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その3・転生しました!

その3・転生しました!


(※転生の光)

「一応ベッドの上か……ってうわ……あれ? なんでもう14、5歳ぐらいの身体なんだ? フツーこういう場合、赤ん坊の頃から記憶があって、そこからこうどういう成長具合をしたかが分かるものじゃないのか?」

「なにやってるのA? そんなに自分の顔が綺麗なのが自慢? 殺すわよ」

「わ、誰この褐色フィットネス系ちょっと胸が残念だけど小麦色に日焼けして銀髪ショートヘアの美人!」

「び、美人? きゅ、急にな、何言うのよ!(赤面)」

「君誰?」

「あんた頭大丈夫? 幼なじみのB!」

「え? あ君は幼なじみのB!…………ってあれ? ちゃんと12年分の記憶がある?」

「どうしたのよ? いったい? 今朝はいつもよりも変よ?」

「えーと……(思い出す)そうか僕は盗賊の頭領の息子として生まれて、ゴツくてえらく強いが息子にはダダ甘い父親と、むっちり巨乳だったけど早死にしちゃった母親との間でむっちゃ頭がイイモン&美少年だから大事に蝶よ花よと育てられ、ゆくゆくはこの盗賊都市111の盗賊王……えー! 盗賊都市? 何そのハードモードな設定! まわりみんなヒャッハーさんしかいないの?」

「あんた時折馬鹿みたいなこと言い出すわね。さあ初仕事よ。000王国のE王女様ご一行がこの辺通るから護衛を皆殺しにして王女様を誘拐して(※以下300文字ほど削除)するのよ!」

「え?!」

「あんたももう来年には16歳なんだから、いっぱしに盗賊稼業の一つもやらないでどうするの? ここは盗賊都市111よ! そろそろ人間のひとりもぶっ殺さないと」

「いやまって、ちょっとまって!」

「何よA? 怖じ気づいたの? 大きくて男らしいのはその剥き立ての股間の(ピー)だけなの?」

「うわ、なんてこと言うんだ?! ちゃんと美少女&戸松遙さんみたいな声で下品な! 僕悲しいよ!」

「何言ってるのよ、ここは盗賊都市で、あたしたちはそこの子供なのよ? ウブなネンネじゃあるまいし! ほら、親父さんからの餞別の短刀もって、さっさと行くよ! 今日から街のしきたりに則って盗賊稼業開始なんだから!」

「いやあのBさん……」

「今度はあたしをさん付け? なにビビってんのよ! そんなんだから未だに女も知らないんでしょうが!」

「え? まだ僕童貞なの?」

「あったりまえでしょうが、ここは盗賊都市、仕事もしてなくて変なカラクリ道具や発明するだけのやつなんて、ただのピクシー! 男としてみて貰えるわけないでしょ!」

「ここじゃ童貞はピクシーか……魔法使いにもなれないのか、世知辛い」

「? 何バカ言ってるの?グダグダしてないで、とっとと着替えな!」

「あ、はいはい」

「……なにあたしの顔みてにやにやしてんのよ!」

「いや、なんかこう夢みたいだなあ、って幼なじみがレザー製&お腹と太腿剥き出しの衣装着けた褐色筋肉質で腹筋浮いてる女の子だなんて……ってあたっ!」

「く、くだらないこといってないでとっとと着替えて降りておいで!(大赤面)」

「あ……いっちゃった。まあいいや、この間に15歳までの僕の記憶とこの世界のことを思い出すとしよう……でもなんでいきなり15歳からなんだ?」

「まあ、一種のチートモードってやつです」

「わ! あんた誰……あれ? 転生前の係の『天使のほう』な人?」

「まあ人じゃないですけれどもね」

「どうしたんですか? フツーこういう場合もう出てこないか、天界かどっかでボクらのことを見守って『ふふふ、上手くいってますね、でも彼らの冒険はでもこれから』とかいって毎回ヒキの部分に出てくるとか『第二期決定』とかの文字が出てくる直前まで出番はないものでは?」

「まあ少なくとも『この本によれば……となるようです』とかは言わないですよ私」

「もう去年になった仮面ライダーのネタですか、ちと古いのでは?」

「そこはまあ、リアルタイムネタと言うことで」

「新しいライダー社長だそうで、見たかったなあ……」

「あなた、随分こういうの知ってますね」

「そりゃもう、転生前の僕の人生はズンドコでしたから」

「そりゃそうですよね、何せ死因が……」

「わー! やめてとめてやめてとめてえええ!」

「なんだ生まれ変わって美少年になっても、前世のことは恥ずかしいですか」

「そりゃそうですよ! 記憶は繋がってるんですから! だってあんな……あんな……ひいいいいいいいいいい! ああ僕のバカーっ!」

「今は美少年だからまだ可愛げがありますね。少なくともねんどろいどにはなる程度には」

「……意外とそっちも知ってますね」

「まあ、私たちも色々勉強しますから」

「…………っていうか、今()()()って言いました?」

「言いました」

「ひいき目やお世辞じゃなく? 僕の主観論的な物では無く? 辛い記憶の思い出補正とかじゃなく?」

「ええ。鏡、そこにありますよ?」

「うわ……これが……僕……」

「いま『美少年になったら言いたかったんだこの台詞』って思ったでしょ?」

「そりゃそうですよ! 美少年ですよ! それもちょっとロングヘアで細っこい手足で田村睦心さんが声宛ててそうな、繊細でメロウな感じの! 女装が似合いそうな!」

「まあ、それはお望み通りですから」

「そーでしたか? いやーありがとうございます! なんかあなたと会った以外の記憶がどーも曖昧で」

「いえいえ、職務ですから&記憶がボンヤリするのは仕様です。ただ中身があなたである以上残念な存在ですが」

「……で、どうしたんですか? 僕にお祝いをいいに来たわけじゃないんでしょ? まさか、この転生『ナシよ』ってことじゃ……」


「ばーれーたーかー」


「ぎゃー!」

「……冗談はさておき」

「冗談なんですか!」

「ま、そいうことじゃないですね。平たく言うと手続きエラーが起こったので、当分の間あなたのサポートをしようと思いまして」

「手続きエラー?」

「まあ詳しくは前回の後半を」

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