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2024年11月、ある女性が、外資系ブランドの美容部員の態度に対する不満をXに投稿したところ、またたく間に1億回の表示と9.5万いいねが付くという大きな反響がありました。

◆「買わないならタッチアップしないで」!?

その内容は、あるブランドのカウンターでタッチアップ(美容部員によるお試しメイクやスキンケア)をしてもらったとき、微妙なので買わなかったら、《「次回からタッチアップのみはお断りします」と怖い感じで言われた》というもの。《買うか買わないか決めるためのタッチアップじゃないの?」と、この女性は疑問を呈していました。

コメント欄には、似たような体験をした人の投稿が溢れかえりました。

タッチアップのあと、買うかどうか検討していたら《イライラした感じで手鏡ガン!って置かれてびびったことがある》とか、
《リップを付けてみたいと言ったら、「購入しますか?」と聞かれた》とか、
《だるいんだなってわかるぐらいの店員の態度だった》とか、
《買わないなら来ないでオーラがすごい》とか……。

みんな「試すために店に来てるのに」「買うと決めてるならオンラインで買うよ」という不満を抱えているようです。「そういう怖い思いをするのが嫌で、カウンターに行ったことがない」という人も。

美容部員は人手不足とノルマで疲れてる

一方、「同じブランドでも、別の店の美容部員さんはとても優しかった」と、あくまで“個人の差では”、という指摘もありました。

また、外資系ブランドの美容部員だったという人からのコメントでは、
「どの店も人員不足の中、高い売上目標を課されて、買わない人に優しくなれるほど余裕がない」
「タッチアップして売れないとチーフから責められたり、常に忙しさの中で追い詰められてる」
などと悲痛な本音が明かされていました。

こういった中で、私たちは美容部員さんとどう接すればよいのでしょうか? 私はメイク講師として、たまに「デパコス攻略ツアー」なるイベントを開催するのですが、その経験から私見をお伝えしたいと思います。

◆まず美容部員は「売る仕事」だと理解する

いかなる事情があろうとも、お客様が不快に感じるような態度を取るのは接客業として失格です。

その上で、消費者側も「美容部員という仕事」に対して、ちょっと間違った認識を持ってる人が多いとも感じています。

美容部員の仕事とは一言で言うと「化粧品の販売」です。例えば餃子の試食を思い浮かべるとわかりますが、あれは「試してよかったら買ってね」という販売促進のためのサービスですよね。美容部員のタッチアップもそれと同じで、買ってもらうために無償で提供しているサービスであることを理解しておきましょう。

美容のプロとしての資格等がなくても就ける販売職ですから、「すごく美しい美容のプロにアドバイスをもらう」と思って緊張してしまう必要はないのです。逆に「アドバイスしてくれて当たり前」と思ってしまうのも間違いです。

前出のコメントのとおり、美容部員にはノルマがあります。今日は何人接客して、いくら売上げて、客単価はいくらなのか。販売が仕事なので、そうだろうなと想像がつきますよね。そうすると「買わない人の接客をするのは客単価が下がるのでマイナスなんだな」、と美容部員の状況を理解することができます。

その上で消費者側である私達の希望として「気軽に試してみたい」「営業されたくない」「買わなかった時のイヤな空気を避けたい」を叶えるにはどうしたらいいのでしょうか?

◆「ほぼ買うつもり」の時だけ、タッチアップを頼む

デパコス攻略ツアー」でみなさんに最初に伝えているのが、「相手の時間をムダに奪わないように」ということ。