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発電効率は〝業界最高水準”…馬渕工業所が初号機納入、廃熱発電システムの特徴

発電効率は〝業界最高水準”…馬渕工業所が初号機納入、廃熱発電システムの特徴

京大やイーグル工業と長寿命化の開発に取り組むスクロール式膨張機

馬渕工業所(仙台市太白区、小野寿光社長)は、工場廃熱などで発電するシステムの初号機を7月にも納入する。ボイラや焼却炉などから出る低温の未利用熱で発電できる装置で、カーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)への取り組みを加速したい企業のニーズを取り込む。2025年度には京都大学、イーグル工業とシステムの長寿命化の開発にも着手し、26年度中の市場投入を目指す。

これまで産業廃棄物処理業の鈴木工業(仙台市若林区)の焼却炉で実用化試験を重ねてきた。第2弾として同業のフロンティア・スピリット(長野県松本市)の炉で商用機による実証を3月20日まで行う。その後、田中貴金属工業(東京都中央区)の平塚工場(神奈川県平塚市)に移設し、4月中にも実証を始める。

このほか、バイオマス発電用ボイラや大型ディーゼルエンジンの廃熱など、25年度中に最大15台を設置する予定で「設計に着手したか完了した案件が11カ所となり、うち7月には実証終了後は、製品版を購入してもらえる見通し」(小野社長)となった。

25年度には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として、発電システムの心臓部であるスクロール式膨張機の高精度化や耐久性向上に取り組む。

例えば、回転軸の摺動(しゅうどう)面に潤滑油が浸透しやすくなる工夫を施し、摩擦係数を下げ回転軸の長寿命化につなげる。

イーグル工業が持つ軸受の封止材の技術と京大の摩擦や抵抗に関する知見を組み合わせ、改良版の設計と試作、性能評価を行う。

馬渕工業所の発電システムは、80度C程度の低温水でも安定して4キロ―5キロワットの発電を継続できるのが特徴。NEDOによると、発電効率は国内最高水準で、温泉やオフィスビルなど熱量が小さい施設でも廃熱を利用でき、社会全体の脱炭素化に貢献するとしている。

日刊工業新聞 2025年02月28日

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