最近の下北沢、サブカル層には居心地が悪い? 「再開発で子育て世代が住みやすくなり、”夢追い人”は中央線沿線に避難」と識者 | キャリコネニュース
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最近の下北沢、サブカル層には居心地が悪い? 「再開発で子育て世代が住みやすくなり、”夢追い人”は中央線沿線に避難」と識者

変化した下北沢

変化した下北沢

下北沢といえば、”サブカル”な街というイメージを持つ人も多いだろう。しかし、ここ10年ほどで街の様子は大きく変わり、下北沢を構成する人の層が変化したという。鉄道事情にも詳しい恋愛コンサルタントの鈴木リュウさんは、

「かつてはバンドマンや劇団員の多い街として知られ、高校生や大学生が学校帰りに遊ぶデートスポットでした。最近は、若い頃に下北沢で遊んでいた30~40代が再び戻ってきていて、子育て世代が集まるおしゃれな街に変化しています」

と説明する。

“開かずの踏切”は撤去され、家族で過ごしやすい街に

以前は小田急線が地上を走っていたため街の中心に”開かずの踏切”が存在し、慢性的な渋滞が発生していた。

「かつての下北沢駅周辺はバラックの焼鳥屋なども多く、中央線沿線の中野・高円寺的な、ごちゃついた街でした。新宿ゴールデン街の弟といった雰囲気もありましたね」

2003年に再開発が始まり、2013年には小田急線が地下化した。小田急の踏切も撤去された。19年には商業施設「シモキタエキウエ」、2020年には東北沢~世田谷代田駅間の線路跡を開発した「下北線路街」がオープンした。現在、駅前は広場となっており、以前のような”ゴールデン街”的な雰囲気はない。

「以前は細い道が多く、段差の多い街でした。しかし今は駅周辺だけでなく、1.7kmに及ぶ下北線路街もバリアフリー。駅前も子連れOKのチェーン店が増えました。かつて下北沢で遊んでいた10代がアラサー以上になった今、下北沢は”子育て世代に優しい街”に生まれ変わったんです」

下北線路街には、中目黒や代官山にありそうなおしゃれな保育園や、個性豊かなテナントが集結する「BONUS TRACK」、箱根の温泉を東京で楽しめる大人の高級旅館「由縁別邸 代田」などがある。

「今まではごみごみした演劇と音楽の街で、いわゆる”夢追い人”が集う地域でした。路地裏の狭いセンベロ居酒屋で、煙草を吸いながら酒を飲むような夢追い人たちは子育て世代とはまったく逆の街を好みます。開発後の下北沢は居心地が悪いのではないでしょうか」

夢追い人はどこに行った?「高円寺、阿佐ヶ谷、三茶に避難」

では、”サブカル”な彼らはどこにいるのだろうか。

「夢追い人は中央線の中野・高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪あたりに移動しています。駅自体は綺麗けど周辺はごちゃごちゃしている街ですね。お金がないのもあり、田園都市線三軒茶屋駅から駅遠の場所に住む人もいます。北は中央線、南は三茶に”避難”という感じですね」

2021年にはゲームセンター「下北沢エムエムランド」、カラオケ店「カラオケの鉄人」が閉店した。鈴木さんは「”若者が集まる店”の象徴のような店が潰れているということです」と話す。

「2000年代は例えばAKB48の一期生が上京したころと被りますが、峯岸みなみさんがブログで『下北でさっしー(指原莉乃さん)と古着を買った』と投稿していました。当時の下北は10代など若者が古着を買う街でしたが、今はわざわざ古着を買いに下北にという人は少ないでしょう」

現在、下北沢の構成要員は30代になっている。「ここ10年で、下北沢で過ごす人の年齢層が一気に上がりましたね。お店も大人が心地よく過ごせるカフェや子連れでも大丈夫なお店が増えています」という。

「そして、下北沢といえばカレーというほど、ここ10年でカレー屋が増えていますね。商店街のクリーニング屋や服屋だった物件を使っている店舗が多いんですが、カレー屋以外にも個人事業主や自営業の人が居抜きを利用してスタッフ1~2人の小さな店を実験的に運営しているような店が目立ちますね」

その店もアルコールを提供するといったものではなく、昼間に利用できる店が多い。サブカルや若者だけの街ではなく、幅広い世代が集う街に変化している、ということの現れだろう。

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