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転生したらスライムだった件  作者: 伏瀬
魔王誕生編
77/304

74話 ヴェルドラ

 さて、ヴェルドラの解放を命じた途端、俺の能力『暴食之王ベルゼビュート』で増大した胃袋内部に、エネルギーの嵐が吹き荒れた。

 圧倒的な暴力の塊が解放された感じである。


(俺、復活!!!)


 口調が変わってませんかねぇ? という突っ込みを心にしまい、


(いよぅ! 久しぶり、元気だった?)


 気軽に挨拶を行なった。


(……。なんだ、せっかく復活したのに、エライ軽い扱いだな……

 しかし、思ったより早かったな。まだまだ当分先だと思っておったぞ)

(気のせいさ! 確かに、『無限牢獄』の解析にえらく時間取られたな。

 俺の、『大賢者』の能力が進化しなかったら、まだ100年はかかっただろうけど)

(我の能力、ユニークスキル『究明者』で、内部から解析を行ってはいたのだがな。

 残念ながら、能力としての使用は封じられていて、情報を『大賢者』に送るしか出来なかったが。

 とんでもなく強力だな、『無限牢獄』とは。流石は勇者よ。

 だが、能力が進化とはどういう意味だ?)


 ヴェルドラの疑問に、俺は説明を行なった。

 俺が魔王に進化し、ユニークスキルが究極能力アルティメットスキルへと進化した事。

 『大賢者』が『智慧之王ラファエル』へとなり、大幅に解析能力が上昇した事等を。


(ほほぅ、そんな事が。というか、一年足らずで魔王へなったのか!

 覚醒魔王は、そこらの偽物と違って、本気で強いんだぞ!)

(まあよ。ま、何ての? ほら、俺って天才っぽかったじゃん?

 生まれながらに、最強系のスライムだった訳だし、さ。

 このくらい、楽勝って感じ?)

(アホか。無茶しすぎだな。道理で、時たま有り得ん程ごっそりと魔素を抜き取られた感じがした訳だ。

 お前が名前をホイホイ付けて無事だったのは、足りない分を我から奪っておったのだな……

 コヤツめ、無茶をする。

 魔素を奪われて効率が落ちるから、解放はまだ先だと思っておったのに、まさか、進化で時間短縮とは、な。

 予想外だったわ!)


 え? というと、俺が名付けても無事だったのは、主にヴェルドラのお陰だったという事か。

 そりゃ、リスクなく、あれだけ簡単に進化出来るのがおかしいよな? とか思ってはいたのだ。

 今後は、気軽に名前を付けたりは出来ないな。

 成る程、魔王が手っ取り早く、配下を増やしたり出来なかった理由ワケがやっと理解出来た。

 まあ、今更だな。ここは計画通りという事にしよう。


(だろ? 計算通りだね(当然嘘だけど)!

 ところで、お前には祝福ギフトって届かなかったのかな?

 魔王に進化した時、"世界の声"が魂の系譜に配られるとか言ってたらしいんだけどさ)


 む? といった思念が伝わってきた。

 暫くして、


(おおお! これが能力の進化か!

 ユニークスキル『究明者』が、究極能力アルティメットスキル究明之王ファウスト』になったぞ。

 我の飽くなき探究心が求めたる、究極の真理へ至る能力か!)


 大興奮の様子。

 あれだな、象並に、気づくのが遅い奴なんだろう。

 まあいいんだけどさ。

 大はしゃぎして喜ぶヴェルドラに、


(まあ、良かったな。能力の進化も案外簡単に起きるだろ?)


 と声をかけると、


(阿呆! 数千年来、そういう事が起きるなど知らなかったくらいだぞ。

 まあ、体験した者が言わぬ限り、簡単には漏れる事は無い秘密事項なんだろ。

 貴重な体験が出来たものである!)


 と返って来た。

 ま、確かに覚醒魔王が生まれる事も滅多に無い事みたいだし、珍しいのは確かだろ。

 いつまでも話していたいのだが、そろそろヴェルドラを外に出してやりたい。

 だが、大丈夫だろうか、少し心配ではある。

 何しろ、コイツの事を聖教会関係者は魔法追跡していたらしいし。

 外に出したら、一発で復活がバレてしまうし、な。


(なあ、封印も解けて復活したんだし、外に出るか?

 ただ、問題は、でかすぎる妖気オーラを抑えないと、復活がすぐバレるという点だが……)

(バレたら困るのか?)


 うん。

 そういう突っ込みが来たか。

 そうよのぅ……。余り、困る気はしない、かな?

 何かあったら、ヴェルドラに対応して貰えばいいし、な。


(いや、考えてみれば、そんなに困らない。

 という訳で、依代として、俺の"分身"を使ってくれ)


 そう応えて、俺はイメージで分身を創り、そこに思念体のヴェルドラを移行させた。

 そして、亜空間である"胃袋"から外へ出す。


 俺と瓜二つの美しい顔の分身。

 違いは、髪の毛の色が白金プラチナ色と言う事くらい。

 だったのだが・・・。

 どんどんと身長が伸び、2m程度になる。そして、体格ががっしりとなり、精悍な顔つきに。

 どことなく面影だけが残る、美丈夫になった。

 完全に、俺の姿を男に寄らせたらこうなりますよ、という感じである。

 やはり、戦闘狂バトルマニア。戦いやすく強そうな外見になったようだ。

 竜のデカイ巨体にならなかっただけ、マシというものである。


(クアハハハハ! 究極の力を手に入れたぞ! 逆らう者は皆殺しだぁ!!!)


 などと、どこかの悪役みたいな台詞を言い放つヴェルドラさん。

 ちなみに、その台詞、聞き覚えがある。俺の愛読書だった、漫画の中のボスの台詞だ。


「おい・・・。おいおっさん。何でその台詞を知ってるんだ?」

「クアハハハハ! 実はな、退屈だったんで、お前の記憶を解析して読み込んでおったんだ」

「おい! おま、そんなしょうもない事してたから、解析が遅れたんじゃねーだろうな!」

「え?」

「……え?」


 見つめ合う二人。

 残念ながら、そこに甘い空気は欠片も無かった。


「それはともかく、ついに解放されたな。礼を言うぞ!」


 目をそらして、話を強引に変えやがった。

 その時、


《告。重要な報告が二件発生しました 》


 と、智慧之王ラファエルが告げて来た。

 報告を促すと、


《第一に、マスターと個体名:ヴェルドラの"魂の回廊"の確立を確認しました。

 個体名:ヴェルドラの能力の解析を完了し、究極能力アルティメットスキル暴風之王ヴェルドラ』を獲得。

 究極能力アルティメットスキル暴風之王ヴェルドラ』の能力は次の通り。


   暴風竜召喚:本来の竜の姿でのヴェルドラを召喚する。

         ※任意の魔素量エネルギーに応じて召喚時間が異なる。

   暴風竜解放:個体名:ヴェルドラへ"分身"を与えて自由行動を任せる。

         ※死亡しても、記憶の復元が可能となる。再解放可能。

   暴風系魔法:"死を呼ぶ風" "黒き稲妻" "破滅の嵐"を使用。


 以上となります。

 現在、暴風竜解放の状態です。この能力に時間制限は存在しません。

 ただし、暴風竜解放の状態では、『暴風之王ヴェルドラ』は使用不可能です 》


 と、とんでもない報告を当たり前のように報告して来た。

 マジかよ……。

 この事をヴェルドラに話すと、


「"魂の回廊"か。我の体験した記憶は全て、時空間を無視しお前に蓄積される。

 つまり、お前が消失しない限り、我は不死になったという事。

 無限牢獄のように封印されても、お前が能力を解除し再召喚すれば済む事になるな。

 我って、無敵に近かったが、不死性も得てしまった、かもな」


 まあ、あくまでも、俺が生きているのが前提だろうけどね。

 全く、恐ろしい話である。

 俺とだけ戦ってるつもりが、いつの間にかヴェルドラも参戦してきた! なんて事もあるだろう。

 くっくっく。想像すると、相手が可哀想になる。

 とんでもない奥の手が出来たものだ。

 そういえば、もう一つ報告があるんだったかな。


《第二に、食物連鎖により、上位者であるマスター貢物のうりょくが大量に届いております。

 取捨選択し、融合消去強化を行い、能力を改変しますが、宜しいですか? YES/NO 》


 どうせ俺には使いこなせない。

 そもそも、一つの能力を何年も研鑽し獲得していくものなのだ。いきなり大量に獲得しても、使いこなす等出来るものではない。

 問題ないだろう。

 そう思い、YESと念じた。

 能力の統合が行われ、速やかに完成したようだ。


《告。ユニークスキル『無限牢獄』を基本ベースに能力の統合を行います・・・成功しました。

 ユニークスキル『無限牢獄マモルモノ』が究極能力アルティメットスキル誓約之王ウリエル』へ進化しました 》


 何だと?

 ていうか、ユニークスキル『無限牢獄』を獲得出来てたのか……

 かなり重要な情報だと思うが、ラファエルさんにはスルー出来るレベルなのか。

 誓約、或いは忠誠。

 俺に対して忠誠を誓う者の祈りの結晶。

 その全てを統合し生まれた、究極能力アルティメットスキル誓約之王ウリエル』・・・か。

 獲得と同時に体感する、力強さ。途方もない安心感を与えてくれる。

 それは、俺と仲間達の絆の証なのだから。

 

 ん? 待てよ…。

 って事は、究極能力アルティメットスキルを実質、4個も獲得したって事か!

 これは・・・、多少調子に乗っても許されるんでは無いか? いや、油断は駄目だな。

 調子に乗った悪党の末路は悲惨だ。

 俺も魔王を名乗るのだ、油断してはいけない。

 そう! いつも調子に乗って失敗している。ここは慎重になるべき時である。

 ともかく、能力の確認だ。


《解。究極能力アルティメットスキル誓約之王ウリエル』の能力は次の通り。


 空間支配:位置座標を認識した空間を自在に入れ替える。転移能力。

 防御結界:多重構成された複合結界と、空間断絶による絶対防御。

 無限牢獄:対象を究極の絶対封印空間へ閉じ込める。

 断熱空間:慣性制御及び、熱量操作。自在に熱の出し入れを可能とする。


 以上となります。

 この能力の獲得により、エクストラスキル以下の能力は消滅しました 》


 成る程…。

 空間支配は、瞬間移動を可能にするみたいだ。一瞬で発動出来た。

 防御結界は、自動で俺の身に張られている。意識の必要もなく、完全にラファエルの支配下にあるみたいだ。

 無限牢獄は、俺の意思によって発動型か。ヴェルドラを捕獲していた結界と同等。つまり、これで捕えた者は脱出不可能に等しい。 

 断熱空間は良く判らんな。どうも、炎熱系の最上位に位置する能力のようだけど…。

 試しに熱を出してみると、掌に自在に炎を出せた。

 念じると、簡単に消える。ああ…。納得出来た。

 出した熱を無駄にせず、この断熱空間に保存出来るのか。

 俺の常識を上回っていて、使いこなせそうもないが、とんでもない能力なのは理解出来た。

 ラファエルさんにお任せしよう。

 ぶっちゃけ、ウリエルの能力は、瞬間移動と完全防御。そして封印。

 この理解で大丈夫だ。

 俺って無敵じゃね?

 ……いやいや、さっき自重しようと決意したばかりだ。

 調子に乗ってはいけないのだ。


 俺が自分の能力を確認している間に、ヴェルドラも究極能力アルティメットスキル究明之王ファウスト』を解析していたようだ。

 かなり凄い能力らしい。

 何でも、思考加速・解析鑑定・森羅万象・確率操作・真理之究明というものらしい。

 聞いても理解出来そうもないな。

 確率操作と・真理之究明は俺も持ってない。残念ながら食物連鎖は発動しない。

 だが、どうせ理解出来ないだろう。

 俺達は能力の解析を終了し、外へ出る。


 扉を開けて外へ出る。

 そこにガビルが跪いて、俺達を待っていた。

 何かあったのか?


「き、今日はお日柄も、よ、良く……

 リムル様と、ヴェ、ヴェルドラ様におかれましては、ご健勝そうで、な、何よりで……」


 ガチガチに緊張している。

 そうか、ヴェルドラの復活に気付いたのか。

 どんな姿であっても、気配で判るようだ。

 龍人族ドラゴニュートたるガビルは、竜の遠い眷属のようなもの。

 もとより、ジュラの大森林の魔物は、ヴェルドラを神の如く敬っていたようだしな。

 いきなり復活したら慌てもするだろう。

 そうか、ヴェルドラが外に出ても俺は困らないが、町の皆は恐慌状態になるかも知れないな。


「ヴェルドラ、一回、分身解除して俺の中に戻って貰ってもいいか?」

「ん? 構わんぞ。

 お前の中の記憶の書物マンガを読み終わってはいないし、お前の目を通して情報は入るしな」


 快く承諾してくれた。

 取り合えず、先に幹部にだけ紹介する事にしよう。

 ヴェルドラに俺の中に戻って貰ってから、


「ガビル、あんまり緊張しなくても大丈夫だぞ。

 ああ見えて、気のいいヤツだしな」

「あ、あのう……。

 リムル様は、ヴェルドラ様とどういった御関係で?

 と言いますか、いつヴェルドラ様は復活為されたのですか?」


 動揺を隠せぬように、ガビルが問うて来た。

 軽く説明をしてやった。

 そして、後で幹部が集まった時に、ヴェルドラを紹介すると約束したのである。




 さて、外にでて町に戻ってみると、予想通りの混乱が起き掛けていた。

 気付く者は気付くのだ。

 伝説に名高い"暴風竜"の復活を察知し、緊急対策を行うべく集合しようとしていた。


「おお、リムル様、ご無事でしたか!

 封印の洞窟に、突如、"暴風竜"ヴェルドラ様の気配が復活したと知らせを受けました。

 リムル様が洞窟に向かわれたとお聞きしておりましたので、心配しておりました」

「兄は、ガビルは無事なのでしょうか!?」


 リグルドが、俺の姿を見て安心したように声をかけて来る。

 同時に、ガビルの妹のソーカが、ガビルを心配して問いかけて来た。


「ん? ま、まあ問題は無い。リグルド、会議の準備は進んでいるか?」

「は。そちらは、問題なく。

 それに、ヴェルドラ様の気配を感じとり、皆此方に向かっていると思われます」


 流石に動きが早い。

 いい機会だし、この会議の席で皆に紹介しよう。

 皆を案内させ、大会議室に集まって貰う事にする。

 ヨウムやエレン達、人間の皆さんにも来て貰う事にした。

 今後の方針も決定しなければならないのだ。


「ソーカ、ガビルも来るし、お前達も参加しろ。

 ソウエイに伝えて、幹部全員招集してくれ!」

「はは! 承知しました」


 その言葉を受けて、ソーカが速やかに移動する。

 リグルドの目では追いつけない速度で、ソウエイに伝達に行ったのだろう。

 彼女達に任せておけば、直ぐにも皆集まる筈だ。


 のんびり会場に案内されながら、リグルドが聞いて回った幹部の能力を教えて貰う。




 まず、ベニマル。


 名前:ベニマル

 種族:妖鬼オニ

 加護:暴風の守りテンペスト

 称号:"鬼王"

 階級:Aランク[EP:213,000]

 魔法:なし

 技能:ユニークスキル『大元帥』思考加速・思念支配・予測演算

    エクストラスキル『炎熱支配』『黒炎』『多重結界』『空間移動』

    常用スキル…『魔力感知』『熱源感知』『威厳』『剛力』

    戦闘スキル…『魔炎化』

          

 耐性:物理攻撃無効,痛覚無効,状態異常無効

    精神攻撃耐性,聖魔攻撃耐性,自然影響耐性


 結構とんでもない。

 テンペストの軍事総司令官である。

 次に、シュナ。




 名前:シュナ

 種族:妖鬼オニ

 加護:暴風の守りテンペスト

 称号:"鬼姫"

 階級:Aランク[EP:12,000]

 魔法:〈自然系魔法〉〈元素系魔法〉〈呪術系魔法〉

 技能:ユニークスキル『解析者』思考加速・解析鑑定・詠唱破棄

    ユニークスキル『創作者』物質変換・融合・分離

    エクストラスキル『多重結界』『空間移動』

    常用スキル…『魔力感知』『威厳』

          

 耐性:状態異常無効,精神攻撃耐性

    


 シュナもAランクオーバーになったようだ。

 最も、戦闘は得意では無さそうだけど。

 ハクロウはというと、





 名前:ハクロウ

 種族:妖鬼オニ

 加護:暴風の守りテンペスト

 称号:"剣聖"

 階級:Aランク[EP:65,500]

 魔法:〈気闘法〉

 技能:ユニークスキル『武芸者』思考加速・超加速・未来予測

    エクストラスキル『賢者ex』『多重結界』『空間移動』

    常用スキル…『魔力感知』『威厳』『剛力』

          

 耐性:状態異常無効,精神攻撃耐性

    


 流石だ。

 剣聖、か。似合いすぎである。

 てか、俺たちが呼んでいるだけって話なんだけどね。 

 クロベエは、ユニークスキル『研究者』に加えて、『神職人』を獲得したようだ。

 本気で、製作に打ち込む気になったようである。

 ソウエイだが、




 名前:ソウエイ

 種族:妖鬼オニ

 加護:暴風の守りテンペスト

 称号:"闇"

 階級:Aランク[EP:187,000]

 魔法:なし

 技能:ユニークスキル『暗殺者』思考加速・一撃必殺・超加速

    エクストラスキル『多重結界』『空間移動』

    常用スキル…『魔力感知』『恐怖』『剛力』

    戦闘スキル…『毒麻痺腐食吐息』『分身化』『粘鋼糸』

          

 耐性:痛覚無効,状態異常無効

    物理精神攻撃耐性,聖魔攻撃耐性,自然影響耐性


 こいつも戦闘特化だな。てか、一撃必殺って物理攻撃じゃなく、精神体スピリチュアル・ボディーへの攻撃らしい。

 精神防御でなければ防げないそうだ。

 段々危険な男になって来た。

 問題児、シオン。




 名前:シオン

 種族:悪鬼オニ

 加護:暴風の守りテンペスト

 称号:"不死者"

 階級:Aランク[EP:224,000]

 魔法:なし

 技能:ユニークスキル『料理人』確定結果,最適行動

    エクストラスキル『賢者ex』『多重結界』『空間移動』

            『自己再生ex』『完全記憶』

    常用スキル…『魔力感知』『恐怖』『闘神』

    戦闘スキル…『悪魔化』

          

 耐性:痛覚無効,状態異常無効

    物理精神攻撃耐性,聖魔攻撃耐性,自然影響耐性


 コイツ…。

 リグルドの報告が信じられず、自分の目で確認してみれば…。

 確かに、ベニマルよりも能力が高くなっていた。

 恐ろしいヤツである。

 てかさ、『悪魔化』って何だよ。まるで、準魔王級プチまおうだ。

 こいつが"魔王種"であっても、俺は驚かないよ。

 これ以上、危険な要素を持つ必要は無いんだよ?

 勘弁して欲しいものである。

 さて、ガビルはと言うと……




 名前:ガビル

 種族:龍人族ドラゴニュート

 加護:暴風の守りテンペスト

 称号:"龍戦士"

 階級:Aランク[EP:126,000]

 魔法:なし

 技能:ユニークスキル『調子者』不測効果・運命変更

    エクストラスキル『賢者ex』『多重結界』『空間移動』

    常用スキル…『魔力感知』『熱源感知』『超嗅覚』『威厳』

    戦闘スキル…『竜戦士化』『黒炎吐息フレイムブレス』『黒雷吐息サンダーブレス

          

 耐性:痛覚無効,状態異常無効

    物理精神攻撃耐性,聖魔攻撃耐性,自然影響耐性


 意味不明。

 調子者なのはその通りだが、どういう能力だ?

 多分、予想も出来ない攻撃が出たり、最悪の状況でも幸運が起きたりする不思議系の能力っぽい。

 コイツは、ギャグの世界に生きてるのか?

 流石はガビル。

 期待して無かったが、期待を裏切らない男である。

 何気に耐性も多いし、案外強かったりして…。何てな。

 この町の防衛責任者、ゲルドは。




 名前:ゲルド

 種族:猪人族ハイオーク

 加護:暴風の守りテンペスト

 称号:"猪人王オークキング"

 階級:Aランク[EP:147,000]

 魔法:なし

 技能:ユニークスキル『守護者』守護付与・代役・鉄壁

    ユニークスキル『美食家』捕食・胃袋・供給・需要

    エクストラスキル『賢者ex』『多重結界』『空間移動』

    常用スキル…『魔力感知』『超嗅覚』『威厳』『剛力』

    戦闘スキル…『毒麻痺腐食吐息』『全身鎧化』『思念操作』

          

 耐性:痛覚無効,状態異常無効

    物理精神攻撃耐性,聖魔攻撃耐性,自然影響耐性ex


 頼もしい。

 ダメージを肩代わりして受けたり、自分の防御力を配下の軍に付与したり出来るようだ。

 軍団指揮官としては、素晴らしい働きが期待出来そうである。

 何人くらい影響を与える事が出来るのかは不明だけどね。

 最後にディアブロだ。

 リグルドには報告する気が無いと言ったらしく、直接聞く事にした。

 どうせ、呼びに行くのだ。ついでである。




 名前:ディアブロ

 種族:悪魔デーモン

 加護:暴風の守りテンペスト

 称号:"悪魔公デーモンロード"

 階級:"A+"ランク[EP:444,000]

 魔法:〈魔力操作系〉〈上位悪魔召喚〉

 技能:ユニークスキル『大賢人』思考加速・思念支配・詠唱破棄

    ユニークスキル『誘惑者』魅了・勧誘

    エクストラスキル『多重結界』『空間移動』

    常用スキル…『魔力感知』『魔王覇気』

    戦闘スキル…『法則操作』

          

 耐性:物理攻撃無効,自然影響無効,状態異常無効

    精神攻撃耐性,聖魔攻撃耐性


 ははは。

 愉快なヤツだ。

 滅茶苦茶強くなっていた。

 魔王の資格、余裕で持ってそうである。

 いやはや。

 俺とヴェルドラに次いで最強なのは、間違いなくディアブロだった。

 



 ディアブロにも会議に参加するように伝え、大会議室に向かう。

 今後のテンペストの動向を決定する、重要な会議。

 人と魔が共に過ごせる世界を目指して……

 EPは無視してください。

 参考:アークデーモン[EP:140,000]

    EP:200,000以上で魔王種の資格獲得。(任意)

    適当なので、変更する可能性大。

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