ越し”。今年は主催のフォーリミをはじめ、初出演となるKANA-BOON、ROTTENGRAFFTY、サバシスター、リーガルリリー、Chilli Beans.、KOTORI、YOUR SONG IS GOOD、プッシュプルポットなど計21組が出演する。
音楽ナタリーでは、「YON FES 2024」の開催に向けてフォーリミにインタビュー。フェスを控えた現在の心境や出演アーティストへの思いを語ってもらった。
取材・文 / 小林千絵撮影 / YOSHIHITO KOBA
6月はコンディションが仕上がっている
──例年は4月開催でしたが、今年は6月開催に変更になりました。これにはどういった理由が?
GEN(B, Vo) 開催することにした2日間がジブリパークの休園日だったので、ほかの施設との兼ね合いによる懸念が減って、動線なども考えやすくて。自分たちがやりたいことをやるためには、この日程がよかったんです。フルパワーの「YON FES」ができるんじゃないかということで、この時期に引越ししました。
──6月開催にしたことで、これまでとの違いはありますか?
GEN 自分たちのコンディションが仕上がっているんじゃないかなと思います。例年は3月に少し休んで「YON FES」に備える感じだったんですけど、6月はフェスやイベントにガンガン出演している時期なので、「YON FES」に対する臨み方も違ってくるんじゃないかと。
KOUHEI(Dr, Cho) あと、4月は意外と寒かったので、寒くないというのが一番うれしいかも。4月開催のときは、昼は暖かいのに、トリの俺らの出番のときだけ寒いみたいなことがよくあったから。
GEN 僕もかなり寒がりなんでうれしいですね。
気になる新生KANA-BOONのライブ
──そんなフルパワーの状況で開催される今年の「YON FES」のラインナップについてお話を伺っていきます。今年は初出演が8組いるので、1組ずつそのアーティストを呼んだ理由や魅力を教えてください。まずはKANA-BOONから。
GEN 去年KANA-BOONがツアーの対バン相手として呼んでくれて。楽曲がいいのはもちろんですが、僕たちも呼び返したいなと思って、「YON FES」のオファーをしました。
HIROKAZ(G) それまでなんとなくKANA-BOONはワンマンを中心にやっているイメージがあったんです。でも、対バンツアーに僕らを呼んでくれて、それが意外だったけどうれしかったですね。
RYU-TA(G, Cho) あと去年対バンしたとき、鮪(谷口鮪 / Vo, G)のバンドマンらしい熱さのMCがカッコよかった。
GEN 今の体制になってリスタートした今のKANA-BOONが、「YON FES」でどんなライブをするのか気になりますね。サポートも知り合いだし、このメンバーで鳴らされるKANA-BOONの音がどんな感じなのか楽しみです。
常に全力ROTTENGRAFFTY
──ROTTENGRAFFTYはフォーリミからすると大先輩ですが、今回オファーした理由はなんでしょう?
HIROKAZ 会うたびに、毎年めちゃくちゃ「出たい」と言ってくれていたんです。
──04 Limited SazabysはROTTENGRAFFTY主催の「響都超特急」にはこれまで何度も出演していますよね。
GEN そうなんですよ。毎年出たいって言ってくれているし、僕らも呼んでもらっているので、呼び返すのが筋かなって。あとやっぱりROTTENGRAFFTYはライブ力があるので出てほしいなと。ライブが連日続いてクタクタだろうというときでもヌルいライブをしているところを見たことがなくて、常に熱量が高いんです。お客さんを惹き付ける力、盛り上げる力はすごいなと思います。
KOUHEI ライブを全力でやったうえで、打ち上げでも叫んでるし(笑)。
HIROKAZ もうずっと元気だよね(笑)。
KOUHEI でもそうやって毎回全力を見せてくれるからこそ、N∀OKI(Vo)さんの「明日が当たり前のように来るって思ってんじゃねえよ」というMCに説得力があるんだと思います。
──当日、ROTTENGRAFFTYには何を期待しますか?
KOUHEI 「YON FES」初出演ということで、いつも以上にブッ込んでくれると思うので楽しみです。
俺が先に見つけたサバシスター
──続いてサバシスターの印象を聞かせてください。
GEN 「Harvest tour 2022」(2022年に行われたツアー)の対バン相手を探しているときに、X(旧Twitter)で僕らが対バンを募集する投稿をして(参照:04 Limited Sazabysと対バンしたい若手バンドが続々とGENにリプライ送る / フォーリミ対バン募集ツアーにKALMA、FOMARE、ネクライトーキー、totemぽぉる、サバシスターら)。そのとき実際に誘ったうちの1組です。ツアーに出てもらったときはまだ所属レーベルやマネジメントが一切決まっていなくて。ピザ(PIZZA OF DEATH RECORDS)からデビューして、いろんなフェスにも呼ばれていますけど、「僕が先に見つけた存在だったんだよな」、と振り返ると思って。
KOUHEI 僕が所属してる草野球チームの監督がライブハウスの関係者で、当時はその人が彼女たちの面倒を見てましたからね。
GEN 彼女たちは大人に甘やかされて育ってきているんで、「YON FES」で大人の厳しさを教えようかと思ってます(笑)。
KOUHEI 俺らもいい年の大人だからね。
──皆さんが感じるサバシスターの魅力は?
GEN サバシスターのライブを観ていると、またバンドを始めたくなる感じがするというか。バンドを始めたいと思っている人や、始めたての人が憧れる存在になっていくんじゃないかな。特に同性に憧れられそう。僕らのツアーに出てもらったときは、正直「まだまだだな」と思ったんですけど、そこからいろんなフェスに出て、メジャーデビューもして。今の彼女たちがどうなっているのか気になります。ある種の親心のような気持ちがあるので、成長を見守りたいですね。
HIROKAZ どんな感じに成長しているのか楽しみだよね。
リーガルリリーのようなバンドに出てほしかった
──サバシスターと同じくガールズバンドのリーガルリリーも、今回が初登場です。
GEN リーガルリリーは曲がいいのでずっと前から注目していて。会ったら話したりするくらいの関係ですが、シンプルにカッコいいから声をかけました。
KOUHEI 俺は直接話す機会はほぼないけど、フェスで出演日が被ったときにライブを観て、尖っててカッコいいなと思った。純粋なバンド愛が曲や演奏を通して伝わってくるので、アーティストとして素敵だなと。
HIROKAZ テックスタッフがウチと一緒なんですよ。で、そのスタッフに「今、リーガルリリーはすごくいい感じなんで見てほしいです」と言われて。テックにそう言わせるってどんな感じなんだろうと思って、ライブを観てみたら本当にカッコよかった。
──音楽性的にはオルタナティブで、「YON FES」のこれまでの出演者とは少し毛色が違います。
GEN 前から「YON FES」に彼女たちのような音楽性のバンドが出てほしいなと思ってたんです。エモ、オルタナティブ、シューゲイザーあたりの匂いするようなバンドが。リーガルリリーは「YON FES」に来た人の音楽の知見を広げてくれるんじゃないかな。あと、リーガルのライブを観たことがないバンドもいると思うので、そういうバンドをビビらせてほしいです。
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新世代のヒーローになり得るChilli Beans.