新型GPUの「需要は驚異的」…エヌビディアの24年11―1月期、売上高78%増5.8兆円
米エヌビディアが26日発表した2024年11月―25年1月期決算の売上高は前年同期比78%増の393億3100万ドル(約5兆8600億円)だった。AI(人工知能)向け半導体の高水準な需要が継続し、25年2―4月期の売上高予想も同65%増の430億ドル前後と好調を維持すると見る。中国のAI企業ディープシークの登場でデータセンター(DC)投資が減るとの市場の懸念を吹き飛ばした。
24年11月―25年1月期はDC部門が業績を引っ張った。同部門の売上高は前年同期比93%増の355億8000万ドルで売上高全体の約9割を占めた。特にこのほど量産を始めた新型画像処理半導体(GPU)「ブラックウェル」の売上高は110億ドルと好調だった。同製品は新しい技術へ移行するもので、ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の高い需要が継続するかが注目点だった。
エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は「ブラックウェルの需要は驚異的だ」とした。また、ディープシークが開発した低コストで高性能なAIモデル「R1」については「素晴らしい技術革新」として、R1のような推論型のAIには「これまでの100倍の計算力が必要になる」と、GPUの設備投資が今後も続くとする。
一部でブラックウェルは生産面の課題が指摘されていたが、ファンCEOは「課題は解消し、生産量を増やすことができた」と強調した。ブラックウェルの生産拡大に向けた取り組みにより、25年2―4月期の粗利率は71%台に低下する見通しだが、生産数の増加によってその後は粗利率が改善するとみる。
ブラックウェルの生産数が増えれば、半導体製造装置の需要も伸びる。特にAIデバイスは既存の半導体に比べ、テスト時間が2倍以上に増えるとされる。必然的にAIテスターでシェアを持つアドバンテストの好業績も続く。
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