公共工事労務単価引き上げ確実に…13年連続、23年度以降5%超
物価高騰・人手不足が深刻化
公共工事設計労務単価が13年連続で引き上げられることが確実となった。石破茂首相が4日の閣僚懇談会で、2月中に労務単価を引き上げるよう関係閣僚に指示した。物価高騰に加え人手不足が深刻化する中で、民間工事に直接影響を与える公共工事の労務単価がどこまで引き上げられるか注目される。

2024年度(24年3月から適用)の公共工事設計労務単価は、全国全職種単純平均で前年度比5・9%増で、12年連続で引き上げられている。23年度は同5・2%で上昇率は2年続けて5%を上回った。近年の物価高騰に加えて、24年4月から建設従事者の時間外労働が年720時間に制限される、いわゆる「建設業の24年問題」や能登半島地震の復旧対応などで建設業界の人材不足は深刻さを増しており、引き上げ幅が24年度実績を大きく上回る可能性もある。
公共工事設計労務単価は、農林水産省と国土交通省が所管する公共工事の予定価格を積算する際に用いる技能者の労務単価。毎年9―10月に全国の元請け、下請け、警備会社を含めた51職種の賃金単価を調査、これを基に決定し翌年3月の契約から反映している。
建設業界は1999年から2000年にかけて、建設投資の減少に伴う労働需給の緩和により労務単価は10%以上下がり、その後もゆるやかに下げ続けた。13年度分の調査から単価算出手法を個人負担分の法定福利費相当額を加えるよう変更し、同年度は全職種平均で15・1%上昇。その後はマンションブームやインフラの補修工事などの建設需要の高まりもあり、労務単価も3%前後で上昇を続けてきた。特に23年度以降はコロナ禍からの回復による需要増や物価高、人材不足などが相まって5%以上の上昇となっている。
ただ、労務単価の上昇が実際に技能者の賃金に反映されることが重要だ。国は24年12月に建設業法を改正し、民間工事において国の示す労務費基準を大幅に下回る積算見積もりや請負契約の禁止、資材高騰の際の契約変更の明確化、価格や工期のダンピング禁止などを導入、技能者の処遇改善につながる対策を取る。中野洋昌国交相は4日の閣議後会見で「最新の賃金上昇の情勢などを十分に踏まえ、適切な労務単価を設定する」とした。