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四足歩行ロボットが“社員の分身”に、大成建設が目指す「203X年」の建設現場

四足歩行ロボットが“社員の分身”に、大成建設が目指す「203X年」の建設現場

現場の作業者と管理事務所にいる人のコミュニケーションにも使える

作業者の負担軽減や生産性向上を目的に、さまざまな作業でロボットの導入機運が高まる建設現場。こうした中、大成建設は労力を伴う現場巡視業務の効率化を目指し、実証に取り組んでいる。人の代わりとなって現場をくまなく歩き回るのは、松崎重一建築本部生産技術イノベーション部長が「社員の分身のイメージ」と話す四足歩行ロボットだ。

ロボットの背中には、大成建設がTechShare(テックシェア、東京都江東区)と共同開発した遠隔巡視システム「T―InspectionX」を搭載。遠隔操作が可能な同システムと、安価で小型ながら優れた運動性能が特徴のロボットを組み合わせることで、段差や傾斜がある場所でも難なく移動し、検査や安全確認などの巡視を行える。

機能も実に多様だ。あらかじめ指定したルートを自律制御によって自動巡回する機能を搭載しており、全方位カメラなどを使って現場内のさまざまな情報を収集できる。

映像・音声を遅延なく伝達する機能も備えており、マイクやスピーカーを介し現場の作業者と管理事務所にいる人による双方向のコミュニケーションに使える。またアームロボットを活用した自動給電システムと連携させることによって、長時間にわたる稼働も見込める。

現在、同システムを搭載できるロボットは小型から大型まで5タイプ。その他のさまざまな機種のロボットにも自在に搭載できる拡張性を生かし、開発を継続していく考え。

適用範囲の拡大や実装に向けて、松崎部長は「今後も現場での実証を通じて技術的な改良と改善を重ねていく」と強調する。ロボットが異なるフロア間を自由に行き来できるようにするための専用エレベーターを年内をめどに完成させる計画だ。

人とロボットが協働しながら安全で生産性の高い建設現場を実現する時期として、大成建設が目標に定めているのは「203X年」。そこに向けて着実に歩を進めている。

日刊工業新聞 2025年01月28日

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