実店舗の来店者&売上は激減、新型コロナウイルス感染拡大が直撃【全国700店舗のデータ調査】
小売店舗向け解析サービスを提供するABEJAは3月12日、小売店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」を導入している約700店舗を対象に来店者数や売上高の調査を実施した。
それによると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、小売店舗への来店者数、売上高が大幅に減少していることがわかった。
店舗内に設置されたカメラやセンサーから来店者の情報を把握、新型コロナウイルスの流行拡大を受け、来客数がどの程度変化したのか、国内初の感染者が確認された1月16日~3月8日の「来店者数」「店前通行者数」「店舗売上額」の推移を検証した。
国内初の感染者が確認された1月16日以降、「来店者数」は前年実績の80%から70%台へと減少。政府による時差出勤・テレワークの推奨やスポーツやイベントの中止・延期などが要請された2月25日以降に入ると、さらに減少し、前年実績の53.9%まで落ち込んでいる。
その後、全国の公立学校の休校が始まった3月2日以降の来店客数の推移は横バイだが、「店舗売上額」(一部店舗)は前年実績の55.1%まで落ち込んでいる。
ABEJAによると、店舗の売り上げ減少に大きな影響を与えた要因については、来店者数の減少だけでなく、営業時間の短縮や臨時休業対応、消費者がECサイトでの購買に移っているためと推測している。
「店前通行者数」より「来店者数」の減り幅が大きいことも注目すべき点。ふらりと入店する「ウインドーショッピング層」が減り、最初からこれを買うと決めている「目的購買層」、その店の商品の購買意欲が高い「ブランドファン層」の割合が増えたと見ている。
調査は、ABEJAの小売店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」を導入しているアパレル、雑貨など全国約700店舗を対象に実施した。「ABEJA Insight for Retail」は、三陽商会、ビームス、イオンリテールなどが導入している。