為末大、人間らしさ研究家「一人で戦う空気が世の中に受けている」

為末大氏が自身のYouTubeチャンネルで「【為末一人語り】兵庫県知事選を受けて」とのタイトルで更新した動画で、自身が感じた現代の選挙についての見解を述べた。
為末氏は、自身のライフワークである人間らしさの探求を通じ、集団と個人の振る舞いに興味を持ち続けていることを述べた。その一環として、兵庫県知事選に関心を寄せ、元知事である斉藤氏の選挙戦について「一人で戦っている感じが今の時代の空気に非常にマッチしている」と説明。「SNSとの相性が良い」との理由から、一人で大きなものと戦う姿勢が支持を集める現象を分析した。

現代の選挙において、「メディアが取る方向性がひっくり返されることが増えてきた」と指摘し、特にSNSの登場によって情報の伝播が加速している中で、「一人で孤立して戦う人が人気を集める背景には、世の中全体に漂う空気として権力への不信感がある」と述べた。これにより、選挙の結果が予想外になることが多いと指摘している。

為末氏は、「情報が複雑すぎて何が真実かがよくわからない」とも述べ、選挙におけるストーリーの作り方が重要であることを指摘。「一人で孤立して大きな権力と戦う物語が、今の空気にマッチしている」との見方を示した。

動画の締めくくりでは、「社会がどのような物語を作っていくのか」と疑問を呈し、個々が信じる世界が孤立してしまう状況になっていくのかと懸念を示した。一方で、「一つの船に乗っている感覚を社会には重要」とした上で、その感覚を取り戻したいと語った。