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くまクマ熊ベアー  作者: くまなの
クマさん、異世界に来る
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1 クマさん装備ゲットだぜ!

見切り発車の小説です。

ここから先には誤字、脱字が多く存在してますので、お気をつけてお進み下さい。80話ぐらいから、少なくなると思います。



 待ちに待ったアップデートの日がやってきた。

 世界初VRMMO、ファンタジーRPG。

 多種族、多種職業、多種スキル、幅広く遊べるゲーム。

 発売されて一年、本日大型アップデートがやってくる。


 引きこもりを始めて三年が過ぎ十五才になる。

 そして、一年前に出会ったのがこのゲーム。ワールド・ファンタジー・オンラインだ。

 現実感覚でファンタジーが味わえるゲーム。

 それをやり始めて一年。学校も行かずにゲーム三昧の生活だ。

 睡眠? 睡眠はちゃんと八時間とっているよ。

 だって眠いもん。

 一に睡眠、二に美味しい物、三にゲームかな。

 学校?

 そんなの馬鹿が行くところでしょう。

 この世には株という名の錬金術がある。

 お金を預けるだけでどんどん増えていく。

 あんなの簡単なゲームのようなものだ。

 情報さえ集めればどんどんお金は集まってくる。

 そう親に言ったら学校は友達を作る場所だと言った。

 友達、それ美味しいの?


 あまりにも親がうるさかったが、一億円渡したら黙った。

 すると、両親は家に帰らなくなった。

 渡した一億円で遊んでいるのだろう。

 無くなったら、たかりに来るだろう。

 だから、親に内緒で高級マンションに引っ越すことにした。

 これで、両親ともおさらばだ。

 十五歳だけど、お金もあるし、料理もできる。一人暮らししても何も問題はない。

 洗濯はクリーニングに出せばOK。

 

 今日も今日で一人でゲームを始める。

 メンテもあけバージョンアップが終わる。

 一秒も遅れまいとメンテ明けと同時にゲームにインする。


「お帰りなさいませ、ユナ様。バージョンアップ情報はお聞きになられますか」


 インするとメイドの姿をした女性がゲームの案内をしてくれる。

 初期プレイの設定のとき、男性執事か女性メイドのどちらかを案内役として選ぶことができるNPCだ。

 迷うことなく、かわいいメイドを選んだ。

 執事もいいけど、わたしはメイドさんがいい。


「必要ないわ。早く始めて頂戴」

「わかりました。それではアップグレードキャンペーンを開始します」

「そんなのがあるの」

「一年間のゲームプレイ総時間によってプレゼントアイテムがございます」

「本当!」


 プレイ時間なら、誰にも負けない。

 伊達に引きこもりはしていない。


「では、このプレゼントボックスから好きなのをお選びください」


 メイドがそう言うと、目の前に無数の宝箱が現れる。

 見渡す限り、宝箱、宝箱、宝箱。その数は数え切れないほどだ。


「この中から選ぶの?」

「はい、お好きな物をお選びください」


 選べって言われてもこの数は・・・・・

 無限に広がる部屋に、無限に散らばる宝箱。

 悩んでも仕方ないのでメイドの足元にある宝箱を選ぶことにする。

 宝箱を手にすると他の宝箱が全て消えてしまう。

 もう、選びなおすことは出来ないらしい。

 宝箱を開けると・・・・・・・


「なんじゃこれはーーーーーーーーー」

 

 アイテム名 クマセット

 右手 黒クマのてぶくろ(譲渡不可)

 左手 白クマのてぶくろ(譲渡不可)

 右足 黒クマの靴(譲渡不可)

 左足 白クマの靴(譲渡不可)

 服 白黒クマの服 (リバーシブル機能あり、表と裏で色が違う。見た目着ぐるみ)


 早くインしたいが馬鹿げた景品のせいで思考が止まる。

 こんなの着てゲームなんてできない。

 いくら、引きこもりで友達がいないわたしでもこんなの恥ずかしくて着れない。

 譲渡も出来ないとか、アイテムボックスの肥やしになってもらうしかない。

 でも、一応効果も確認しておこう。


 黒クマのてぶくろ

 攻撃の手袋、レベルが上がるにつれて威力アップ。


 白クマのてぶくろ

 防御の手袋、レベルが上がるにつれて防御アップ。


 黒クマのくつ 白クマのくつ

 使い手のレベルによって速度アップ。

 使い手のレベルによって長時間歩いても疲れない。


 黒クマの服(表)

 使い手のレベルによって物理、魔法の耐性がアップ。

 耐熱、耐寒付き。


 白クマの服(裏)

 着ていると体力、魔力が自動回復する。

 回復量は使い手のレベルに依存する。

 耐熱、耐寒付き。



 なんだ、このチート能力は、レベルが現段階でカンストしているわたしが使えば無敵すぎる。

 だが、こんな着ぐるみみたいな物を装備する勇気がない。

 でも、能力は勿体無い。


「うーん」


 恥ずかしさを我慢して強さを取るか、悩みどころだ。


「ユナさま、どうしましたか?」

「なんでもないわ」


 まあ、今すぐ装備するわけじゃないから、後でゆっくり考えよう。


「それじゃ、ゲームを始めてちょうだい」

「申し訳ありません、最後にアンケートがあります」

「なにそれ、面倒ね」

「申し訳ありません、長時間プレイしたお客様限定のアンケートです」

「仕方ないわね」

「ありがとうございます。ワールド・ファンタジー・オンラインは現実より楽しいですか?」

「もちろん、楽しいわよ。現実なんてつまらないわよ」

「現実世界に大事な人はいますか?」

「ふん、そんなのいないわよ」


 親は金の亡者だし、学校なんて行ってないから友達もいない。


「現実世界に親友はいますか?」

「いないわよ!なんかむかつく質問ばかりね」

「現実世界に大事な物はありますか?」


 わたしの言葉も気にせずに質問を続ける。


「お金かな~」

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 質問が続いていく。

 いったいいくつあるのよ。


「神は信じますか」

「宗教? もちろん、信じないわよ。信じられるのは自分の力だけよ」

「では最後にクマの装備は可愛いと思いますか」

「可愛いと思うわよ。装備したいとは思わないけど」

「わかりました。アンケートにお答えいただき、ありがとうございました」


 部屋が眩しいほど光りだす。


「では新しい世界をお楽しみください」


ユナ「クマ装備ってなんなのよ~」


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