半導体洗浄装置の世界シェア首位… SCREENHDが装置生産能力2割増、年6000億円に
SCREENホールディングス(HD)は2027年3月期までに半導体製造装置の生産能力を24年同期比20%増やし、売上高換算の生産能力を年6000億円とする。半導体洗浄装置のマザー工場である彦根事業所(滋賀県彦根市)で、工場のレイアウト見直しによるモノの流れの最適化、組み立て工程の自動化、調達部材のユニット化などの生産改善を進めて能力を増強し、半導体需要の拡大に備える。
彦根事業所は相次ぐ新棟の稼働で工場棟の新設余地が限られるため、既存工場内の生産の導線を見直して部品や部材の流れを最適化し、生産タクトタイムを短縮する。部材組み立ての自動化を増やすなどして、効率化する。サプライヤーで装置部材をユニット化した上で調達する割合も増やす。
SCREENHDの彦根事業所には半導体製造装置の生産棟「Sキューブ」が5棟ある。Sキューブ4は23年1月、Sキューブ5は24年1月に相次ぎ稼働した。これにより半導体製造装置事業子会社であるSCREENセミコンダクターソリューションズ(京都市上京区)グループの生産能力は売上高換算で24年3月期に年5000億円に達した。
SCREENHDは半導体洗浄装置の世界シェア首位。30年3月期までに半導体製造装置事業の売上高が年6000億円を超えるとみており、国内で新工場の稼働を計画する。33年3月期には同事業の売上高が約8000億円に到達する見通しで、生産能力の確保を急ぐ。
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日刊工業新聞 2025年01月20日